第100話
「ちぃ、まだ終わってないみたいだよ」
「本当だ、またあの儀式をするのかな?」
「もしそうだったら、住所は特定出来なくても
十分手掛かりになる」
まだ手掛かりになると決まったわけではないのに、
朽葉に報告するために手元に自分の端末を準備する。
予想通り、前二つと同じように
儀式を始めた。
きっと、今の宗教団体の基地はここだ。
「今、ちぃが追いかけてる
人たちの場所分かったよ」
「え、嘘、なんで分かったの?」
つきが慣れた手つきで
ビデオを操作して、
るなは一心不乱に電子メモに
文字を書いている。
画面は少し巻き戻って
今は一階が画面に映っている。
『窓の外にガソリンスタンドが見えるでしょ、
このガソリンスタンド実は
私たちがもらった依頼の場所なんだよね』
「えっ、うそ」
そもそも、ガソリンスタンドが映っていることに気付かなかった
というのは黙っておこう。
「依頼者さんの職場なの、
人気のある占い屋さん
の店の奥で変な儀式みたいなことをしているのが
どうしても気になっちゃうらしくて」
『それだけじゃないよ、この映像を撮られたのはつい昨日だよ』
「えっ、どうしてそこまで」
「ちらっと見えたガソリンの値段、
昨日もレギュラーはこの値段だった」
二人には完敗だ、
自分では全く
出来ないことまで難無くこなしてしまう。
ガソリンの値段なんて気に留めたことなんてない。
「ちぃ、朽葉さんに連絡だー」
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