最強集結編—機巧城7
見事にエンドの興味を引き出せた「竜」の話題に関しては、彼がリィルとマインをこの争いが完全に終わるまで守るという契約が完了されてから教えてもらう事になった。
エンドとしては今すぐにでも吐かせたい所だったが、彼女が否と言うのだから仕方がない。
現状のエンドではリィルの盾を破れないのだから大人しく従うしかないだろう。
「オマエ、女一人も持てんのか」
「悪かったわね。私はか弱い乙女なの。そっちの方がアンタも男が廃れなくて済むわ」
「虚言癖は治しておけ。オマエの場合、すぐ看破できる
エンドは面倒ながらに片腕にマインをおさめていた。
契約が結ばれた今、マインを置いていく訳にはいかない。緊急時でも動きやすいように手は空けておくべきだが、リィルがマインを持ち上げれるほどの膂力が無い時点でエンドが出張るのは自然だった。
魔法で空中に浮かばせる方法も考えた。しかしその場合、弱っているマインの身体に負荷がかかってしまうのだ。
契約により守らなくてはいけないが、もしエンドのおかげで何かの障害が出来上がってしまえば「契約を達成できなかったわね」なんて事をドヤ顔で囀られるかもしれない。
それだけは避けたかった。
「というかエンド。アンタならこの城ごと落とせたりしないの?」
「可能だ。だがこの城には興味がある。出来るだけ壊したくない」
「あんだけ強い魔法ぶっ放してた男が何言ってるのかしら?」
「加減しているに決まっているだろう」
壊したくない。そうは答えたが、実際は機巧城が機巧城として機能する部分が残っていればそれで良かった。
要は堕ちなければ何でもいい。
「それよりもコレを見ろ」
「……なによそれ。鉄屑?」
「ああ、あの男のやつだ」
「……」
——だからなんだ、とリィルが無言になる。
目は口ほどに物を言う。なんて言葉があるが事実のようだった。
「この城にはあまりにも多くの気配があったうえ、どれも似たような気配だったからな。ずっと使えなかったが……」
次にエンドが行ったのはエクスの欠片を媒介にした探知系魔法。
ここに進入した時にこっそり行使したものの無駄になってしまった魔法だった。だがそれは、媒介が無かったからであって今は……
「——見つけたぞ」
と、天井を見上げるエンド。
傍にいるリィルを己の方へと寄せ、一言。
「行くぞ」
「行くって、どこによ? ——ッ!」
上に跳び上がるが、当然そこは天井だ。しかし、彼にとってそれは弊害にはなり得ない。
そのまま何十枚かの天井を突き破り続けると、途中でリィルが絶叫した。
「何やってんのよアンタ!? 本当に病気なんじゃないの!?」
「黙れ。耳障りだ」
「だって……壊したくないって言ってたじゃない!?」
「ああ、それか——気が変わった」
「気が変わったって……」
冷静に考えてみれば、
————この女が言っていた竜……一刻も早く知らなければ。
そうでなくては——エンドの予想通りの竜であれば、逃げられる。そう、神供よりもずっと忌々しいあの竜ならば、
たった一秒、発見が遅れるだけで別世界へ行かれるなんて堪ったものではない。
————クソッ。厄介な盾が無ければ今際の世界に引き摺り込んでやったというのに。
とにかく、彼には時間がない。幾億の時すら霞んで見えるような果てしない時の奔流の中、唯一掴んだ手がかりを、みすみす離したりはしない。
「先刻ぶりだな————
彼の視線の先。そこにはエクス=ギアルスが瞳を見開いて驚愕していた。
「キサマは……!」
「存外、間抜けな面もつくれるらしいな」
今度こそ、本当の戦いが始まろうとしていた。
悪虐の始皇帝・エンド=E=サリバン
VS
機械軍の王・エクス=ギアルス
——ここに開戦。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます