第78話 作戦会議と異界の魔物の檻ダンジョン
貴族派達の謀反の首謀者アーネスト公爵とリーマン伯爵の軍隊をジンは<タブレット>の力を存分に発揮して、4000人以上の軍隊をほぼ6人のジンファイミリーで壊滅させて、王都も平和な日々が戻って来た。
王様やハリス侯爵と宰相は王都の地下に眠る”異界の魔物の檻”のダンジョンをいつまでも封印のままにしていたら、いずれの日か綻びがでて、王都の民のみならず、この世界が滅びてしまうの、ジン達ファミリーに巨額な報酬と引き換えに”異界の魔物の檻ダンジョン”制覇を王様及び王都の冒険者からの指名依頼のクエストがだされた。
さすが、ジンは大切な仲間をいくら巨額な報酬といえども、古代人の科学で持ってしても負けた異界の魔物にたった6人で立ち向かう事に躊躇していた。
「ジン、仮に王都の騎士団が参加したり他国から応援に高ランクの冒険者が応援に駆けつけても、シールドやマジックアイテムを持っていなければ犠牲者が増えるだけよ、それなら犠牲者は私達6人だけに抑えるべきだわ。勿論犠牲者になる気はないけどね!」とイリーナの言葉に押されて、ジンはクエストを受ける決心をしたのだった。
「王様、ファミリーとも相談してこのクエストを受ける事にしました。今日1日作戦会議を開いて今一度異界の魔物の倒し方を皆でお浚いして明日朝からダンジョンに潜ります」そう伝えてジン達は”夕餉の里”のジンとヒューイの部屋にイリーナ親子、イリア叔母さんとドール6人が集まり、朝食を済ませてから打ち合わせに入った。
「まず魔物の弱い順に名前と特徴を言っていくね」
「ゴリンプソグナ、アルバートザウルス、アグスティニア、カルノタウメーラ、
アクロガンザウルス、ディプロラドン、パラサウロス、アパトザウルス、ディノニクスザウルス、ユタラプトン、ティロザウルス竜、パキケトゥス、アンキログル、ノートザウルス、タルボドン、ステゴザウルス、アロザウルス、イグアノ竜、プラキオザウルス、アウカザウルス、ヴェラキラドン、タルボサウルス、シアッツ竜、カルノザウルス、アクロカントロプス、トリケラトプス、ヘルティラノドラゴン等
信じられない程の魔物の数だと思う」
ジンは全ての名前と特徴を覚えることは不可能なので、その都度出て来て対峙した時に特徴、攻め方、相手の武器等を大声で言う事にした。
夜まで一応大雑把には対処の仕方を皆で話し合い、その日は全員が早めの夕食をたべ、ドールが洞窟内で2、3日こもっても大丈夫な様に出来上がりの料理を数種類市場で購入して来て、ジンの【次元ストレージ】に入れて準備を整えた。
「それでは今から宿を出て王立図書館に向かい、地下にある”異界の魔物の檻”ダンジョン踏破に向かいます」とジンがファミリーに向かって言い、全員が歩いて王立図書館の地下に向かった。
ジンは入り口を【ディスペル】で解除して坑道に繋がる図書館側に空洞を開けてドール、ヒューイ、イザベラ、イリア、イリーナ全員でくぐり抜けた。
ジンは素早く図書館側の穴を塞ぎ【シールド】【結界】をかけて魔物が間違っても出て行かないようにした。
坑道に入りまず最初にジンが調べたことはイリーナと【サーチ】が効くのかどうかをチェックしてみた。
「イリーナどう?オレの方はどうやら【サーチ】も魔法も使えるけど・・・」
「私の方も、大丈夫だわ!やはり坑道内は魔法が使えるようね。もちろん相手の魔物も使えることを考慮に入れないとダメね。どういう布陣で行く?」
「先ず先頭はドールが『雷剣』そして、ヒューイが『神龍剣』を最初から構えて、ドールは【ライティング】をかけながら行って貰う。ヒューイ以下後ろはイザベラ、イリア叔母さん、イリーナさん、そして俺で全員が個々に【シールド】をかけて進みます」
「それでは昨日改めて古代人が残してくれた魔物の解説書を思い出しながら討伐していこう」とジンがみんなを鼓舞して動き出した。
坑道をドールがゆっくり進んで行く。
「ドールの数十メートル先に魔物が3体ほどこちらに向かってくる、注意して」とイリーナが告げた。
言った途端ゴリンプソグナ三匹がいきなりドールめがけて噛み付いてくるがドールが躱して『雷剣』で一匹を、ヒューイが『神龍剣』で二匹を切り倒した。
「それにしても私が【サーチ】した時は数十メートル先だったのにもの動い速さで我々に向かってきたわね、流石最弱と言われても異界の魔物だわ」とイリーナ。
更に進むと20匹のゴリンプソグナがいる。
ヒューイが火炎方向が効くのか試しで中級程度の威力で放った。
ギャア、ギャアとすごい叫び声をあげて燃えて行くゴリンプソグナ。
一応15匹は死んだが、5匹が残って物凄い速度でドールとヒューイに飛びかかって来た。
その速度はドールとジンが模擬戦をする速度に近い速さだ。
5匹のうち1匹を『雷剣』で首を切り落とし、もう1匹をレーザービームで頭を
居抜き殺した。
残りの3匹のうちヒューイが『神龍剣』で胴体を真二つに切り分け、もう1匹はイザベラの【エアカッター】で首を切り落とし、残り1匹をイリアの【アースランス】で胴を貫いて殺した。
血は緑色の血で、全て血止めをして回収した。
更にその奥にはアルバートザウルスが5匹いる。
この2種類の異界生物は以前中立派の掘削事件の際に既に対峙していたので剣が通用することもわかっており、ドールとヒューイの剣とイザベラの【エアカッター】で5匹を討ち取った。
更に少し進むと今度はメガロザウルスが12匹いる。
ドールがレーザービームを放って効くのか確かめる。
一応頭に当たれば1発で倒せるが、胴に当たっても向かってくる。
イザベラの【エアカッター】は弾き飛ばされて霧散した。
「イザベラ、『魔力増幅リング』で今から常に3倍にして魔法を放つ様に、出し惜しみできる相手ではないから」とジンが叫ぶ。
イザベラが再び【エアカッター】を最大魔力で放つと、1匹のメガロザウルスの胴体が綺麗に二つに分かれ死んだ。
「ジン、最大出力にすれば綺麗に切れるわ、これで何処までの魔物に対応できるか見ものね」とイザベラ。
イリア叔母さんも『魔力増幅リング』を3倍の最大にあげて、『土の精霊杖』でその10倍の魔力まで土系の魔力をあげて【アースランス】【アースロック】等を撃ち放って3匹のメガロザウルスを葬った。
ヒューイの火炎咆哮は相変わらず相手にはとても有効で悲鳴を上げならが焼かれて死んで行く。
イリアも『魔力増幅リング』で3倍にして『殲滅の弓』を放ち3匹を一瞬で殺した。
やはり通常のダンジョンの魔物よりは12匹を倒すのに少し時間がかかったが反撃も受けずに倒せた。
これで1階層は全て踏破したようだ。
2階層に向かった。
このダンジョンは人工のダンジョンのため階層ごとに平原とか砂漠とかのフィールが変わることは無い。
完全に階段が階層を示している。
しかし全ての階層が下に行くのかというとそうでも無いようだ。
2階層は弱い魔物として三番目に位置するメガロザウルスが多数を占めている。
ドールもヒューイもイザベラも【ファイアボム】【ファイアスプラッシュ】と火炎系の魔法をを多用してメガロザウルスを全て焼き殺した。
ジンは坑道内で火炎系を多発した時に酸欠にならないか用心深く観察していたが坑道内には不思議な事に、酸素が湧き出る様に作り出されている様だ。
坑道を進むとアグスティニアという剣竜と鎧竜の特徴を持つ魔物が出てきた。
数にして5、6匹だが火炎系の魔法でも硬い鎧の様な皮膚で平気で立っている。
背中には鋭い刃がついた剣の様な皮膚が突起していた。
頭部のツノが武器で、頭を下げて突進してくる。
ドールの【シールド】に1発でひびが入るが、ドールが直ぐに多重【シールド】を掛けて突進を食い止め、『雷剣』で角に雷を落とす。
ブルブルと震えて動きが悪くなるが、死んではいない。
動きが鈍ったところに、ヒューイの『神龍剣』とジンの『煌剣』が首を切断していく。
最後の2頭のアグスティニアをイリーナの『殲滅の弓』から放たれた矢が魔物の一番柔らかい目を貫いて2匹を葬った。
1時間以上掛けてアグスティニアを倒して3階層に向かった。
3階層は入り口からゆるい上り坂になっていた。
カルノタウメーラが8匹いる。
周りにゴリンプソグナの死骸や骨が有り、カルノタウメーラが捕食したのだろう。
カルノタウメーラは強烈な高温の炎を履くことが特徴で火系の魔法はほぼ効かない。
ドールが剣で斬りかかるがドールの剣を尾で弾き飛ばす、ヒューイが正拳で叩くと流石にベコっとへっこみ倒れた。
『神龍剣』で首を切り落としてトドメを刺した。
イザベラは【エアカッター】を放ち1匹の首を切断して葬った。
イリア叔母さんは【アースランス】を強烈な勢いで放って硬い体をも貫いてころした。
ジンが『剛力』で横一閃して、2匹を同時に斬り殺した。
カルノタウメーラは古代人の解説書では物凄く動きが早く炎を吐くので注意と書かれていたのをドールが記憶しており、イザベラに「イザベラさん、近づいてきたら炎に注意して【シールド】を強めてください」
とドールが言った時には既にカルノタウメーラがイザベラに向かって炎を吐いていた。
シールで難なく防いで【エアアランス】を放ちそのカルノタウメーラを葬った。
残りをヒューイが火炎咆哮を放って怯んだところを『神龍剣』で首を切り落とした。
何とか8匹を6人で倒して上りスロープをゆっくり上がり4階層にたどり着いた。
4階層にはアクロガンザウルスが5匹いる。
ドールがレーザーを頭めがけて放つも躱されてしまう。
胴体を狙って放ったが弾け飛んでしまった。
イザベラが【ファイアランス】を放ったが体にあたり床に落ちて霧散する。
ヒューイが【縮地】を使い1匹に肉薄して『神龍剣』で首を切り落とした。
綺麗に切り落とされた首を他のアクロガンザウルスが食らいついてくる。
その食らいついたやつを再びヒューイが『神龍剣』で斬り殺した。
残りの三匹をドールが『雷剣』で首を切り落としてもう一匹はジンが【縮地】を使い剣で首を切り落とした。
残りの一匹をイザベラの【エアカッター】の巨大な刃で切り落とした。
やっと5階層についた。古代人も5階層をボス部屋の様にしたのか扉が付いていて開けると全員が中に入ると扉がしまった。
中には巨大なディプロラドンがいた。
全長20メートルを超え、強靭な鞭の様な尻尾を巧みに使い、簡単なシールドは鞭の様な尻尾で破壊されてしまう。
ジンが『煌剣』を尻尾めがけて縦に剣を振り下ろすと長い尻尾は根元から切られて床に落ちた。
ギャオーと怒りの叫びを上げて突進してくるのをかわし、アリシアとヒューイがそれぞれ足を切り落とし、長い首はドールが『雷剣』で切り落とした。
宝箱などは無いが、一応20メートルものでかい魔物がいた部屋なので広い個室に『空飛ぶ車』を出して、中に乗り込んでキッチンで大判のピザ3種類を10枚出して飲み物はジンジャーエールと果物ジュースにした。
流石にイリーナ達もエールをのむほど余裕はなく、果実ジュースにしていた。
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