第3話

「身勝手ですみませんね」


 …え?脳内に直接??


と思ったけど違った。ご都合主義で?ずっと宰相が喋ってたから存在を忘れてたけど王女様でござったわ、すまんすまん。


「何故、王女様が謝ってるんですか?」


「今さっき身勝手と言われた女神よ、この子の体を借りて喋らせてもらってるの。でもあまり長い間借りられないから手短にするわ。この世界を救ってくれたらちゃんと元の世界に帰してあげる、だからあなた達の力を貸してね以上。」


「今すぐ帰るのは?」


「無理。」


「なんでやねん」


 また関西弁がでた


「魔王を倒すには勇者の力が必要。だけど勇者はこの世界の人ではなれないし、勇者1人だけで倒せるほど魔王も弱くないから何人も異世界人の力が必要なの。あと何回も、それに直ぐに異世界人なんて呼べないわ、ものすごく力を消耗するんだから。」



 ふーん…なんかほんと面倒事に巻き込まれたって感じだな…


「どうする…?」


「どうするって言っても選択肢ないんだからやるしかないって事だろ」


「はぁ、やだなぁ」


「はい、では皆さんよろしくお願いしますね!」


 足は肩幅で右の足先を少しあげ左手は腰に、少し前かがみになりながら右手は目の横でピースそしてウインクいかにもキャピーンって効果音が出てそう…なんだろう…最後にイラッとさせるのやめてもらっていいですか?なんか色々台無しっす。


「それで、この後はどうするんだ?」


「これから違う部屋に移動する、ついて来なさい」


宰相に言われてゾロゾロとついて行く。


まぁ、この後の展開といえば何かしらの力を得るのにオーブに触れろやらステータスプレートが配られて血を垂らせとかだと思うけど…わざわざ違う部屋に移動するぐらいだから前者なのかな?そんで誰か1人無能で追放そしてざまぁwwww展開ですか?読む分にはいいけどなる側にはなりたかねぇな〜


「ねぇ、瀬戸」


「ん?優花じゃん、どうした?」


声を掛けてきたのは中川なかがわ優花ゆうか胸がデカい。元バスケ部で運動神経がいいポニテガール、そして胸がデカい。ダメだと頭では分かっているが視線がどうしても…


「…ヘンタイ」


ですよね、バレますよね!!


「ごめんなさい」


「学生の時もそうやって私の胸チラチラ見てたの分かってるから…むっつりスケベ」


「いやほんとすみません…え?学生時代から分かってた?」


「それぐらい女の子はすぐ分かるっての。はぁ、学生の時はお調子者だったのに、今は落ち着いてる雰囲気出してるから大人っぽくなったなと思ってたのに中身はあんまり変わってないのね」


「oh......以後気をつけます」


くっ、なるべく見ないように紳士的な行動を取っていたつもりだったが思春期男子全開だったか!


「それで?どうかした?」


「どうかした?って…なんでそんな落ち着いていられるの?こんな状況で」


なんでって…ラノベで予習しました!なんて言っても笑える冗談にもならなさそうだな…適当に言い訳するか


「んー、自分より緊張してたりパニクってる人見ると逆に落ち着かない?そんな感じだよ」


「そっか…」

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