第7話 ヒューイの成長

【無属性魔法】の色々な魔法を試しては自分になじませて3、4日がたっていた。

その間、スキルの確認もしてみると、相手の動きを1秒の100倍にして見える100倍時計の目、解体名人のスキル、剣聖・剣豪スキル、飛翔スキル

透視スキル、付与(エンシェント)スキル、体術スキル、錬金術スキル、

情報操作解析スキル、眷属スキル、言語解析スキル等のスキルをジン自身が

持っていることが判明した。


これ以外に【鑑定(アプレイザル)】、【敵索(サーチ)】【瞬足】、【縮地】等は無属性魔法として使用しているものも細かく言うとスキルに入るものだ。


一方、幼子だったヒューイが食事のたびに成長して、今や15、6歳と同じ程の身長になり、プロポーションもとても幼子とは言えない立派な女性になっている。

問題は相変わらず、俺のことを”パパ”と呼ぶことである。


一緒に歩いていると恋人と間違われるほどにまで成長したヒューイは洋服も何度も買い替えて、今は普通のお嬢さんが着る洋服に身を包んでいる。

きょうは、ヒューイを中心にクエストを受けに行く。


冒険者ギルドに行き、掲示板を見ると、リザードマンとリザードマンジェネラルの討伐依頼とグリーンベアの討伐依頼があり、これを剥がして受付に持っていった。


「これをお願いします!

「ジンさん、この討伐はCランクでも上位に分類される依頼です。未だジンさんには少し厳しいかと・・・」


「それなら大丈夫です、俺ではなくヒューイがメインに討伐担当で動きますから」

「ヒューイさんは、従魔ですがランク的にはSランクなので問題ないでしょ」


「それではカードを出してください」


ジンは受付に冒険者カードを出して、履歴を打ち込んでもらいリザードマンのいる場所に【ブースト】を掛けて向かった。


しばらくしてリザードマンが群れている場所にいき、ヒューイに「雑魚の相手は俺が相手するから、お前はリザードマンジェネラルをやってくれ」

「わかったわ、パパ」


ヒューイはリザードマンジェネラルの足元を【アイスロック】で動きを止めて頭部を正拳でぶっ叩いた。

グシャ、っと音がしてリザードマンジェネラルの頭が吹っ飛び、首から下の死体だけが残っている。


「パパ、終わったわ!」

「お前、早すぎだろう」

俺の方には未だ6体ほどのリザードマンが残っていた。


俺も早く済まそうと【エアカッター】を連発して6体を10秒ほどで首を切り落として終わらせた。


【ストレージ】に収納して、次のグリーンベアの討伐に向かう。


割と近い場所の森にいるので、二人で歩いていく。


「ヒューイ、お前は【シールド】魔法等は使わないのか?」

「私には必要ないわ!耐物理が高いから、竜種の尾の攻撃でも問題なく体で受けられる位既に成長してから大丈夫よ」


「なら、今度はグリーンベアも頼むわ」

「任せて!」


「ほら、向こうから俺たちに向かってくるぞ」


見ると、ぐわぁーと吠えながら俺たちに向かってくる5メートルほどの巨体の熊が見える。


ヒューイは体こそ俺と大差ないが、グリーンベアの強烈な爪を立てた攻撃を素手で止めて、腹をけると、蹴った所に穴が空き、一発で死んでしまった。


なんだか熊が哀れに思えるジンだった。


のんびり二人でギルドに戻り、リザードマンとリザードマンジェネラルの死体、グリーンベアの死体を素材解体場に納品して、納品書を受け取ってから受付のキャシーに出した。

「ジン君、もうクエストを終えたの?」


「未だ2時間も立っていないじゃない!」


「だって、弱い魔物ばかりで、全くあっという間に終えたから・・・」


清算金はリザードマンとジェネラルで銀貨530枚、グリーンベアが銀貨25枚で全部で銀貨555枚をカードに入れてもらった。


カードには金貨17枚、銀貨55枚が表示されていた。


昼には早いがギルドで早めの昼食を取って、更に掲示板に行き、討伐系で俺が受けられるクエストを見た。


ファングボア3頭のクエストとオーガ1体の討伐が幸いにも残っているので俺は2枚を掲示板から引き剥がしてキャシーのところに持っていく。


「ジン君、また2つも受けるの?」


「これは!これはやめたほうが良いわよ、オーガは未だジン君には無理よ」


「大丈夫だよ、剣は俺かなり自信があるし、いざとなればヒューイに助けてもらうよ」


そう言って、強引にキャシーから場所を聞いて、先ずはファングボア3頭のいる場所に【ブースト】で向かう。


直ぐに、ファングボアのいる場所にたどり着き、神剣『煌剣を!ろ手に構えファングボアとの間合いを一瞬で詰め【縮足】を使って1匹の裏を取り、首を切り落とし、その返しで持って、隣りにいたファングボアの四肢を切り落として動きを止めて、首を切り落とした。


残るは1頭だが、「パパ、私にやらせて」とヒューイが言うやいなや頭を蹴飛ばして、ぐしゃぐしゃにしてころした。


「お前、もうちょい素材のことを考えて始末してくれよ」

「ごめん、パパ。力が余っているんだもん」


「それじゃ、オーガの所まで俺のことを載せていけよ」

「いいよ、乗って!」とヒューイはドラゴンの姿になった。


ヒューイのドラゴン姿は赤ん坊の龍のときしか見ていなかったが、数日間で随分でかくなり、15メートルを超えた龍に成長していた。


「ヒューイ、場所はさっきキャシーから聞いてるよな?」

「うん、すぐ行けるから捕まっててね」


ヒューイが言うように、あっという間にオーガのいる場所についた。


ジンはオーガの数メートル手前に対峙して、神剣『煌剣』を構え上段から剣を振り下ろすと、離れて立っていたオーガが頭からまっ2つに別れ一瞬のうちに死んだ。


結局2つのクエストも簡単に終えて、キャシーのところに戻っていく。


「ジン君、ファングボア3頭で銀貨225枚、オーガが銀貨40枚のトータル銀貨265枚になります。カードでいいかしら?」


「うん、いつもの通りカードに入金して」

カードの金額が金貨20枚銀貨20枚になった。


「ジン君、このところの討伐が全てランクが高い魔物なので一度ジン君のランク試験を受けさすことになったそうよ」

「なんだよ、それ」

「ほら、薬草を大量に採取したので一気にランクが上がったでしょ?でも、実際の戦闘能力はわからないと言うことで、ギルドマスターが直々にランク測定の試験をするって言ってるわ」


「じゃ、早いとこやってもらいたいからギルドマスターさんを呼んで来てよ」


「お前がジンか?えらくキャシーが凄い新人が現れたと言っていたが」


「凄いかは凄くないかはわからないが、剣ではギルマスも俺に勝てないとおもうよ」

「おうおう、生言うじゃねえか!俺はここのギルドマスターのギルバートだ。これでもAランクだから遠慮なくかかってこい」


ジンとギルドマスターが競技場で剣を構えて、対峙している。


「ジン、魔法を使ってもいいから俺から1本でも勝ったらCランクかBランクにしてやるぞ」

「魔法もありですか?」

「ああ、使える魔法が有るならな!」とギルバートは薄笑いを浮かべていった。


ジンは直ぐにギルドマスターの足に【アイスロック】を掛けて足の自由を奪おうとする。

ギルマスはジンが結構な魔法を使ったことに驚くがすぐに【ディスペア】で無効にし、切りかかってくるが、ジンは一瞬で【縮地】を使い裏を取って一瞬で胴を払う。


強烈なジンの攻撃を受けたギルマスは競技場の壁際迄吹っ飛び一瞬、意識が飛ぶが、すぐ正気に戻り、手を上げて降参する。


「ジン、お前自分の実力を隠しているだろう?」


「ステータスは隠蔽してある程度書き直していますよ、だってあまり目立ちたくないですから」

「それにしてもAランクの俺が全く歯がたたないのではBランクにするから今一度俺からの指名依頼を受けろ」


「BランクじゃなくてCランクで良いですよ」

「だめだ!お前のような才能のあるやつはCなどにしておけない。指名依頼は貴族の護衛依頼だ。対人関係と貴族に対しての対応の試験でもある」


「わかりました。いつ出発なんですか?」


「明後日の朝ギルド前に朝8時半に来ていろ」

「了解です、馬車などを購入しておきます」

「なければギルドがレンタルしてやるぞ」

「いえ、今後も必要になると思うので中型の馬車を購入するつもりだったのでちょうど良い機会ですから・・・」


「それじゃ、キャシーにのところに行って、カードを書き換えてもらえ」


「ジン君ギルバートさんに勝ったんだって?凄いわ〜!、ハイ、Bランクのシルバーカードよ」


ジンは未だ冒険者になって数日のうちにBランクにまで登ってしまった。

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