第79話 異界の魔物の檻ダンジョン−2

5階層のボス、ディプロラドンを倒してそこで昼食休憩をとったジン達は英気を養

って再び5階層から6階層に向かった。


6階層はパラサウロスという魔物が10匹いる。


体長はおよそ10メートル。

顔立ちはサウンドラーに似ているが口からものすごい強酸の液を吐き出し、強固なシールドさえも一瞬で溶かしてしまう。


ここは後ろに控えていたイリーナが『滅亡の弓』に魔力を流し5本をパラサウロスのこめかみ目掛けて放ち殺した。


残りの5匹はイザベラが【ファイアランス】で2匹を、イリアが【アースアロー】で胴体に2本ずつ撃ち放って、全て殺した。


床がドロドロに溶けている。


7階層に向かう。

急勾配の下りの階段を降りてやっと坑道の床に着いた。

そこには巨体のアパトザウルスが2体いる。

黒龍の2倍はあるかと思われるほどの巨体だ!


剣で切るにしても内臓迄届くにはかなりの力がいる様だ。


ジンが【イレージング】を2匹に向かって放った。


体が分解され一気に消えて行く。


あの巨体2匹が2秒もかからず消え去ってしまった。


イリーナが「ジンのその魔法は相変わらずエゲツない魔法ね!有無を言わさずあっという間に消えてしまうのよね」

「魔法に上品も下品もないでしょう?エゲツないってこれが魔法です」とジンがむくれてイリーナに抗議する。


「魔法でエゲツない魔法とは大変な褒め言葉なのよ、対抗する方法もなくリフレクションさえも消して行く魔法ですもの」とイリーナ。


むくれたジンがそれを聞いて、直ぐにご機嫌な顔に戻る。


”あらあら、単純な私の旦那様、可愛いわ!”と心の中で呟くイリーナだった。



8階層に向かった。

普通のダンジョンだと色々階層によって特徴が有りある意味で飽きが来ないが、どこの階層もミスリル製の坑道に床が有るだけだ。


8階層にはディノニクスザウルスが3体居る。


ドールがレーザービームを放ち、【縮地】で一瞬にして首を切り落とした。

しかし切り落とした首から再び頭が出てきてドールを襲う。


直ぐに間合いを取って心臓が有る部分を切り裂くと今度は倒れて完全に死んだようだ。


ドールは心臓の部分を上段から斬り下し討ち取った。


イリアが心臓の部分に【ファイアランス】を2発打ち込み倒した。


9階層にはユタラプトンが2匹いる。

イザベラが【エアカッター】を放ったが簡単に躱されてしまった。物凄く動きが速い!


ドールさえもやっと追える速さだ!


ヒューイが『神龍剣』でユタラプトンよりも速い動きで首を斬り落とし殺した。


イリーナがもう一匹の足に【アイスロック】を掛けてイザベラが【エアカッター】で首を斬り落とし葬った。


「さすがイリーナ親娘、抜群のコンビネーションだね!」とジンが感心した。


「動きが速い魔物でも、その速い足を止めてしまえば後は普通の魔物だわ」とイザベラ。


10階層はボス部屋で扉をドールが開けると、ティロザウルス竜が1匹いる。


口から高速の火を吐いてくる。

しかも、全く魔法が効かない。


イリーナは『滅亡の弓』で頭と胴体に2発の矢を射る。

弾き返されると思ったが2発とも突き刺さった!


「イザベラ、『魔法の槍(マジックスピア)』を撃って!」とイリーナが叫ぶ。


イザベラが『魔法の槍』を放った!


矢が刺さった直ぐそばに槍が突き刺さり、再びイザベラの手元に戻り、更に再びイザベラが投げると又も同じ所に突き刺さり、絶命した。


「お母さん、魔法は効かないのじゃ無かった?」


「馬鹿ね!私達のは『マジックアイテム』で魔法じゃ無いでしょ?【ファイアアロー】なら跳ね返されるけど『マジックアイテム』は効くわよ!」


「それで真っ先にお母さんが『滅亡の弓』で撃ったのね?」感心したようにイザベラ

が言った。


「やはりまだまだね、我が娘は!ジンにふさわしいのは矢張り私かな?(笑)」


「お母様!それとこれとは関係ないわよ!」とイザベラがイリーナに食って掛かった。


「あら、ジンにふさわしい奥さんにならりたいならもっと魔法の使い方を研究しなさい」とイリーナ。


11階層に行く。

11階層にはパキケトゥスが2体いる。


イリア叔母さんとイザベラが【ファイアランス】を放ったが手前でシールドの様な物に弾かれてしまう。


「また、魔法が効かない魔物みたいよ」とイザベラが叫ぶ!


ジンが前に出て『剛力』を横一閃にないだ。


ガシンと音がして2匹のパキケトゥスが切られると云うより、ヒシャゲ潰されて内臓を出して死んだ。


12階層にはアンキログルが2匹いる。

前足が異常に発達しており、強力な力で他の魔物を抑え込む。

イリーナは後ろ足2本にそれぞれ【アイスロック】を魔力増幅で3倍の魔力を放ち

強烈な【アイスロック】を2匹に仕掛けた。


ジンが『煌剣』で2匹のアンキログルの巨大な前足を切り落とした。

すぐさまイリア叔母さんが【アースランス】を魔力増幅で3倍、『土の精霊の杖』で10倍掛けして強烈な土の槍を胸めがけて2匹にはなった。


ブスッと突き刺さり、2匹とも心臓を破裂させられて絶命した。


「さぁ、今度はいよいよ13階層だね、我々が倒さない限りこの世界は存続しないという覚悟で死に物狂いて頑張るぞ!」とジンが皆に言う。


13階層に向かいながら昨夜打ち合わせをした作戦を再度確認し合って、13階層にたどり着いた。


ノートザウルスが3匹いる。

魔法は効くが相手も強烈な風魔法を放つ魔物だ。


ヒューイが『神龍剣』で3匹のノートザウルスの魔法を奪い取った!


ノートザウルスが唸り声を挙げて、つむじ風を起こそうとしても風は起きない。

イリーナとジンが【ファイアスプラッシュ】を顔めがけて放ち、首から上を浮き飛ばし、イザベラが【アースカッター】とドールがレーザービームを放ってもう1匹を殺した。


14階層にはタルボドンが1匹いる。

タルボドンが尾を振る速度が早く、魔女達3人には全く見えない。

当たれば即死間違いなしだ。


ジンが『剛力』を構えてタルボドンの尾の付け根から下を打ち砕いて尾をむりょくかした。

しかし、タルボドンにはもう一つ大きな武器が口から吐く【ブリザード】だ!

全てを一瞬で凍らせる力がある。


口を大きく開けて6人に向かって巨大な【ブリザード】を吐いた!

ジンが対抗して【インフェルノ】を放ち、ブリザードを溶かし、タルボドンも骨さえも溶かしてミスリル製の坑道に大穴を開けて更に坑道の岩盤を溶かした。


ジンは慌ててそこから魔物が飛び出さない様にシールドを2重に施して15階層に進んだ。


15階層にはステゴザウルスが2匹いる。

割と小型の魔物だが尾についた1メートルほどもあるスパイクが強烈でこれで他の魔物を倒して勝ち残ってきた魔物だ。


ヒューイが『神龍剣』で2匹のステゴザウルスの尾だけ狙いすまして切り落とした。

すごい悲鳴に似た叫び声を挙げてヒューイに牙を向けて食いちぎろうと抱え得てきたが軽くかわして、1匹の首を切り落とした。

尾のスパイクがなければ黒龍を少し強くした様な魔物だ。


イザベラの【エアカッター】とイリーナの【アイスロック】でもう1匹の首を切り落として16階層に進んだ。

アロサウルスドンが3匹いる。


アロサウルスドンは強力な顎の筋力で硬い合金も簡単に噛み砕く肉食の魔物だ。

非常に俊敏で、獲物を大きな口で捕まえるとカンタに噛み砕いて捕食するが耐魔法が有るわけでは無い。


ただ硬い鱗に包まれてた屈強な体は容易に剣や魔法の類を撥ねとばす力を秘めていた。


1匹はジンが担当し、もう1匹をヒューイ、もう1匹をドールが援護しつつ、イリーナ、イザベラ、イリアの3魔法師のさん達が担当する。


戦闘が開始された!

それぞれが各自【シールド】を掛け、仮に捕食されかかっても無事な準備をしてそれぞれの担当に向かっていった。


ジンは『煌剣』でアロサウルスドンがジンを口を開けて咥えようとする瞬間まで剣を抜かず、低い姿勢で抜刀の姿勢を崩さない。


正に咥えこまれるその刹那、光の速さで『煌剣』を抜き鞘に収めると、アロサウルスドンの首が床におちて、上体だけが坑道の壁に激突して死んだ。


もう1匹の方はヒューイが掌底破を胴体の横腹に放ち内臓を破壊するが未だ死なずに苦しんでいるところを『神龍剣』が首を切り落として殺した。


残るは奥様達のアロサウルスドンだ。

俊敏な動きで捕食しようと動き回るアロサウルスドンをイリーナが【アイスロック】の二重がけとフェリシアの【ファイアボール】で動きを牽制して動きが鈍くなった所に、イザベラの魔力を増幅器で最大に加速した【エアカッター】とイリアの【ファイアランス】で首と腹に魔法を撃ち放った。


さらにイリーナの【アイスロック】で足を止められた所にイザベラの強力な【エアカッター】を受けたアロサウルスドンは四肢を切断され、首をドールに切り落とされ、胴体にイリアの炎の槍を受けて絶命した。


ドールと3魔女達が合同で殺した。


17階層に向かって坑道の階段を降りていく6人。


生臭い血の匂いがする。 魔物の骨が散乱している。

イグアノ竜が2匹いて、下位の魔物を襲って食べた残骸の様だ。

体長は8メートルほどしかないが、その分俊敏で顎の力が強く、一度噛み付いたらほとんど硬い魔物さえも噛み砕いてしまう。


ジンが「スピードだけは気をつけてね」と皆に念押しした。


ドールがレーザービームを連射すると最初の数発を躱したイグアノ竜も連射されたレーザービームを何発か受けて動きが鈍ったところを、イリーナが2匹に対して【アイスロック】を掛けて完全に動きを止めた。


つかさずヒューイが『神龍剣』で2匹のイグアノ竜の首を落として葬った。


18階層に降りていくと、

プラキオザウルスと云う魔物が1匹いる。

体長30メートルもあり、体高が20メートルにも及ぶ巨大な魔物だ。


その分動きが鈍いが長い首をブンブンして鞭の様に使って攻撃してくる。

イリア叔母さんが【アースランス(土に槍)】を強烈にはなって3本を本体にさした。

かなり暴れまくり出血するも、まだ生きている。

イザベラが【エアカッター】を長い首めがけて放ったが鞭の様にしてそれを跳ね返してくる。


ジンが首から上の頭の部分に【結界】をかけて一気に【グラビティ】魔法で潰し殺した。


19階層はプラキオザウルスが2匹、イグアナ竜が2匹いる。

ジンが纏めて4頭を【イレージング】で消し去り、時間を稼いだ。


20階層迄やっとたどり着いた。

ボス部屋になっており、扉がついている。

プラキオザウルスの変異種で恐らく突然変異で魔法を取得したのだろう!

強烈な火系の魔法を放ってくる。


ヒューイが『神龍剣』で先ず魔法を奪い取ったが、変異種の首の動かす速度が半端ではなく早い。

魔法を3魔女が放っても全てを跳ね返してしまう。

ここでジンは『魔拳銃』からジャイロバレット弾を胴体に3発連射した。

胴体に当たった弾丸は回転し始め、プラキオザウルスの皮膚を食いちぎり内臓を破壊して体内で爆裂した。


さしもの、変異種のプラキオザウルスも内側からの破壊には対抗できずに肉片を散らばして砕け散った!


ジン達は此処に『空飛ぶ車』を出して今日の泊まる場所にして、強固な【シールド】を施して、夕食をドールに作ってもらっているうちに、順番でお風呂に入って汗を流し、着替えることにした。


ジンとヒューイは力が付く様にマナバイソンのガーリックをまぶしたステーキにスープとライスにサラダ、イリーナさん達はひろみの魚のソテーとサラダにスープにパンダ。


流石に魔物が多いのと強いので丸1日掛けても未だ20階層と云う状態で皆の疲労もかなりなので、甘めのケーキと紅茶を出して疲れをとった。


あと10階層は更に強くなるであろう異界の魔物達を考えて、体力を温存してゆっくり休んで明日の戦いに備えるジン達だった。




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