第4話地獄新聞

翌朝、旭高校はある話題で盛り上がっていた。そう、地獄新聞部が学校中に新聞を張り付けていた。


【青シャツ、セクハラ問題】

そこには、青シャツこと広瀬教頭がマドンナの肩に腕を回している写真が出ていた。

青シャツは、地獄新聞を次々に剥がして行った。

「あのハゲ、もう懲戒免職だな?」

「たぶんね。マドンナかわいいからな」

男子生徒たちは、マドンナの肩を持った。


青シャツは伊東校長に呼び出しを食らった。


コン、コン、コン。

「どうぞ、入って」

青シャツは校長に今度の事件の理由を聞いた。

「広瀬君、本当にセクハラはしていないのだね」

「もちろんです。私は1人で悩んでる小林先生を励ましてやったんです。セクハラは貴島先生と神岡先生の2人がしてるんです。あの2人、小林先生の事をマドンナと呼び、学校ではモンロー効果でスカートがめくられる女子生徒をずっと眺めてました」

「本当に?」

「ええ」

「実はね、僕も貴島君と神岡君は苦手でね。そのうち、あの2人には辞めてもらうよ、この高校を」

校長と教頭は握手した。

「アイラービュー」

「ミートゥー」


昼休み、マドンナはいつものベンチに座りお握りを食べていた。

そこへ、キャサリンが現れた。

「マドンナ先生、お隣よろしいかしら?」

「はい、どうぞ」

2人はしばらく、無言で昼食を摂り、キャサリンはタバコに火をつけた。

「あの、青シャツにセクハラ受けてたの?」

「……はい」

「わたしが、殴ってやろうか?」

「大丈夫です。ヒロ坊とトノ様が付いているので。この前の金曜日助けてもらったんです。お二人に。」

「意外にあの子ら、男気があるのよね」

「はいっ」

キャサリンは灰皿に短くなったタバコを押し付けて、また、タバコに火をつけた。

ヘビースモーカーらしい。


「実は録音機も服に忍ばせていたんですが、声が拾えてなくて、教頭先生のセクハラの証拠が掴めなかったんです」

「あら~残念ね。青シャツとタヌキは仲間同士だから気を付けてね。あの2人に目を付けられた教員は直ぐに地方に飛ばされるから。今年はヒロ坊とトノ様が怪しいわね」

「何故です?」

「あなた、バトミントン部の顧問よね?ヒロ坊もトノ様もそれぞれ部活の顧問でね、優秀なの。で、生徒からは人気者で。すると、大きな力になるじゃない?そうなると、タヌキと青シャツは歯が立たなくなる。その前に飛ばされるのよ」

「なんか、嫌な連中ですね。お二人とも優しい方なのに」


「グチりたければ、いつでも保健室に来てちょうだい」

「はいっ。ありがとうございます、キャサリン先生」

2人はベンチから立ち上がった。

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