第6話 魔法の練習

ギルドでの最初のクエストを<タブレット>の助けも借りてかなりの量の薬草を取ることに成功したジンはお陰で冒険者ランクを初日でDランク迄あげることができた。


色々<タブレット>を触って使い方にも慣れ、ヒューイと休むことにした。


「ヒューイ、そろそろ寝るぞ!」

「はーい、パパのそばで寝れるの嬉しいな」


「パジャマも買ってきたんだからちゃんと着て寝ろよ」


「ドラゴンは寝る時は皆裸だよ!」


「俺と寝るならちゃんと着て寝ろよ」


ジンが買ってきたパジャマは可愛い絵柄のヒューイにとても良く似合っている。

二人は仲良くベッドに並んで寝た。


翌朝、何故かヒューイは上半身裸で可愛いパジャマがない。


「お前、パジャマの上はどうした?」

「胸が苦しいから、上だけ脱いだの」


「せっかく可愛いのを買ってきたんだから慣れるように今晩からちゃんと着てくれよ」

「わかった、パパが買ってくれたのだから我慢して着る」


「それと俺のことパパじゃなくお兄さんと呼べよ、16歳のパパはないだろう!」

「だって、私を孵化してくれたんだものやっぱりパパだよ」


いくら言ってもこればかりはヒューイは頑として拘るのでしょうがないと俺のほうが折れることにした。


朝食を食べに食堂に行って、ジンが何気なくヒューイに言った。


「ヒューイ、お前昨日より今日と、明らかに分かるほどでかくなっていないか?」

「パパ、神龍は最初の数カ月は高速で飛べるようになるために成長が早くその後はゆっくり、ゆっくり成長して1000年以上生きていくのよ」


「1ヶ月後は龍の姿で俺を載せて飛べるくらいにはなるか?」

「パパを乗せるぐらいは1週間もかからないわ!」


「おお、それじゃ遠距離の移動には便利だな!おい、いっぱい食っていいぞ!」

「夕食に二人分食べるわ!」

そんな会話をしながら、食事を終えて冒険者ギルドにむかう。


「キャシーさん、おはようございます」


「おはよう、ジン君!私達に敬語は必要ないわよ」


「わかった、こんなかんじでいいかな?」

「そう、それで良いわ!」


ジンとヒューイはクエストの張り出している掲示板をみてDランクの受けれるクエストを見た。


「ヒューイ、お前が居るから強い魔物でも勝てそうだが、取り敢えず俺のレベル上げのために討伐が楽な奴から行くぞ」

「良いわよパパ」


ジンが選んだのは、ゴブリンの群れ討伐とホーンラビット群れ討伐。

ゴブリンは1頭当たり銀貨1枚、ホーンラビットは1匹当たり銀貨2枚だそうだ。


「キャシーさん、この2つのクエストを受けるよ」


「ゴブリンは単独では弱いけど、群れだとそこそこ強いから油断しちゃだめよ、ホーンラビットも同じよ」


「わかった、気をつけるよ、ホーンラビットは角が討伐部位だよね?」

「ええ、でも肉も食料になるので買取がゴブリンより高いでしょ?」

「銀貨2枚は角だけじゃないんだね!」

「そうよ、丸々1匹の値段よ、頑張ってね」


ジンはキャシーからゴブリンとホーンラビットが群れている場所を夫々きいて、<タブレット>の【MAP】をポチると、頭の中の【マッピング】の表示と同じ地図が見られる、【サーチ】と同期させると、<タブレット>にゴブリンのいる場所の地図が赤い点で表示されている。


ジンは『煌剣』を構え、ゴブリンの群れの中に突入する。


【ブースト】を唱え、ゴブリンの首を切り落とし、胴を2つに分け、全てのゴブリン30匹をヒューイの援助なしに殲滅した。


”剣技スキルレベルは既に限界値を超えております。今後、剣技に関してのアナウンスは致しません。【DEF】1000000/∞となり、分母の基礎数が変わり、レベルも上昇しました。【身体強化(ブースト)】のレベルは∞になっており、今後はアナウンスはされません”と頭に声が聞こえてきた。


ジンはゴブリンの討伐部位の耳を切り取り、小袋に入れてから【ストレージ】に突っ込んだ。


<タブレット>の【MAP】をポチって、ホーンラビットの群れがいるところの場所を確認する。


今いるところから西の平原2キロ当たりに25匹の赤い点滅が表示される。

【ブースト】を掛けて、数秒でその場所にたどり着く。


【ブースト】Lvが∞になっているので、更に速度も増し、あっという間にホーンラビットのいる場所に着いた。


『煌剣』を構えて、”舞う”がごとく動き、25匹を30秒で狩り取ってしまった。


”【ATK】レベルは既に限界値超えのため、【体術】のレベルが1億に到達、【槍術】などあらゆる攻撃スキルがLv10000になりました”と頭に響いた。


ホーンラビットも袋につめてから【ストレージ】にいれた。


「ヒューリは俺の戦闘を見てばかりいて、何もしなかったな!」

「だって、パパはそれなりに強いからあの程度の魔物は私の手は必要無いわ」


「それに、そのお陰でいろいろなレベルが上がって良かったじゃん!」


”ヒューイは結構ちゃんと観察はしているんだな”とジンは感心して、それ以降はこの件には触れずに二人でゆっくり歩いて街に帰って来た。


ちょうど昼少し手前なので、定食屋に入り昼食を食べてからギルドに依頼達成の納品書をだした。


「ジン君、もう依頼達成したの?流石私の期待のホープね!」

「なになに、俺ってキャシーさんの期待のホープなの?」


キャシーが赤くなって、清算金とカードを返してくれた。


ギルドカードには今回の報酬としてゴブリンの分、銀貨30枚、ホーンラビット分が銀貨50枚トータル銀貨80枚が加算された。


カードには金貨10枚、銀貨200枚と表示されていた。


ジンは未だ時間も早いので街の外で各魔法の中級魔法でも訓練しようと城門の外に出て人通りの少ない場所に来ている。


<タブレット>の各魔法を長押しすると、


【火魔法】Lv測定不能

 初級:【ファイアボール】【ファイアスプラッシュ【ファイアウォール】

 中級:【ファイアカッター】【ファイアアロー】【ファイアニードル】

    【ファイアランス】【ファイアトルネード】

 上級:【インフェルノ】(火炎地獄)【ヘルフレア】(地獄炎)


【水魔法】Lv測定不能

 初級:【ウォーターボール】【ウォータースプラッシュ】

 中級:【ウォーターカッター】【ウォーターアロー】【ウォーターニードル】

    【アイスロック】【ブリザード】                                           

 上級:【ウォータートルネード】【ウォーターウォール】【コキュートス】


【風魔法】Lv測定不能

 初級:【ウィンドスプラッシュ】【ウィンドウォール】

 中級:【ウォンドカッター】【ウィンドアロー】【ウィンドアランス】

 上級:【トルネード】【グレートブラスト】


【土魔法】Lv測定不能

 初級;【アースボール】【アーススプラッシュ】【アースウォール】

 中級:【アースニードル】【アースアロー】【ロックヘル】

 上級:【デブリースフロー】(土石流)


【回復魔法】Lv測定不能

 初級:【ヒール】

 中級:【ハイヒール】

 上級:【パーフェクトヒール】【エクストラヒール】

    ※両者はほぼ同様な作用を施す・死後30分以内は蘇生可能


【無属性魔法】Lv測定不能

 初級:【クリーン】【ブースト】【ライティング】【エンシェント】

    【サンダー】【キュア】【サーチ】【マッピング】【鑑定】

    【グロウス】【アトラクト】【スティール】【認識阻害】 中級:【デュプ            

     リケーション】【ディスペル】【リストア】【ハイド】

    【インビジブル】【リフレクション】【グラビティ】【サモン】

 上級:【転移】【結界】【シールド】【イレージング】【メテオライト】

    【アブソリュートゼロ】【プロテクション】【モデリング】

    【サブスペース】【万物創造】(クリエーションオブオール)

    【ブラックホール】


【闇魔法】Lv測定不能

 初級:【闇球】ダークボール・【闇刃】ダークカッター・【闇の手】ダークハンド

    【闇縄】ダークロープ

 中級:【闇障壁】ダークウォール・【闇檻】ダークジェイル・【闇矢】ダークアロ

     ー

 上級:【シャドウミスト】・【ブラックホール】・【闇催眠】ブラックハプノイズ    


”いや〜、すげー数の魔法が有るんだな!これがどんな作用をするのか調べるだけでも<タブレット>の助けがいるぞ”とジンは思いつつ、取り敢えず<タブレット>の表示されている中級の文字をポチっていく。


”【火魔法】中級魔法を全て取得しました。今後は<タブレット>をクリックせずに発動可能になりました。初級Lv20000、中級Lv200になりました”


”【水魔法】中級魔法を全て取得しました。今後は<タブレット>をクリックせずに発動可能になりました。初級Lv20000、中級Lv200になりました”


”【土魔法】中級魔法を全て取得しました。今後は<タブレット>をクリックせずに発動可能になりました。初級Lv20000、中級Lv200になりました”


”【回復魔法】は既にレベル∞になっており、上級Lv∞です”


”【無属性魔法】は既にレベル∞になっており、上級Lv∞です。各魔法をクリックせずとも全て可能です”尚上級レベルが限界値に達しており、【転移】等は【MAP】と併用出来るようになっております”


「ヒューイ、取り敢えず【転移】をやって見るから、宿の部屋に戻るぞ」

「わかったわ、パパ、手をつないで!」


画面がゆらぎ、ジンは一瞬船酔いの感覚だったがすぐなれて、気がついたら宿の自分の部屋にいた。

次に<タブレット>の【MAP】を出して、知らないところの場所をポチって【転移】をしてみる。


見たことのない平原に二人は立っている。

【マッピング】をしてみると、まさしく<タブレット>をポチった場所と一致していることがわかった。


”これでどんな知らない場所でも一瞬で移動が可能になったな”とジンは喜び、もとの宿屋の部屋に戻った。

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