第18話 四英雄異世界に到着する!
現代の中国と日本からそれぞれ不幸な死によって転生した四英雄たち。
もっとも彼らの前世の悲惨さを考えると、それほどキツイ死ではなかったようです。
ともかく、彼らは22歳で異世界に転生してきました。
彼らの姿は転生前のさらに前、つまり彼らが悪名を残した時代の時の青年時代と同じでした。
馬括は頭の良さげで貴族のような風貌、趙謖は緻密な頭脳を持ったインテリのような風貌。
信景は優雅な文化人のような姿、そして四郎信頼は精悍な若武者の姿です。
彼らは武人としての前世の記憶と、モブ神のもとで培った現代的な戦略の思考パターン、そして現代の普通の学生が経験する人生を身に着けた形で異世界に来ました。
異世界の女神は彼らの為にある準備をしました。
まず、彼らが転生した世界とは、魔法や異人種がいるファンタジー世界ですが、その分マスコミなどは現代よりも遅れていて、エネルギーなども魔法文明によって補われている場所です。
その分ソーラーパネルのようなものも火力、水力、原子力などの発電所もありません。
代わりに魔石によって電気や光を使います。
軍事については現代の核兵器のような物はないですが、代わりに魔道兵器や魔石などがあります。
戦闘機はないですが、代わりにドラゴンやワイバーンなどの魔獣がその代わりをつとめます。
戦争については現代より条約などの概念が希薄で、その分野蛮さが残っていますが、私たちの世界の20世紀と似たようなレベルです。
要約すると魔法がある分科学的分野が遅れているということです。
軍事力についていえば、通常兵器で戦うなら女神陣営の方がわずかに有利、核兵器や禁忌の戦略魔法ありになると両者ともに絶滅するという感じです。
特にこの世界特有の要素として、種族というのがあります。
私たちの世界で言うなら白人、黒人、黄色人種、混合と言った概念がこちらの世界ではさらにはっきり分かれています。
人数で見るとこの世界でもっとも多い人種はゴブリンです。
その中でもダークゴブリンが人種では最多です。
それから、ヒューマン、ゴブリン、ドワーフ、エルフなどが続きます。
私たちの世界で白人至上主義やその他の人種至上主義が宗教や地域文化に根付いているように、こちらの世界にも種族第一主義が根強くあります。
とりわけ人数の多いダークゴブリンは国家規模でその教義を固く守るところが多くあります。
具体的にはゴブリン帝国連合群という国家連合が存在し、隙あらば他国へ介入していました。
これらは各地域のゴブリンたちがそれぞれ帝国主義を掲げていて、他の人種はもちろん時にはゴブリン同士で争いを起こす好戦的な連中です。
この国家群についての詳細は後日説明したいと思います。
ヒューマンは輪の国に多くいますが、ゴブリンと共生しています。
この世界ではヒューマンは他の民族と交わっていることが多く、輪の国以外でもゴブリンやドワーフ、エルフと交わっていて純正のヒューマンは希少種とされていました。
四英雄もヒューマンとしてこの輪の国に転生しましたが、人種的に珍しいという以外は尊ばれることが多少あるものの、普通に接することが出来ました。
その他にヒューマンが多くいる大国、義の国がゴブリン帝国群のとなりに存在します。
ここはヒューマン第一主義は掲げていませんが、国家体制が商業と法律に重きを置いています。
そして、エルフの国としてエルフ連合体(EU)があり、ゴブリン連合群とは常に緊張関係にあります。
この国は魔法文明を推奨し、環境に深い関心を持っています。
義の国と緩やかな盟約を結んでいます。
そして最後に紹介するのがこの世界で最大の軍事力と経済力を持つ、美麗七州国です。
七つの州の連合体で国家を形成し、それぞれの州に代表がいます。
国民はあらゆる種族が混在し、人種差別が表向きもっとも少ない国とされています。
この大国の中央に古代文明の遺産であるマザーコンピューターが存在し、国家の危機と七州の代表が判断した時に、このコンピューターを作動させて指示を仰ぐことになっています。
なお、この世界の暦はこのマザーコンピューターを認識した時をマザコン歴一年として数えることになっています。
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