第三章 愛憎 3
櫻子達を見送ったあと、稲生きよみは一人施設の事務所で天井を見つめていた。
「今日は、さくちゃん達が来てくれて助かったな……。ちょっと元気になれた。大丈夫、大丈夫。気にしすぎなだけ。そう、そんなはずない。そう言っていたもの……」
きよみは、一旦目を閉じると、机の上に置かれた小さな瓶を見つめた。
すっくと立ち上がると、その瓶を強く握りしめ鋭い視線で見つめたあと、ズボンのポケットにその瓶を入れ、足早に事務所のドアを開けて駐車場に向かった。
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