第5話


私の職場の上司や仲間は最高だった。


結節性(けっせつせい)硬化症(こうかしょう)

娘の診断名と、その症状から検査入院

する事を職場に伝えた。

夜間の病院での付き添いはいらないとの事で、

明日からでも出勤する事も伝えたが

上司にさとされ休む様に言われた。

「どうしても出勤したければ

心配しなくてもたくさん仕事あるから

書類仕事置いとくわよ!」と

ありがたいお言葉まで頂いた。

職場に無料貸与されている携帯電話で

会社に連絡した。

福利厚生も最高。

早退と欠勤になっていたその日から

半休と有給で処理してくれたのだった。

約1週間は、私の貯まっていた使いきれてない

有給を使って無欠席にしてくれた。

何年もプールされていた有給消化を

してくれた上司に感謝します。

ありがとうございます。

出勤したら何か美味しいお菓子

差し入れしようと決めた私だった。

無遅刻無欠席、1ヶ月プラス千円、

2ヶ月目プラス二千円、上限が

六千円で、娘の事で早退や欠勤

ちょこちょこしているのに、

優しい上司たちのおかげで

今年もまた一年無遅刻無欠席、

連続皆勤賞だった。あはは。


ほとんど子持ちの20代~60代の

ママさん中心の職場、私と主任と

副主任の3人だけ正社員、あとは

パートという形の職場だった。

福利厚生もよく、病院系列の

介護部門の仕事場。

社宅もあるけど、格安社宅?イコール

施設内の利用者様と同様の空き部屋が

社宅?寮となるらしい。

家族で住むには不向き。

社宅は今の安アパートとほぼ同じ同じ

家賃だったし、引っ越し費用も

もったいないので"事故死"した

両親が手続きしてくれた安アパートで

娘と2人で暮らしている。

私の家ははっきり言って貧乏だった。

携帯電話や家の電話すらなかった

生活だった。

(携帯は仕事用だから私用では使っていなかった。)

多少不便だが、よく聞くあやしい電話や

セールスの電話がかかってくる心配はない。

電話自体ないから。

体調悪い娘が学校を休む時には、

職場行く前に小学校に立ち寄り

学年クラス名前を書いて、体調不良で

休む事を書いたメモを渡していた。

事務的な挨拶をして終わり。

二学期は2日だけ学校に行っただけで

すでに10月半ばに差し掛かっていた。

学科側も、私に連絡とりずらかったらしいが

職場にかかってきた上から目線の

学校からの電話に私の上司が冷静に

対応してくれたそうだ。

私がワザと子どもを学校行かせてない親、

虐待だとか、ネグレストだとか

それらを疑ったようだ。

威圧感たっぷりだった学校からの連絡に

「教師という立場も大変ですね。私どもの

介護の仕事同様、人様の話を冷静に聞き

自分のおもいを相手に伝えるのは

難しいですもんね。先生が生徒を導くのは

素晴らしいですし、その生徒の親に

あなたの伝えたいことは分かりました。

こちらで働いている佐伯(さえき)は

今、娘さんの入院で休んでますので

しばらく学校には行けないと思いますので

また、本人に必要であればそちらに

連絡するように促(うなが)してみますね。」と

電話を切ったあと、パートさんたちの

拍手が送られたそうだ。

(威圧的な先生はどんな感じだったのだろうか?)

最高な私の上司は私ににっこり笑って

くれていた。

最高の上司に丁寧にお茶でも淹れたいくらいだわ。 

私が席をはずしている時にも、何度か

かかってきたらしく、市民病院にいる事や、

学校関連の資料など上司が良ければ預かる事や、

仕事場への郵送の事とかまで、威圧的な

教頭に淡々と色々言ってくれたそうだ。

上司から話を聞いた時には、

目が笑っていないのに、口角が

上がったまま淡々と話す上司を

想像してしまった。

思わず背筋を伸ばしてしまった。

たまに、ヤンチャな家族様や親族様が

押しかけてくる時があるのだ。

私はまだまだ勉強不足で、同じように

感情的になりがちだが、場数をふんだ

私の上司は素晴らしい人だった。

高齢者マンションに住んでいる利用者様たちは

年金暮らしだけど、ある程度小金持ち。

そのお金目当てに群がる、親族と名乗る

ヤンチャなお方たちの対処に

上司はある意味、慣れていた。

頼りになる上司です。

私はいい職場にいい仲間に恵まれてます。

他のパートさんたちの中には、

学年は違うものの同じ小学校に通う

子どももいたので、"こころ"の

学校からのプリントなどもらって

きてあげるとまで、言ってくれたのだった。

ありがとう。本当にありがとう。

感謝します。

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