第23話 魔境へ到着


 投稿が遅くなり申し訳ありません。

 投稿の予約をするのを忘れておりました。


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「早速明日、魔境へ行ってみようと思うんだけど二人はどうする?」


「いいんじゃないか。そもそも魔境が目的で来たのだから」


「うん、折角パーティーも組むことになったんだから一緒に行こうよ」


 赤熊亭の1階にある食堂。

 そこで夕食を食べながら、翌日の予定についてトムとエミリーと話しあっていた。


 とりあえずスマホのこと等については、必要に応じて徐々に話していこうと思う。

 全ての機能をわざわざ教える必要はないとは思うが、【アイテム】の収納機能なんかは教えてしまった方が便利だからな。


「そういえばパーティーを組むなら冒険者ギルドでパーティー登録をしたりする必要はあるのか?」


「別にしなくても問題はないんだけど、パーティーじゃないと受けられない依頼なんかもあるから登録しておいた方がいいみたいだよ」


「なるほど。じゃあパーティー登録はするとして、パーティー名とリーダーは決めておく必要があるよな」


「うん、そうだね。パーティー名はまだ思いつかないけど、リーダーはお兄ちゃんは自分勝手で任せられないから、アタルにお願いしたいんだけどどうかな?」


「アタルなら俺も異論はない」


「えっ、俺?」


 う~ん、エミリーに誘われて思わずパーティーを組むことを承諾してしまったけど、そもそも俺が冒険者になったのってお金を稼ぐのに都合が良かったり、ギルドカードが身分証代わりになるからってだけで、冒険者として本格的に活動するつもりはなかったんだよな。

 魔境に来たのも興味があったから来ただけだし。

 そんな俺がリーダーを務めるのはどうかと思うが、トムはリーダーには向かなそうだし、エミリーに押し付けるのもな……

 まあ、エミリー達はサフロスの花が目的みたいだし、とりあえずサフロスの花を入手するか、購入資金が貯まるまでは微力ながら協力するとしますか。

 その後、二人が冒険者として上を目指したいのであれば、方向性の違いってことでパーティーを解散すればいいだろう。


 そう考えた俺はリーダーになることを了承したが、よくよく考えてみると俺は未だに冒険者ギルドで依頼を受けたことがないという事実に気付いてしまった。


「今更なんだが、俺ってギルドで依頼を受けたことがないし、G級なんだがリーダーでいいのか?」


「いいんじゃないか。別に依頼は誰でも受理できるし、パーティーランクもパーティーメンバーの中で最も高い者のランクが反映されるだけだからな」


「それにどんな依頼があるのか冒険者ギルドに見に行く必要があるから、その時に依頼の受け方を教えてあげるよ」


「悪いけどよろしく頼むよ」


 その後はパーティー名について候補を出しあったり、魔物と戦闘になった際の役割や準備しておく必要があるもの等について話し合ったりして過ごした。

 

 夕食後、俺は自室でに戻ると【女神の楽園】を起動。


【冒険】で入手したアイテムが増加していることや今後トム達と一緒に行動することで荷物や入手アイテムが増えることを想定し、なけなしの魔結晶300個を使用し、【アイテム】の収納枠を15枠拡張し、最大収納数を50枠まで拡張した。


 色々な【ミッション】や毎日コツコツ【デイリーミッション】をクリアすることで魔結晶を貯めてきたが、また使用してしまったことで残りは1850個。

 できれば、また【召喚】を行いたいが、1回召喚を行うには500個もの魔結晶を消費してしまうし、後々、期間限定ものや一定数の魔結晶を消費することでレアなアイテム等が確定で当たる天井なんかが実装されるかもしれないと思うと勿体なくて使えない。

 とりあえず、ガチャを引きたいという欲求はデイリー召喚で我慢するしかないな。

 

 そう思い、いつものように【デイリー召喚】を行うと☆2《洗濯》スキルを入手。


「おぉ、《洗濯》スキルか!」

 

 このスキルがあれば汚れを綺麗に落とせるってモーケルさんが言っていたから地味に嬉しいな。

 どのくらい効果があるかは今度試すとして、そういえばこの世界の人達はどうやって自分のスキルを知るんだろうか?

 多分、《鑑定》スキルみたいなのがあるんだろうが、明日トム達に聞いてみるか。

 ついでにトム達もスキルを所持しているのか聞いてみるとしよう。

 

 デイリー召喚を終えた後は、いつものように【冒険】、【仕事】、デイリーミッションを達成させたりした後、スキルの熟練度上げをして就寝した。


 ……翌朝。


 宿で朝食を終えた後、三人で冒険者ギルドに向かい、どんな依頼があるのか等を確認。

 パーティー登録については、パーティー名がまだ決まっていないので保留とした。

 

 依頼については、俺のG級、トム達のF級で受けられる依頼は魔境外周部での薬草採取や脅威度2以下の魔物の間引き等、常時依頼しか張り出されていなかったので、依頼の受理方法については後日教わることにしてとりあえず魔境へ向かうことに。

 

 俺たちの他にも多くの冒険者が徒歩や馬、馬車なんかで魔境へ向かっており、道中での魔物との戦闘や道に迷う心配はなさそうであった。


 なので魔境への道すがら、昨日疑問に思ったスキルのことについてトム達に聞いてみた。

 

 すると所持スキルについては、教会にスキルを確認できる魔導具が設置されているらしく、気持ちばかりのお布施支払うだけで調べてもらえるらしい。

 それとスキルは生まれた時から取得している先天的なものと、技能を上げることで習得することができる後天的なものがあるとのこと。

 前者でいえばエルフが生まれつき取得している【精霊魔法】みたいな種族固有のスキル、後者だと剣を振り続けることで【剣術】スキルを覚えたりすることができるらしい。


 他人にスキルを聞くのはマナー違反だと言うことであるが、パーティーメンバーにだということでトムとエミリーは快く所持スキルを教えてくれた。


 まず、トムのスキルは《身体能力up》と《剣術》、《体術》の3つ。

《身体能力up》は筋力や持久力、反射神経等、各種能力が満遍なく上昇するとのこと。

 先天的にこのスキルを所持していたこともあり、冒険者になることにしたらしい。

 戦闘向きのスキルが揃っているので、きっとこれからも活躍してくれるに違いない。


 次にエミリーは《栽培》と《料理》、《洗濯》、《掃除》の4つであった。

 先天的スキルが《栽培》で作物等の成長促進や品質上昇効果があるらしい。

 実家に住んでいたときは畑仕事を手伝っていたらしく、《栽培》の効果があったかはわからないがその畑で採れる野菜はどれも美味しかったとのこと。

 他の3つのスキルは家事の手伝いをしておいた証明だろうし、もし結婚したら良い奥さんになると思う。

 戦闘向けのスキルがないのは気になるが、優しいエミリーのことだから、トムと病気のお母さんのために冒険者になることにしたのだろう。


 俺もトムとエミリーに所持スキルを教えたが、《創生》だけは秘密にしておくことに。

 今は大したものを創り出せないけど、女神が使用したものと同じ力だということだし、念のため知られない方がいいだろう。


 お互いにスキルを知ることができたので、今後は俺が《隠密》を駆使して斥候、魔法や剣による遊撃役をやることに。

 トムは剣と盾による前衛。エミリーは槍による牽制役で中衛といったところか。

 できれば弓や魔法による遠距離攻撃か回復魔法が使える後衛がパーティーに欲しいが現状では難しいだろう。


 ちなみに《隠密》スキルは町中以外では常時発動していたこともあり、いつのまにかスキルレベルが2に上がっていた。

 

 効果はレベル1が半径25m以内の気配を察知だったのが、半径50m以内の気配を察知に変更。さらに、半径500m以上離れた相手から認識されないが半径400m以上離れた相手から認識されないに変更されたので、レベル1の時に比べれば、見とおしの悪い魔境ではかなり役立ちそうではある。


 それから30分程歩いただろうか。


 俺達の目の前には樹齢が何百、何千年かもわからないような巨木がいくつも生えている大森林が広がり、俺は圧倒的なスケールの大自然に目を奪われ、その場で呆然としてしまった。

 

「おい、アタル置いて行くぞ」


 俺が魔境に感動して立ち止まっていると、先を進むトムから声を掛けられ、俺は慌てて二人の後を追うのであった。


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 お読みいただきありがとうございます。

 次回更新は9/5(月)予定となります。

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