第4話
娘の"こころ"は、アトピー性皮膚炎かもしれない?
かゆみを伴う、肌荒れや乾燥したお肌、
目のまわりは、痛々しいほどのただれがあった。
小学校に上がる少し前から、ほっぺや
下あごに赤みを帯びたにきびができていた。
少し値段が高い、にきび用の洗顔などを使い
色々試したが、あまり効果は出来なかった。
後から思えば、これも前兆だったんだと思えた。
数ミリの盛り上がったできもの(血管線維腫)。
おでこや顎のあたりに、生まれたときから
赤茶色のシミがあり、成長とともに
盛り上がってきたのだった。
正確な診断名はその当時知らなかった。
だから気休めの洗顔、時にはニキビ用の
市販の塗り薬、風邪をひいたときに
一緒に処方してもらった皮膚の炎症を
抑えるステロイドの塗り薬、
それらで、なんとか症状を抑えていた。
毎年の年末年始、除夜の鐘を聞いた後
初詣でには、娘の健康とお肌がきれいに
なります様にと神頼みした。
またまた、母親失格の私は見逃してしまった。
娘が、登校拒否になった。
最初は、頭が痛い、体が痒くて痛いと言い
アトピー性皮膚炎だし、痛がゆいよねーと
娘を心配しながらも内職と、仕事に
出かけていった。
夏休み明けからわずか2日間学校に
行っただけで登校拒否約1ヶ月目、
職場に一本の電話。
小学校の教頭からの電話。
なぜ、子どもを学校に来させないのか?とか
身体の不調を伝えたところ、そんなのは
子どもの言い訳だろう!という
上から目線の教頭独自の意見を
述べられるだけだった。
介護の仕事中、自分の担当している
利用者様の時間をその教頭の
上から目線のお説教を聞きたくなかった
のもあり、腹を立てながらも
ほとんど聞き流し電話を切った。
家に帰ったら、"こころ"と話そうと
思いその日の仕事をこなしていた。
なんだかドッと疲れた気がした。
夜、娘は37.8℃の熱を出した。
そばかすの様に広がってた娘の顔の
ニキビは、頭の所々にもあった。
いつもの小児科での診察。
「一度大きな病院で調べませんか?」
との先生の一言で、翌日、紹介状を
持って赤ちゃんの頃行った市民病院に行った。
その当時、仕事場での私の立場も
中堅クラスになり、連絡をとりやすく
する為、携帯電話を持たされたのだった。
初めての携帯電話に緊張しながら
職場に連絡した。
たまに在宅介護も、"応援"という形で
急遽休んだ人の代わりに行っていたこともあり
かなり優遇されていた。
経験、年数に応じて職員、介護士たちには、
1か月千円ほどで電動自転車や、
スクーターなどもレンタルされていた。
私は中堅クラスだからなのか
電動自転車を、無料で貸してくれていた。
熱が出ている体調不良の娘を、
電動自転車の荷台に座布団を敷き
毛布に包んだ娘を乗せた。
腰に手を回していた娘の手は
熱と肌荒れて熱くてカサカサだった。
電動自転車で約30分の市民病院、
病院に着いた頃には、よく頑張っていた
娘もかなりぐったりしていた。
散在性小白斑、紙吹雪のような皮膚病変。
歯のエナメル質の多発性小腔。
歯の小さな陥凹。
当てはまりすぎた病状。
娘の顔や身体のあちこちに、赤みを帯びた
ニキビや、夏ならではの汗疹(あせも)のような
ぶつぶつができていた。
そして、その合間にかさぶたが取れたから
出来たんだと思っていた、白い跡や白班。
そして、母子家庭で貧乏だったからか
食べ物も質素だったために、娘も
小柄でカルシウムが足りなかったのかと
思っていた。娘の歯の表面がガタガタだった。
それらの症状を見た小児科の先生が
市民病院を紹介してくれたのだった。
診断名
結節性(けっせつせい)硬化症(こうかしょう)
遺伝性の希少疾病で、脳、皮膚、腎、肺などの
全身の種々の臓器に腫瘍性病変を生ずる疾患です。
医療費、入院の手続き、さまざまな資料を
目の前に一つ一つ丁寧に説明してくれた
病院の先生やスタッフさんたちに
感謝しながら、書類を仕上げていった。
(私のせいで……私がこの子を
弱く産んでしまった、ごめんなさい。)
レントゲンやエコー検査、CT、MRIなどで
確認するため、約1週間の入院予定だった。
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