#19 逃亡決行
仕事を終えて途中でガソリンスタンドに寄って給油してから新居へ帰宅。
帰宅すると、スマホのアラームを深夜1時にセットして直ぐに仮眠を取った。
1時に起きるとスマホにマドカからメッセージが来ていたので「ごめん、寝てた。もう遅い時間だから明日にでもまた連絡頂戴」と返信してから逃亡の準備を始めた。
まずは、服やPCをはじめとした私物をまとめ、車に運び込む。
月曜日の引っ越しで新居に運び込んだ物は残さず全て車に積んだ。
次に、キッチンやリビング、寝室に玄関などの掃除をした。
発つ鳥あとを濁さずの精神で、フローリングの雑巾がけやガラスの窓拭きして、最後にシャワー浴びてからお風呂掃除もした。
ファミレス店長のお掃除スキルは伊達じゃない。
一通り掃除を終えると、服を着替えてからリビングのテーブルで締めくくりの仕事に入った。
A4が入るサイズの茶封筒に黒のマジックで
『やっぱりマドカとは結婚出来ません。 今までありがとう。 中のお金は式場のキャンセル料にあてて下さい。 マサキ』と書いた。
「あてて」の漢字がわからなかったので、ひらがなで書いた。
封筒の中には、現金で50万を入れて、リビングのテーブルの真ん中に、真っすぐ向きを揃えて置いた。 それと、バレンタインに貰ったネクタイピンも一緒に置いておいた。
興信所の報告書も一緒に置いていこうか悩んだけど、やっぱり止めた。
発つ鳥あとを濁さずだ。
最後に、戸締りと火元の確認をして、もう一度寝室などもチェックして忘れ物が無いかを確認してから、部屋を出て鍵を掛けて、鍵は玄関扉の郵便受けに放り込んだ。
この時、ちょっぴり泣きそうになった。
車に乗り込むと、時間は深夜3時を過ぎていた。
途中でコンビニに寄って、缶コーヒーとサンドウィッチを購入してから東名のICへ向かい、東京方面へ向かった。
この日の目的地は、静岡。
念のため、岡山とは逆方向の東方面へ移動し、24日は静岡市で一泊してから翌日Uターンして岡山を目指す。
途中、浜名湖SAに4時半に到着。
このまま静岡に向かっても、ビジネスホテルの予約の時間(15時)には早すぎるので、ここで車を停めて寝ることにした。
9時頃、目を覚ますとスマホにマドカからのメッセージが来ていた。
結婚式の前日で土曜日のこの日は、マドカは会社が休みで、俺は表向きは勤務していることになっていた。
今返信すると仕事中にスマホいじってる状況に見えてしまうので、敢えてスルーした。
ハンドタオル持って車から降りて、トイレに行って用を済ませてから、冷たい水で顔をバシャバシャ洗って、SA内のお店でジャンボフランクフルトを1本買って、浜名湖を一望できる所でぼーっと眺めながらジャンボフランクフルトを食べて、しばらくしてから車に戻った。
再び車の中で横になって、ウトウトしながら時間を過ごし、13時過ぎに出発して再び静岡市を目指した。
静岡ICを降りると14時を回っていたので、そのままビジネスホテルを目指す。
途中コンビニに寄って夕食用の弁当を購入。 ホテルに着くと、駐車場に車を停めてから車内で少し時間を潰して、15時丁度にチェックインして部屋に入り、この日の移動は終わった。
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