第5話 大名、不本意な名前とスキルを2つもらう
一乗谷の英雄とされるこの大名はどうも自分が一番であることに慣れきっている。
異世界の女神は少しがっかりしました。
でもそこは女神!慈愛の心で大名を諭さなければなりません。
「いいですか、あなたはこれから信景という名を与えます!これは私と連絡する時に使うので大事に覚えておいてください!」
「それと、もう一つ、これは命令ではなく助言ですが、あなたは三つの馬を支えなさい」
「そしてあなた自身も馬となるのです、これはあなたが異世界に行くときに必ず役に立つ言葉です」
大名、いや信景は「信」という字に抵抗感があったようです。
彼は「信」が付く大名に滅ぼされました。
それだけでなく、別の「信」を持つ大名からボロクソにけなされた手紙を受け取っています。
彼にとってそういう意味で「信」の字は身の毛がよだつような字でした。
女神は彼が嫌な顔をしているので事情を説明しました。
「本当は義信にしようか迷ったのです、でも義信だと後で私が困るんですぅ~」
何かこの女神おかしいと信景は内心疑いを持ちました。
信景はまだ何か言いたそうでしたが、どうも思う所があったらしくそれ以降不満げな態度を取りませんでした。
女神はこれ幸いとばかりに話を進めます。
「では、信景、私の助言を思いにとめつつ、あなたには三人の仲間を与えます!
それぞれの役割は会ってから話し合いで決めなさい」
「話は前後しましたが、あなたにはこれからあなた方の神仏の指定された所に行き、勉強をしてもらいます!」
「それから私の世界で太平の為に働いてもらうことになります。いいですね。」
信景は疑問点を女神に問います。
「三人とは?」
女神はニヤニヤしながらはぐらかした説明をします。
「詳しくは会ってからのお楽しみ♪でも二人はあなたの頭の中に知識が入っています、もう一人は」
「あ、我慢できないので言っちゃいましょう」
「あなたと同じ時代の武将!それも猛将です!!期待していいですよ」
信景は相手が女神ということで、逆らうことに意味がないという消極的な理由からでしたが、彼女の言葉に従うことにしました。
そして、女神もそれに気づいたようで、別れる前に彼にプレゼントをします。
「信景よ!別れる前にあなたに二つのスキル、特別な能力を与えます!一つは魔王の決断、もう一つは魔王の行動、この二つがあればあなたは賢者となれるでしょう、期待していますよ♡」
こうして、大名改め、信景は元の世界の神仏の所に戻りました。
女神は説明しませんでしたが、実はこの二つのスキルは他でもない、彼を滅ぼしたうつけ大名のスキルであり、生前の信景が最も足りない能力でした。
魔王の決断とは、うつけ大名の天才的な発想と戦略のことです。
そしてもう一つの魔王の行動とはその発想が思いついたら、時間を置かずに実行する行動力の事を意味しました。
でも女神は信景のプライドを傷つけないように配慮し伝えませんでした。
もっとも後で彼はいろいろな事を知ることになるのですが、それはまた別の機会に説明しましょう。
これで、馬括、趙謖、信景と三人の人物が揃いました。
そして、四人目!
女神が異世界を太平にするのに必要と考えた初期の人物の内、最後の一人が間もなく呼ばれることになります。
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