第8話 2匹目の眷属と新たな魔法の取得
ジンはランクアップ試験でもとAランクのギルドマスターを破ったことで一気にBランクまで上がったが、最終の試験としてギルドマスターからの指名依頼で貴族の護衛依頼を受けることになった。
キャシーが「ジン君、明後日、護衛依頼の集合場所はこの入口よ!忘れないようにね」
「わかってる!今から馬車を買いに行こうと思うけど、キャシーさん何処かいい馬と馬車を売っている店は知らない?」
「それじゃ、このギルドを出て左に街外れ近くまで行った左側に厩舎が有って、其処で馬と馬車を取り扱っているわ」
ヒューイとジンは言われた通り、街のはずれ近くまで来て、厩舎の屋根が見えてきたので走って行ってみる。
ヒューイの姿を見ると馬がドラゴンと分かるのか、皆怖気づいて落ち着かない。
そんな中、怖気付かずに、ひときわ馬体のでかい馬がいる。
ジンが【鑑定】すると『ウォーホース』、♂ 2歳 気性が荒い、、信頼を勝ち取ると主人に従順。
「ご主人、この馬は幾らだい?」
「この馬は荒くれ馬でとても坊主には懐かねぇと思うぜ、なついたら金貨5枚で良いや、馬車付きでな!」
「よし、買った!見てれよおっさん。俺がこいつをおとなしくさせてやるぜ」
ジンが馬に近づこうとしたら前足を振り上げジンを蹴散らそうとするが、無視して近づくジン。
ジンは馬に向かって念を送り、【眷属】のスキルを発動するとピタッと動きを止めた馬は、急におとなしくなり、ジンに撫でられるままおとなしくしている。
”お前に名前をつけてやる、お前の名は『フジ』だ。俺の名はジン、これからよろしくな!”
名前をつけてやると途端にジンの頬を舐め回す『フジ』。
厩舎の主人もびっくりしていたが、約束通り金貨5枚で中型のしっかりした馬車をつけてくれた。
[フジ、俺の仲間のヒューイだ、お前なら分かるだろうがこいつは神龍だ、宜しくな]
[フジ、私はヒューイ、パパの子供だ!よろしくね]
[わかった、俺こそ宜しく]
”頭に声が響き、【眷属】のスキルがLv20000に上がりました”と聞こえた。親父さんにフジと馬車をつなげてもらい、宿の方に向かって馬車を走らせた。
宿のご主人に言って、馬車と馬は裏の厩舎に繋いでもらった。
ジンは馬車の中を快適にするために<タブレット>の【GOD】をクリックし、【次元空間】の作り方を検索する。
【無属性】魔法のレベルが限界値を超えているので、上級の【万物創造】及び【亜空間魔法】が使えるようになっている。
【モデリング】で細かいところを修正して、馬車の中を大改造した。
サスペンションも取り付け、車輪を木ではなく車のタイヤのように作り変えて、トイレとベッドに簡易キッチンを『亜空間』領域に作り込んだ。
頭の中に毎度のことながら声が響き”【万物創造】Lv200、【亜空間魔法】Lv200、【モデリング】Lv20000になりました”と聞こえてきた。
何故かモデリングのレベルが多いのは、馬車の中とタイヤの部分で2回ほど魔法を多く使ったのでレベルが増えたようだ。
馬車の改造もうまくできたので、明日少し早めに行き、『ウォーホース』のフジの従魔登録を明日迄に済ませておこうヒューイに話した。
二人は夕食を食べると、少し早めに寝て、翌朝、宿の朝食をヒューイに2人前もらって、フジを連れてギルドに向かった。
「キャシーさん、馬の従魔登録をしたいのですが」
「馬は魔物ではないので従魔登録は必要ないわよ!」
「『ウォーホース』でも?」「『ウォーホース』なの?それじゃ、登録が必要ね!この書類に前回同様書いてくれる」
ジンはヒューイのとき同様に自分の名前と馬の名前を書いて、従魔の印の首輪をもらいフジに付けてやった。
明日からの護衛クエストのために街の外に出て、防御魔法の訓練をしようと城門から2キロほど離れた草原に来ていた。
【無属性魔法】のうちでも上位の【結界】と【シールド】それに加えて【イレージング】など難しい魔法を何とかものにしたいとジンは必死だ!
先ず【結界(バリア)】から始めた。
物を囲い込むイメージを持って何度も試し、失敗を繰り返し、ある瞬間頭の中でピキーンと音がしたような気がして囲い込む事に成功した。
その囲いの大きさを小さくしたり、大きくしたりは比較的簡単に出来た。
近くに落ちていた小枝を【結界(バリア)】で囲み、かなり強烈な【ファイアボール】を【結界(バリア)】に向けて放った。
ファイアボールは【結界(バリア)】にあたって跳ね返り、要らぬ方向に霧散した。
「ヒューイ、お前のブレスであの小枝を燃やし尽くして見てくれ!」
「簡単よ!」と言うと強烈な炎のブレスが【結界(バリア)】に向かって飛んでいくが、矢張り跳ね返って上に飛んで消えた。
「あれ?パパ見えない幕に邪魔されてダメだわ」
「よし、今度は俺が剣で切って見るぞ!」そう言って『煌剣』を構え、普通に上段から打ち込んだ。
カキーンと刀が弾かれた。
次に『煌剣』に魔力を少し流し込み、馬庭念流壱の型の構えから撃ち抜くと、ピキーンと音がして【結界(バリア)】が砕かれ小枝が切れた。
ジンは自分に【結界(バリア)】を二重にして、ヒューイにブレスで自分に放ってくれと頼んだ。
ヒューイが強烈なブレスを放つが全く【結界】はビクともせずにジンにも全く届かないで霧散した。
「パパ凄いね!」
「何とか大丈夫だな」とジンは自信を持った!
次に【シールド】だが結界に苦労した分こちらはイメージが掴めやすく直ぐに成功した。
また、魔力の調整によって【シールド】を掛ける広さは自由に調整出来た。
ジンは【シールド】の内側から魔法を撃てないか考え、試行錯誤を繰り返し、魔力の方向性を考慮に入れる事によってそれが可能だと気がついた。
外からの攻撃にはビクともせず、自分の方からは魔法が全て打てる【オリジナルシールド】を完成させた。
こちら側から攻撃出来て敵の攻撃を完全に防げる【シールド】を完成させたので、更に高度な【シールド】としてジンの身体の数ミリを【シールド】で包み込みジンの動きと共に身体の一部のように纏ったまま動けるいわば【シールド】の洋服みたいな物が出来ないか考えた。
【シールド】はマナの塊の様な物なので身体に有る"気"を纏うことで【シールド】にならないかやってみる。
最初はなかなか上手く行かなかったが、次第にコツが掴めて【スピリットシールド】を身体に纏う事が出来た!
ヒューイに息吹を放って貰い、火傷もせず、何事も無い様に立って居られるか実験をしてみる。
"上手く行った!"これで自分と仲間全員を守る魔法は完成だ!
頭の中で又もや声が響いた。
"【シールド】及び【結界(バリア)】のLvが限界値を超え、測定不能になりました"
次に【転移】のレベル上げを試みる。先日【転移】はマスターして【MAP】との併用も出来ていたが、未だその距離は差程では無かった!
ジンは街の入口の門迄【転移】してみた。
"Lvが20000になりました"と声が聞こえ"これにより【転移】距離が500キロになりました"と声が響いた。
再びフジがいる森の入口に戻ってきた二人はフジを連れて【MAP】に表示された適当な場所をポチってヒューイとフジを手で触れて【転移】を発動した。
ジンとヒューイとフジは【MAP】をクリックした見ず知らずの場所に【転移】出来ていた。
”【転移】Lvが限界値を突破しました、制限の全てがなくなりました”と頭に声が響いた。
再び二人と一匹は【転移】でキースの門のそばに戻ってきた。
宿に戻り、シャワーを浴びて食道に向かった。
「ヒューイ、きょうはお疲れさん、二人前食べていいぞ」
「ありがとうパパ」
「夕食を食べたら、明日からの護衛依頼の準備で食材を買いに市場に行くけど、お前も一緒に行くか?」
「勿論よ」
二人は市場に行き、先ずはスープを入れる鍋を買い、その中にジンが好きなボルシチ風のマナバイソンのスープを大量に買い込んで【次元ストレージ】に入れる。
次に、屋台でオークの照り焼き月見バーガーを買い、肉屋でマナバイソンをステーキ用に切って貰い、ファングボアのバラ肉と共に5キロずつ購入した。
更に、野菜とパン、最後に米を1キロ買って宿に戻った。
翌朝は少し早めに朝食を食べ宿を出払った。
『ウォーホース 』は馬車を牽引するのが初めてなようで偉く張り切っているように見える。
ジンは手網を握った事が無かったが僅かな魔力を流す事で『ウォーホース』との意思疎通はしっかり出来、思い通りに進んでくれる。
ギルドに着いたジンは受け付けに行き依頼書を貰っていたら、護衛依頼を受けるもう一組の冒険者達が来て、キャシーが皆を紹介した。
「俺達はCランクの"怒りの稲妻"リーダーのグロー、こいつはピネラー、そして女性陣二人がキャロルとナンシーの4人組だ。宜しく」
「僕はジン、馭者台に居るのがヒューイだ、宜しく」
とお互いが紹介し合っていたら、貴族の馬車が到着したようだ。
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