第64話 みのり有るダンジョン踏破

ジンは女性陣にセモアの古代人遺跡の場所を格安で買い『研究棟』を立てて、その場所の遺跡の水路を使い『潜水艇』に皆を乗せて公国のチャンベルまで海中散歩をして、『研究棟』施設のお披露目をした。


『研究棟』と『家』を地下で結んで亜空間を利用して数秒でつく様にしたジンは新たな冒険の旅を皆に提案してシルコレア帝国の6個のダンジョンに挑むことになった。


デイマール王国に【転移】して一瞬のうちに帝国の領地に入り最初の街マルゲートに有る”みのり有るダンジョン”に潜り1階層を降りていく6人だった。


1階層はホーンラビットの群れ16匹がいる。

ドールとイザベラがそれぞれ対応する。


ドールは『雷剣』、イザベラは得意の【エアカッター】で4匹、5匹、6匹と首を切り落としてイザベラが【ファイアボール】で切り口を焼いて血止めをして【次元ストレージ】に回収した。


2階層はオークの群れ30匹、奥にはオークシャーマン、オークキングが屈強なひときわ大きいオークに守られていた。


ドール、とヒューイが剣でオークの首を落としていく、イザベラが【エアカッター】で首を切り落とし、イリア叔母さんが【アースアロー】で頭を射抜いていく。


残り4、5頭になった時オークサーマンが呪術を呟き出したのでジンが【ディスペル】をかけて、瞬時に『幻影』をオークシャーマンの額に投げつけて即死させた。


どんな呪術をかけるつもりだったか分からないが、こういう場合は先手必勝だ!


ドールが【縮地】で一気にオークキングに肉薄してキングが大剣を振りかぶって降ろす前に抜き胴で腹から胴体をに分割してしまった。


イザベラが切り口を焼いて止血して、全てを【次元ストレージ】に入れた。


3階層は密林のステージで、高温多湿のジャングルの中で胴体が1メートル、長さが10メートルを超えるポイズンスネークが紫色の舌を出してしる。


強酸の液を吐き出してくる。


ドールが『雷剣』でスネークの頭に雷を落としがガタイが大きいので1発では落ちない。

ヒューイが『神龍剣』で一瞬で四つ切りにして回収した。


更に進むとスフィア・フロッグが3匹いる。


イリアが【アースニードル(土針)】を放ち瞬殺した。


4階層は砂漠のステージで、一面砂地のフィールドが続いている。


全員『空飛ぶ車』に乗り込み砂上2メートル辺り上を飛んで【サーチ】を掛けると、10メートル先にサンドワームが2匹、15メートル先にサンドモールが3匹いる。


イリアが【サンドアロー】を連射して、サンドワームを殺し、イリーナも【サンドバレット】を3発モールに打ち込み殺した。


5階層はボス部屋のようだ。

ゆっくりドールが開くと、巨大なハルバードを持ったミノタウロスが待ち構えていた。


ヒューイが『神龍剣』を構えて【縮地】で一気に間合いを詰めて、斬りかかると相手もその太刀ハルバードで防ぐが、『神龍剣』はやすやすとハルバードもろとも胴体を腹から上下に切り分けていた。


ヒューイがどう?っと『神龍剣』を高々と上に誇らしげにあげて「切れ味が抜群ね!」と惚れ惚れとした顔で刀身を眺めている。


「パパの作った『魔剣』は凄いよね!私の『神龍剣』は、切れ味だけでなく魔法を奪い取る力や魔法を纏、放つ力はも凄いからパパ様様だわ」とヒューイ。


「ヒューイちゃん、本当だわ。パパさんの力って剣術と魔法だけでなく錬金術師としても天下一品だわ」とイリーナ。


宝箱に罠がないのを確認して開けてみると、最高級ポーション『エリクサー』があった。


またどこかの機会で、オークションに出せばいいかなと、【次元ストレージ】に回収した。


6階層は海のステージで、ジンは『潜水艇』を初めて実戦で披露する。


海に浮かべると自動でタラップが降りてきて、全員が『潜水艇』の中に乗り込む。


【サーチモニター】にバハムート(海龍)が2匹も捉えられた。


『魔道砲』で【ウォーターアロー】を念じて撃ち放った。2発連射してバハムートを討ち取る。


更に進むとシール・ワームが50匹前方にいる。


ここでもジンは『魔道砲』にスティール製の高圧電流の流れる投網を放ち、50匹全部を捉えて高電流を流す。


シール・ワームは一瞬で気絶状態になり、網を手繰り寄せてからイリーナが【アイ

スボール】で全て氷漬けにして回収した。


7階層の陸地にたどり着き、『潜水艇』の初陣は上々の出来だった。


7階層は鬱蒼とした森にサウンドラーが3匹いた。


ここではイリア、イリーナ、イザベラで行く。

イリアが低周波音を聞いても下聴下音の幻覚が起こらない様に、ジンが全員に『耐性・状態異常』を付与(エンチャント)してあげ、ドールが1匹のサウンドラーに、もう1匹のサウンドラーにはヒューイとイザベラ、もう1匹はジンとイリーナが相手して、簡単に首を切り落とした。


やはり、剣士と魔法師が組めば強力な魔物でも殆ど対処できることがわかった。


8階層は岩場のステージで、2匹の岩竜が岩を物凄い勢いで飛ばしてくる。


イリアが【ロックボム】で1匹の岩竜が岩を吐き出すために首を出した一瞬を逃さず放って、首から先を砕き落とした。


もう1匹はヒューイが【縮地】を使い一瞬で間合いを詰めて『神龍剣』で豆腐を斬る様にすんなりと首を切り落として回収した。


9階層の廃屋の中にはバンパイアキングがいた。


イザベラが【聖魔法】で『浄化の杖』を使って強力な浄化魔法を放ち不死のバンパイアキングを霧と化して葬った。


10階層はヒュドラが9本の首をもたげて威嚇してきている。


ここがラスボスの部屋のようだ。


ドールとヒューイがお互い念話で合図をしあい、


[ドール、一番左の首を切って、私が切り口を両方とも焼いて再生させないから]


[わかりました、5本目からヒューイさんが斬る役、私が再生を防ぐ役にチェンジして行きましょう]


二人のコンビでヒューイは『神龍剣』で、ドールは『雷剣』でそれぞれ首を切っては焼いて、3分ほどして9本の首を全て切り落とした。


そばには宝箱が置かれてあり、ジンが開けると『インビジブルの指輪』が入っていた。


【鑑定】すると、嵌めている人間が『透明に』と呟くと周りから絶対に見られなくなる指輪、通常の【ディスペル】では破られない』とでている。


イリーナ以下女性陣3人とドールに後でジンが【複製】で皆にあげようと思った。


ヒューイは既に以前ダンジョン制覇した時にあげているので、ドールを入れて4個有ればいい。


幸い【複製】魔法は5個1組で複製されるので1個あまりは【次元ストレージ】に入れておくことにした。


ダンジョンコアも手に入れて、『転移盤』に乗って1階層入口に戻り外に出た。


『フジ』を呼び戻して、皆で馬車に乗り込みマルゲートの街の冒険者ギルドに戻ってきた。


ギルドの裏の素材置き場に行って、討伐した魔物を出して納品書ができるまでギルドの食堂で昼食を全員で頼んで食べながら戦い方の反省などをしていた。


「イリーナさん、イザベラ、イリアさん達の魔法の連携は全く問題はないくらいスムーズにできているので安心したよ。もう少し魔法師3人さんはバラバラに魔法を放つかと思っていたけど、選ぶ魔法も威力も全く申し分なかった」


「そうよ、ジンと毎日模擬戦をやっていたから次に誰が放つとか自然に連携ができる様になったわ」とイリーナ。


「ドールも剣捌きが随分と上達してさすが俺が作ったAIアンドロイドだな」


「はい、ご主人様に作っていただいたAIのおかげとヒューイ様に鍛えられたおかげで、とても感謝しております」


そんな話をしながら食事が終わる頃、納品書を素材置き場の係が持ってきてくれた。


受付にダンジョンコアと地図、納品書を出すと、お昼近くでそれ程冒険者達は多くないが一斉にジンのグループを注視していた。


未だ未踏破ということと、冒険者の中にはダンジョンコアなるものを見たことがないものが殆どなので金額を周りが固唾を飲んで聞き耳を立てていた。


受付が「ジン様、”ジンと6人の魔女達”がダンジョン踏破した報奨金は白金55枚、金貨83枚、銀貨97枚、銅貨98枚になります。尚本来ギルドマスターがご挨拶するのですがあいにく帝都に出張中でして私が対応させていただきました」と丁寧にジンに挨拶する受付嬢。


ジンもカードに入金してもらい、お礼を言って、馬車にみんなで乗り込んで次の街を目指すことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る