第15話マドンナの涙

終業式の晩に、緊急保護者説明会があった。

福光書店との癒着に付いてだ。

タヌキと青シャツは額に汗を浮かばせ、弁明した。


結局、臨時理事会でタヌキと青シャツは更迭された。

そして、その秘密を暴いたヒロ坊とトノ様は旭高校に残る事になった。


夏休みが終わり、残暑の残るグラウンドの端っこのベンチで、マドンナはお弁当を食べていた。

マドンナは貴島先生、神岡先生みたいな、面白くて頼りになる先生に憧れていた。

2人の先生に飲みに誘われる事が楽しみになっていた。

結婚に歳は関係ない。2人の先生に紹介してもらおう。

そこに、キャサリンが歩いてくる。

「あの2人、やっぱりやってくれたわ」

キャサリンタバコに火をつけた。

「キャサリン先生。あの2人の先生、かっこ良かったです」

「そうね、顔は三枚目だけど行動力は認めるわ。そうだ、部活終わったら4人で飲まない?」

「はいっ」


「おやおや、旭高校の千紗御前と里美御前じゃありませんか」

「なに、ニヤニヤしてんの?」

「今夜、部活が終わったら飲みに行かない?」

キャサリンは2人に声を掛けた。

「行こう、行こう。な?トノ様」

「いいよ」

マドンナはニコニコしていた。

授業中も笑顔が絶えず、

「先生、何ニコニコしてるんですか?」

「別に~」

「あっ、先生、妊娠したんだ!」

「バカな事言わないで、黒板を見なさい」


午後7時。

正門の時計台の下に4人は集まった。

正門を閉めると、歩き出した。


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恋は複素数なのか? 羽弦トリス @September-0919

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