第102話

 私の心配は無用だったみたいで、

建物内には誰も居なかった。

人気の占い屋さんがあるのは

本当なのだろうか。

お客さんはいないし、

肝心な占い師さんもいない。

 「映像によると、ここに隠し扉があるはず」

「映像を残して誰かに見せちゃうなんて、

どれだけバカなんだか」

「つきちゃん、言いたいことは分かるけど、

本人たちが聞いてたらどうするの」

『その時はその時だよね』

「そんなこといいから、いくぞ」

前回と比べると、

扉が重くなている。

もしかしたら、ただ扉が錆びついているだけかもしれないが。

「前の基地とあんまり見た目変わってない」

家具はアンティーク調でまとめたのかも

しれないが、

手入れが行き届いていないせいで

そんな趣はなく、ただただ古臭いだけに思える。

「木製の椅子は?」

「あります、上に紙も散乱してる」

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