第10話理事会にて

「で、伊東校長、旭高校の風紀を乱すのは貴島、神岡の両先生だな?」

伊東は、

「はい、この2人がセクハラは日常的で、当校の生徒と共に、他の先生方のアダ名を付けるという、いじめもあります」

「伊東君、君は何と呼ばれているんだね?」

理事長の川原は尋ねた。

「……タヌキです」

「アハハハ」

「理事長、私は青シャツと呼ばれバカにされています」

「分かった、分かった。この2人を処分する。1学期以内で辞めてもらおう。代わりの教員なんていくらでもいるんだ」


「理事長、わたしのお願いの聞いてもらえませんか?」

「どうしました、原口さん」

「この高校に、マドンナと言う数学教師がいますよね。実は、娘がねそいつに酷い事言われて、転校したんたですわ」

青シャツは待ってました!とばかり、

「あの、マドンナは色目を使い、生徒を始め、教員まで下僕にしてるんです、それが貴島、神岡両先生です」

「じゃ、マドンナにも辞めてもらおうか?」

青シャツは慌てて、

「彼女は若い。私が責任を持って指導しますんで、貴島、神岡だけをクビにして下さい」

理事長と5人の理事は色んな意見を出しあい、クビにする前に2人の話しを聞くことにして理事会は終了した。


伊東のタヌキは青シャツに耳打ちした。

「校長、その辺りは十分です。口止め料も手渡し済みです」

「抜かりは、ないね?」

「はっ、手抜かりなどありません」


バシャッ


「おいおい、婆さん気を付けろよ」

「すいません。直ぐに拭きますんで」

2人は掃除スタッフの婆さんに邪魔され、すごすごと職員室へ戻って行った。

2人を見届けると、婆さんは背伸びをして、ほっかぶりをとり、顔のマスクを取った。

この婆さん、貴島先生だったのだ。きちんと、録音機でタヌキと青シャツの声を拾った。

この、ヒロ坊、トノ様VSタヌキ、青シャツの戦いはどちらが勝つのか?

まだ、誰も知るよしもなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る