第4話 ピーチストーン

 次の日、隣のクラスの友人から吉川拓実が転校したと聞いた。

 私に見られて未来人と告げた事が問題だったのかな。

 そうとしか思えなかった。

 私は彼と1日しか会っていないのに、もう会えないと思うと何だか苦しく感じたのだ。

 ため息をつきながら、下駄箱の靴を見ると小さく折り畳んだメモのようなものが入っていた。

 それは吉川拓実からの手紙だったのだ。

 内容はやはりこの時代にもういられない事などが書かれていた。

 でも最後に興味深い事が書かれていたのだ。

 私はそれを読んで、最後に私に言った言葉が真実をわかっていたからこその言葉だと知ったのだ。



 ーーー時の石と言われるペンダントに使われていた石は、ある有名な研究者により発見されたんだよ。

 その研究者は、自分のひいおばあちゃんに貰ったペンダントに使われていた石から、時間に関わる不思議な石だと発見したらしいよ。

 時の石と言われているけど、実は別名があるんだ。

 それはひいおばあちゃんの名前からつけたと言う『ピーチストーン』


 だから、絶対に手術は成功する。

 心配はしなくて大丈夫だよ。

              吉川拓実ーーー



 私はもう会うことはない彼だけど、一生覚えていようと思った。

 だって、私の曾孫が彼にありがとうと伝えてくれるかもしれないのだから。


 さて、手術がんばるしかないね。




 

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沈黙の世界と未来の彼 柚木 潤 @JUNMM

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