第5話 初クエストの報告と従魔

薬草2種類の採集のクエストを終えて、キャシーに1000束づつの納品と、ゴブリンの耳20匹分の納品をしたら、キャシーが悲鳴を上げてしまった。


何故悲鳴をあげられたのかは定かではないが、どうやら薬草のチェックが追いつかないほどの量だと、どつかれてしまう。


暇なのでギルドの食堂でまったりして待っていたら、やっとキャシーが精算できたと、お金を持ってきてくれた。


「ジン君、先ずは『榎木かずら』の分として銀貨100枚、『エモギソウ』の分が金貨10枚、ゴブリンが銀貨20枚です。カードに入れますか?」


「冒険者カードで支払いも出来ます?」

「勿論ほとんどの店でできるわよ」

「なら、全てカードに入れてください」


「それと、このクエストの納品量はクエスト10回以上の数量なので今日1日でランクがDランクに上がったわ、冒険者カードを差し替えて、入金もするので、昨日作った冒険者カードを提出して」


ジンの冒険者カードは1日でアイアンカードからブロンズカードに変わった。


ジンは最初のクエストでだいぶ儲けたと意気盛んに宿に帰って、シャワーを浴びた。

ベッドに寝転びながら、自分のステータスを開いて見ようと、タブレットをポチる。

【HP】2千5百万/∞ ジンの体力:常人の平均値47

【MP】∞/∞ ジンの魔力  :常人の平均値60

【INT】800/1000 ジンの知力 :常人の平均値450

【ATK】7000万/∞ ジンの攻撃力:常人の平均値800

   【剣技】Lv2000000 【体術】Lv2000000

【VIT】980/1000 ジンの生命力 :常人の平均値300

【DEF】8500/100000 ジンの防御力:常人の平均値400


【無属性魔法】Lv測定不能

【鑑定】Lv40000

【身体強化(ブースト)】Lv測定不能


現在のカード内金額:金貨10枚 銀貨120枚


『煌剣』を得て、試し切りしたりゴブリン相手に刀を使ったので、剣技と体術が随分上がっている、というかもう少しで限界値に達する勢いだ。

【ブースト】も限界値を突破している。


ジンはふと、思い出したように【ストレージ】から卵を取り出した。


今なら時間も有るし、どんな動物が出てくるか孵化させてみようと思いタブレットを取り出して、【GOD】をポチって[卵の孵し方]と記入してエンターをポチる。


[卵に手を添えて魔力を流し込むことで孵る]と表示されたが、そもそも魔力の流し方がわからん!

[魔力の流し方、感じ方]と記入してエンターをポチる。

[丹田の部分に有るマナ(魔力)を感じるのは日本人であれば座禅で瞑想して思念を強めて手に伝える様に念じる]なんか抽象的でわからないが、やってみる。


卵に手を添えて、座禅を組んで目をつむりマナを感じようと思った途端、”全ての魔法レベルがLv1からLv100になりました”と頭の中に響いてきて、丹田のあたりが熱くなりこれがマナ(魔力)だと感じ卵に触っている手に向けて流し込んで見る。


ピキッ、ピキッ、と卵が音を出して亀裂が生じ、亀裂が大きくなって遂には完全に卵が割れて、現れたのは小さな白く輝く龍(ドラゴン)の赤ちゃんだ。

「キュキュキュイン」と鳴いて、座禅をかいているジンの膝に飛んできて、頭をスリスリしてくる。


凄い、癒される感じだ。


ジンが持ち上げて顔のそばに上げると、ペロペロと舐めてくる。


「君に名前をつけてあげるね。雄雌分からないからどちらでも良い様に『ヒューイ』としよう」

「キュルキュルキュル、キュイーン」と龍の赤ちゃんは気に入ったのか尾をブンブン振って翼をバタバタして宙に浮いて喜んでいる。


”【眷属】のスキルを獲得しました。レベルが100に上がります。”とまたも頭に声が聞こえた。


「ヒューイ、明日ギルドに行って、従魔の手続きをしようね」

「キュルキュル、キュイーン」と尾っぽを振って首を縦に振っている。

人の言葉を完全に理解しているようだ。


そういえばタブレットに【翻訳】機能が付いていたからヒューイの鳴き声を翻訳かければ変換してくれるかな?

まぁ、俺の言うことを完全にわかっているようだからそこまでする必要もないか!


ジンはヒューイを連れて食堂に夕食を食べに降りてきた。


「定食を1人前追加でお願いします」


「1人前、銅貨10枚ね!」と女将さんが言うので、俺は銅貨10枚出してヒューイを隣の椅子に座らせて、二人で食べた。


ヒューイは机に上がり、オークの照り焼きとパン、スープをペロッと食べて未だ食べている俺の膝に乗ってきて丸くなった。


未だ生まれたての赤ん坊なので、食べたら眠たくなるのだろう、俺の膝で完全に寝てしまった。


俺も、食事を終えて、取り敢えず部屋に戻った。


部屋に戻った俺は異世界まだ二日目、流石に気疲れもしてベッドにドタっと横になると、ヒューイがバタバタと翼を動かしてジンの隣に来て、腹を上にして寝てしまった。


何とも可愛い寝姿だ。

翌朝食堂に降りて朝食を二人前頼み銅貨10枚を追加でだして、ヒューイと仲良く食べる。

何故か心なしかヒューイの体が少し大きくなった気がするのは気のせいだろうか・・・。


朝食を終えて、俺はヒューイを抱きかかえて冒険者ギルドに向かう。


受付にキャシーが居たので、「キャシーさん、この赤ちゃんドラゴンを従魔登録したいのでお願いします」


「ドラゴンを眷属にしたの?凄いわね、どこで手に入れたのか詮索はしないけど、赤ちゃんと言ってもあくまでドラゴンだから責任はすべてジン君が負うことになるわよ」


「大丈夫です、すごく頭が良くて俺の言うことが良くわかっているので」


「わかったわ、それじゃこれに記入して、あなたのサインをしたらOKよ」


「それじゃ、従魔の印のこの首輪をドラゴンちゃんに嵌めてもらって」


ヒューイに従魔の首輪を掛けた途端、[パパ、やっとお話出来るようになったわ]と直接頭にヒューイの声が聞こえてきた。

これって、”念話か?”  [ヒューイ、聞こえる?今から街の外に行くよ[パパ、聞こえるわ!街の外に出て行くのね?]


[行くのね?って、お前メスだったのか?] [女性って言って!メスなんて下品な魔物じゃないわ。私は龍族の最上位の神龍の娘よ]

[わかった、わかった。俺の肩に乗って]

城門を出て近くの人通りがない場所で、ジンとヒューイは魔法の練習を始める。


[ヒューイ炎を吐けるのか?]

[勿論よ、ドラゴンが吐けない訳が無いじゃない、パパここで吐いたら森が無くなるけどやってみせる?]

[だめに決まっているだろう今度外に行ったら色々実験しような]


[お前、人の姿にはなれないのか?]

[勿論なれるわよ]


シュワ〜!っと白く煙が出たと思ったら、可愛らしい女の子が現れた。

でででも、裸の幼子だ!


慌てたジンは周りを見渡して人がいないのにホッとして、ヒューイにもとに戻って貰った。


[ヒューイ、宿に帰る途中でお前の着るものを数点買って帰ろうな]


[ヒューイ、それからだな人間になるのは]


ヒューイに魔力を最低限にしてもらい、【火】、【水】、【風】、【土】の

4属性の魔法を放ってもらう。


もともとドラゴンは【火】は得意だが、【水】はどうなのだろうと見ているとヒューイは口から強烈な【ブリザード】を放った。

【風】は口で吹いただけだが、そばに生えている木々がなぎ倒されてしまうほどだ。

【土】魔法は目の前に土の壁がそそり立った!

[ヒューイの魔法は凄いなぁ!赤ん坊の龍でこれなら成人したらどうなるんだ?]

[今だってかなり押さえた魔法よパパ]ヒューイは当たり前のようにいう。

”今度は俺の番だな”とジンがつぶやき、【ファイアボール】を放った。

物凄い大きさの火の玉が勢いよく飛び出し、数メートル先の岩肌を溶かした。

”頭の中に声が響き【火魔法】のレベルが上がりました。Lv200になりました”


次に【ファイアスプラッシュ】を放つ。

前の木々がなぎ倒されてくすぶっている。

”頭に声が響き【火魔法】レベルがLv20000になりました”中級火魔法が使える様になりました”


続けて【ファイアウォール】と唱えると、目の前に10メートル程の炎の壁がそそり立った。

”頭の中に声が響き【火魔法】レベルがLv2000000になりました。上級【火魔法】を扱えるようになりました”と脳内に聞こえた。


夫々、【水】、【風】、【土】を使ってみる。

全てのレベルがLv2000000に上昇した。


ジンとヒューイはそろそろ昼になるので街に戻り、先ずはヒューイの着る物を数点購入して、下着と靴も買った。


ヒューイに洋服を着せて、二人で食堂に行き定食を二人前頼んで銅貨10枚をだした。

二人でもつ煮込み定食とパンを食べて、再び街の外での魔法特訓の続きを始めた。

ジンは【ファイアカッター】を放ち、そばの木をなぎ倒した。

いつのように頭に声が聞こえ”【火魔法】レベルが限界値を超えました。

神級【火魔法】を扱える様になりました”と声が聞こえた。


ジンは、次々と4属性魔法を放ちレベルを限界値超えをして、【神級魔法】を4属性全てで取得した。


最初の初級の時だけタブレットをポチったが、レベルが200を超えてからタブレットをクリックせずに全ての魔法を発動可能になっていた。


魔法練習でへし折ったり、砕いたりした木々や岩をもとに戻すために【回復魔法】を掛けたりしたので【聖魔法】のレベルも限界値を超えてLv∞に

なって【回復魔法】はヒール、ハイヒール、EXハイヒール(死亡30分以内であれば生き返らすことが可能)迄上がりLv∞、【復元(リストア)】も上級レベルに到達してLv∞になっていた。


最後に【闇魔法】の項目をポチってみる。

ジンは背の届かない木の枝に自分の手の影を伸ばして、折るイメージを持つと手の影がゆらゆらと枝に伸びていきポキっと折ってしまっ

頭に声が聞こえ”【闇魔法】のレベルが上がりました。Lv200になりました”


更にジンは【闇魔法】を連発してLv∞にまで上げて今日の魔法訓練を終えてヒューイと街に戻って行った。


宿に戻って、夕食前にタブレットをポチって画面を見ている。


【HP】6千万/∞ ジンの体力:常人の平均値47

【MP】∞/∞ ジンの魔力  :常人の平均値60【INT】950/1000 ジンの知力 :常人の平均値450

【ATK】∞/∞ ジンの攻撃力:常人の平均値800

    【剣技】Lv測定不能 【体術】Lv1千万

【VIT】75000/100000 ジンの生命力 :常人の平均値300

【DEF】85000/100000 ジンの防御力:常人の平均値400


【無属性魔法】Lv ∞

【鑑定】Lv40000

【身体強化(ブースト)】Lv測定不能

【火魔法】Lv測定不能

【水魔法】Lv測定不能

【風魔法】Lv測定不能

【土魔法】Lv測定不能

【回復魔法】Lv測定不能

【闇魔法】Lv想定不能


現在のカード内金額:金貨10枚 銀貨120枚

冒険者ランク:D(ブロンズカード)

従魔:神龍・ヒューイ(♀)レベル???


”ヒューイの力も凄いが俺の数値の変化は異常だな!【無属性】って、【鑑定】や【身体強化】等の魔法だから知らない間に使っていてレベルが想像以上に上がってしまったのだろう”


"あと欲しいスキルは【転移】や【シールド】、【結界】、【復元】、【付与】などの魔法が使えないかなぁ?"


ジンは未だこの時、彼が使えるスキルの多さには気がついていない。

あしたは【無属聖魔法】のLvが∞になったので、そちらの系統の魔法の練習をするつもりだ。

タブレットの各魔法特性の項目を長押しすると夫々出てくるのが分かり、明日は【無属性】の魔法を練習をしようと思うジンであった。

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