第68話 クズ、凌辱する
※前回に引き続き、激しめのイジメ描写(性的なもの含む)があります。苦手なかたはご注意ください※
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それから一体、何分が経過しただろう。
レズンは怒りに任せ、何度となくヒロを痛めつけ。
ヒロが意識を失うたび、校章を使って意識を無理矢理覚醒させた。
口にねじこまれた蔓のせいで、ろくに言葉さえ出せなくなったヒロは――
ただただレズンの手により、傷つけられるがまま。
――それでもヒロは耐えた。耐え続けた。
ルウを助け出す、ただその一点に想いを託して。
それだけの力が、今のヒロには備わっていたから。
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何度目かに校章を使った時、ふとレズンは我に返った。
――おっと危ねぇ。
これ以上やったら、さすがに死んじまうか。
大の字に吊り上げられたヒロを、ゆっくりと見上げる。
最早ヒロの身体は、全身血まみれ。
可愛らしかった水兵服は激しい打撃によりズタズタにされ、白い部分が見えないほど血に染まっている。しかも電撃により至るところが焼け焦げ、わずかに燻っている箇所まであった。
最も損傷が激しいのは両肩だった。袖は水色のカフスごと両方ともどこかへ吹き飛び、ほぼノースリーブと言っていい。僅かに残ったぼろぼろの白い残骸だけが、溶けた蝋のように腕に絡みついている。
獣に引き裂かれたズボンはその形状を留めておらず、スリットスカートのように空中に靡いている。大きく裂けた隙間からは、細いがある程度筋肉のついた太ももが丸見えだった。そこに流れる幾筋もの紅が、やたらと目に眩しい。
破られた服の断片が、ちぎれた花びらのように草むらに散らばっている。
全身に絡みついた枝はさらに服の奥まで侵入し、ベルトはいつの間にか抜け落ちて下着までがちらりと見え、その中にまで複数の枝が入り込んでギシギシと蠢いている。
――こんな状態でも、まだ意識があるのか。
ヒロは頬を真っ赤にしながら、必死で身をよじっていた。
多分、下着に入り込んだ枝が何か悪さをしているんだろう。レズンはそう判断し――
懐からおもむろにミラスコを取り出して、ヒロの今の姿を撮り始めた。
カシャ、カシャ、カシャッ……
意外と大きく森に響く、ミラスコの撮影音。
それに反応したのか、ヒロはほんの少しだけ目を開いた。
いやいやをするように、懸命に首を振ろうとするヒロ。しかし頭を枝に押さえつけられ、それさえもうまくいかない。
「動くなよ、ヒロ。
お前のサイコーな恰好、撮ってやってんだからさ」
「んっ……ん、んうっ……んあぁっ……んー!!」
全身で拒絶を示し、ヒロは必死で喘ぐ。大きく腫れあがった右頬に、ぽろぽろと涙が零れ落ちた。
口に突っ込まれた蔓は、ろくな悲鳴さえも許さない。
レズンはさらにヒロに近寄ると、幾度も幾度もミラスコで撮影した。ほぼ無防備になっている、下からの角度を中心に。
呻くヒロを挑発するように、さらに声をかける。
「いやいや、ヒロく~ん?
いつも言ってんだろ。こんなんじゃ全然、お客さん満足しねぇぞ?」
「……ん、んんっ」
「ちょっと待ってろ。もっとイイ感じのカッコにしてやるから」
そう言いながらレズンがフンと鼻を鳴らすと――
ヒロを拘束していた枝が不意に緩み、その身体がふわりと上空に浮き上がった。
この森の全ては今や、レズンの手足同然。勿論ヒロを縛り付けている枝も蔓も、全てがレズンと繋がっていると言っていい。さらに言うと枝を通じて、ヒロの苦痛も喘ぎも心音も
――殆どを、レズンは鼻先で感じ取っていた。
そして今、レズンは敢えてその拘束を緩めた。鼓動を、痛みを、さらに近くで感じる為に。
一旦は宙に浮いたヒロの身体は、またすぐにドウッと背中から地面に叩きつけられる。
「が……っ……!!」
酷い呻きと共に地表に投げ落とされたヒロ。仰向けになったまま動けない。
すぐに周囲の草むらから蔓が無数に伸びて、まるでヒロを地面に縫い付けるかのようにその手足に、首元に、腰に巻き付いた。
口には未だに、ねじこまれた魔草が深く入り込んでいた。大量の分泌液が口元から流れ出し、襟も髪もべっとり濡れている。
それを見て――
レズンの唇に、満足げな笑みが浮かんだ。
――やっとだ。
やっと、俺のモノになる。
お前の全部が、やっと、俺のモノになる。
倒れたヒロに近づき、その上に馬乗りになるレズン。
内股にヒロの太ももが触れ合っただけで、怒涛のように欲求が跳ね上がってくる。
むせかえるような血と煙。その向こうに、かすかにヒロの匂いを感じた。
苦痛と羞恥のあまり、真っ赤に上気した頬。
全てを拒絶するように、閉じられた瞳。零れ続ける涙。
胸元を見ると、びっしょり濡れて張りついた水兵服の布地を通して、わずかに肌が透けて見えた。ボロボロにちぎれたスカーフの端を上げてみると、胸の中心で桜色の小さな突起が、ほんのり浮かび上がっている。
指先を使って少しその突起を撫ぜてみると、ぴくりとヒロの肩が反応した。
それだけでヒロの呻きは高まり、レズンの感情も昂った。
――まだ、意識はある。痛覚もある。
俺が何をしているか、こいつには全部見られてるんだ……
そう分かった途端、レズンはさらに自暴自棄になっていく。
血にまみれ、ボロ布と化した水兵服の襟元。そこに両手をかけてほんの少し力を入れただけで、水兵服は裾までビィッと呆気なくちぎれた。
痣だらけの幼い胸が、レズンの前に露わになる。
ヒロの悲鳴が弱々しく響いたが、それはレズンの感情をさらに高揚させていくだけだ。
――分かってる。お前は絶対に、俺を受け入れない。
俺を理解しようったって、出来るわけがない。
俺の本当の気持ちを知れば、お前は俺を忌避して拒絶して、あざ笑いさえするだろう。
そんなことになるくらいなら……俺は人生を捨ててでも、お前を自分のモノにする。
それだけの力を、俺は受け取ったんだ。あのクソババァから。
とくん、とくんと音を立てながら、眼前で鼓動する胸。
苦しげな呼吸が、耳元にも伝わってくる。
それでもレズンはヒロの襟を強引に掴みながらじっと頭を下げ――
その肌を、胸を、血を、舐めた。
――今までヒロを痛めつけることはあっても、誰かの目の前である限りは絶対に出来なかった行動。
どれほど妄想しても実行出来なかったこと。
それが今、出来る。二人だけのこの世界なら。
ぶるぶると小刻みに震えるヒロの身体。
その心音までが速くなっているのが、舌でも感じ取れた。
破れたスカーフの端に吸いついてみると、血の味と一緒に、ほんのり甘い汗の匂いが脳を満たす。
強烈な快感に耐えきれず、レズンは思わず開いた襟元、その中へ頭を埋めていた。
眼前にある獲物の身体を、全てむしゃぶりつくす為に。
胸から鎖骨、首筋から頬にかけて――
ゆっくり、少しずつ、肌を舐めていく。
――これが、ヒロの匂い。ヒロの身体……
目の前にあっても、ずっと手に入れられなかった。どれだけ求めても、遠かった。
今までは、ここからってトコで先公に邪魔されたり。
そうでなくても、余計な豚どもがいつも群がっていた。
でも、今は全部、俺のモノだ。
舌が動くたびにヒロの身体はぶるぶる震え、現実を見るまいとするように顔が背けられる。
その頭をこちらに向かせようとして強引に肩を抱くと、ちぎれてぐっしょり濡れそぼった後ろ襟が、手に絡みついた。
腫れあがった頬に流れた血を舐めとる。微かに涙の味がする。
舌を
――もう逃がさねぇ。
お前の苦痛も、血も、涙も。
全部、俺の……!
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