或る雑誌の1ページ

(執筆者 星原社ジャーナリスト 只野康二)

 1999年、人類史上最悪の災害とされる一蘭事変いちらんじへんによって中国が消滅しました。

 原因は新型核兵器開発中の爆発事故と説明されていますが、放射能が検出されないこと、爆発のエネルギーの特異性などから、今世間を賑わわせている描力者びょうりょくしゃが行ったテロなのではないか?との見方が強まっています。

 さらに爆発による直接的な被害だけでなく、同時期に周辺国で謎の大量死が起こっていて、それは日本も例外ではありません。


「日本だけで推定2万人の変死が報告されています。爆発によって有害な物質が降り注いだとされていますが、その有害物質も政府からの報告でしか存在が確認できないなど、不可解な点がとても多いです」と石井教授は話す。


 しかし描力者びょうりょくしゃに関しては完全にブラックボックスと化しており、存在することはわかっていても、仕組みにおいてはまだまだ解明される目途が立ちません。


 アメリカのスプリクス研究所の所長で、近年でもっとも有名な「描素びょうそ理論」を提唱した未界教授は描力者研究において最先端に位置していましたが、一蘭事変に巻き込まれて行方不明になっており、研究の再構築が急務であると言われています。




 私たちの目と鼻の先で行われている中国争奪戦でも多数の描力者が目撃されていて、暴れている描力者びょうりょくしゃ集団の中には大国の支援を受けているものもあるといいます。戦争の規模が大きくなりいつここまで戦火が及ぶか、依然として予断を許しません。




「民衆の中央政府に対する不信の声が大きく、全国各地でデモが行われています。たしかにさまざまな闇が見え隠れしてなにかとキナ臭いですが、政府による中国派兵、それに伴う特需で今日本がとても潤っています。政府本部が日本に設置されたことに対しては一概に悪いとも言い切れないでしょう。また、こんなにも戦場に近い場所で普通の生活ができるのは、政府が我々を守っているからです。もし中央政府がこのようなデモに屈して本部を近隣国に移設したなら、加護を失った我が国は破滅の一途をたどるでしょう」

(石井教授)

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液状化少女 長瀬 @nagasetole

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