第8話 後輩への恋
彩也香さんにかわいいと言われて一週間くらいが経った。
僕は彩也香さんのことがすっかり好きになっていた。
毎日昼食は彩也香さんと一緒に食べていたが、僕は彩也香さんのことを好きになっていることは隠していた。
僕は勇気を振り絞って告白しようと思ったが、実際に行動をはじめられたのはその一週間後だった。
その日もさやかさんと一緒に昼食を食べている日だった。
「彩也香さん、一つお願いしたいことがあるんだけど、今日の放課後生物室の近くの階段で待ってほしい」
「わかりました」
午後の授業には参加はしたが、まったく内容が頭に入っていなかった。
そして、いよいよ告白の時が来た。
僕は彩也香さんを待たせている生物室の近くにある階段に向かった。すると、彩也香さんが一人ぽつんと待っていた。
「鎖弥嘉先輩何かあったんですか?」
「実は僕、彩也香さんに伝えないといけないことがあって実は僕、彩也香さんのことが好きになったんだ。自分勝手なことだけどもし良かったら僕と付き合ってほしい」
僕は半分あきらめていた。
すると、彩也香さんが泣き出した。
「私も鎖弥嘉先輩のことは大好きです。私も鎖弥嘉先輩と付き合いたいです」
僕は泣いている彩也香さんを抱きしめた。
「先輩、苦しいです」
僕は慌てて彩也香さんを離した。
「もしかして、こんな感じなの嫌だった?」
「いやじゃないです。むしろうれしいです」
「もし良かったら一枚タオル使う?」
「大丈夫です」
「帰りどこか寄ってく?」
「鎖弥嘉先輩と話をしたいです」
「それなら屋上行く?」
「はい」
そうして、僕と彩也香さんは二人で屋上へと向かった。
「一つ君に伝えたいことがあるんだけど、これからは僕に話す時敬語じゃなくてもいいよ」
「ありがとう」
彩也香さんの表情はすっかり笑顔になっていた。
「そういえば、鎖弥嘉先輩って女の子になりたいの?」
「僕は女の子になりたいとは思っていないし、男の子としてかわいくなりたいと思っているよ」
「そうなんだ。でも、どんな鎖弥嘉先輩でも、私は大好きだよ」
「ありがとう」
「そういえば鎖弥嘉先輩、もし良かったら名前が被るからお互いニックネームつけよう」
「確かにそうだね」
彩也香さんとしばらく話すと、僕はさやちゃんというニックネームになって、彩也香さんはあやちゃんというニックネームになった。
なぜ彩也香さんのニックネームがあやちゃんになったのかというと、彩をあやとも読むことができるからだ。
そして、僕は彩也香さんとラインを交換した。
ラインを交換すると、最終下校時刻ぎりぎりになっていたので、僕たちは下校することにした。
自転車置き場で僕はもう一度彩也香さんを抱きしめた。
彩也香さんの顔を見ると、とてもうれしそうだった。
家に帰ってからもラインで連絡を取り合った。また、早速今週の土曜日に彩也香さんとデートに行くことになった。
今まで僕はデートに行ったことがないため、これが初めてになるので正直緊張している。
明日も学校はあるので、あまり遅くならないように寝た。
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