第27話 芸人ラッキー・ホット・コモリの暗躍!
クラブ帝国とゴブライナ帝国との戦い、最初は戦場の反対側にある輪の国ではあまり関心がありませんでした。
それもそのはずで、クラブ帝国としては超短期決戦で勝負をつけて、他の国が干渉しないというのが当初のシナリオだったからです。
しかし、この計画は見事につぶれました。
何時までも当初の計画に固執できないクラブ帝国は、自国の背中に当たる地域にいる輪の国の干渉を恐れていました。
クラブ帝国の大皇帝バウバウカーンは元々軍部の情報機関出身の異色の軍人でした。
クラブ帝国は軍人が強い国家でしたが、しばらくの間戦争がなかったため、軍部の影響は弱まりました。
その隙をついて、情報省から政治家になったのがバウバウカーンです。
彼は持ち前の情報操作で自らを特別な強いダークゴブリンであると国民の多数に知らしめることが出来ました。
そして、副首相、首相とトントン拍子に出世しました。
挙句の果てには大統領と首相を兼ねて総統を名乗ることになります。
この時期になると、軍部とお飾りとは言えクラブ帝国の皇帝も彼の増長を見逃すことは出来なくなりました。
ここで舞台を美麗7州国に移します。
世界一の大国であるこの国は、外国で政変が起きた場合、新しい勢力を応援する風潮がありました。
それは、かの国にある超古代文明の産物であるマザーコンピューターの癖のようなものであり、この時とばかりに新勢力に肩入れをする指令を出します。
それを七州のそれぞれの知事がその指示に従い、ある時はスパイを、ある時は軍勢を、ある時はアサシンを用意しました。
今回はアサシンを用意して、バウバウカーン側に提供し、皇帝を暗殺しました。
こうして、バウバウカーンを邪魔するものはいなくなり、彼はクラブ帝国の皇帝になりました。
しかし、バウバウカーンは美麗の助力を受けたものの、内心は全く機嫌が悪く、怒りの感情すら抱いていました。
そこでまず、ゴブリン帝国連合群を一つにまとめることを目標とします。
そして、軍備を整えてから美麗七州国と最終決戦を行う!
これがバウバウカーンの壮大な構想でした。
つまり、かれは最終的にはマザーコンピューターを破壊してこの世界一の支配者となりバウバウカーン大皇帝から神になろうともくろんでいたのです。
さて、話を輪の国に戻しましょう。
ここは輪の国のとあるいかがわしいお店。
ここにいるのは、芸人ラッキー・ホット・コモリの暗躍と擬態したゴブリン由来国の女性工作員、そしてクラブ帝国の高級外交官です。
芸人ラッキー・ホット・コモリは女性工作員を侍らせ、酒を飲んでべろんべろんに寄っていました。
彼は外交官に念を押すかのように話します。
「つまり、クラブ帝国としては輪の国に出しゃばって欲しくない。そこで俺様の発言力で輪の国を黙らせればよいのだな、外交官殿!」
女性工作員の性的なポイントをまさぐりながら、彼は上機嫌にこう語りました。
外交官は内心彼を見下していましたが、これも祖国クラブ帝国の大事な仕事です。
「はい!ラッキー閣下のご意向を持って輪の国を思い通りにしていただきたいと!」
すると、彼は用意したトランクを開けて莫大な札束の入った中味を見せびらかします。
「このお金でいつものように買収をお願いします」
ラッキーはご機嫌で請け負います。
「まかせておけ~い!」
すると、ラッキーのそばに先ほどの女性工作員よりも美しい女性たちが現れました。
彼女らは看護師の格好をしてラッキーにはべりました。
ラッキーはクラブ情報部の間で「婦長」と呼ばれていました。
風俗における看護婦プレイが大好きだという噂がクラブ情報部の間で知れ渡っていたからです。
ラッキーはその後、夜の闇の部屋に消えていきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます