第10話【冒険】②
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ここからはできれば3日おきに1話づつ投稿したいと思います。
次回更新予定は6/17。しかし、全く話ができていないので投稿出来なかったら申し訳ありません。
それと面白かった、つまらない、どういった感想でも良いので☆で評価してもらえるとありがたいです。
面白いと言ってくれる人が多ければ頑張って短い頻度での更新をしたいと思いますし、つまらなければ面白くする努力をしたいと思いますのでよろしくお願いします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3Dモデルを操作するべく、俺は一度地下室から地上へ出ることにした。
さすがに3Dモデルを動かすには地下室は狭すぎる。
色々な操作を試すなら広い外の方が良いという判断だ。
外に出ると太陽がほとんど沈み、薄暗くなっていたことから、真っ暗になる前にさっさと操作方法等を試すことにした。
俺は3Dモデルを地上に召喚しなおすと、スマホを操作し、試しに前後左右に移動させてみた。
「「なかなか動きが滑らかだな」」
おぉ、発声機能も付いているのか!
俺が3Dモデルの動きの滑らかさに関心して感想を口に出すと、3Dモデルの口から俺が口に出した声が発せられた。
何度か試してみるとスマホのスピーカー兼マイクを通して、こちら側の声を3Dモデル側に届けるだけでなく、電話みたいに3Dモデル側の音を聴きとることもできることが判明した。
なかなか便利な機能だとは思うけど、3Dモデルの顔が無表情のままなのが多少気になってしまう。
別に3Dモデルの笑顔や泣き顔等が見たいというわけではなく、もし3Dモデルを使って他人と会話した場合、感情の起伏がないから相手に違和感を感じさせるだけでなく、本物の人間ではないことがすぐにバレてしまう気がする。
いや、別にバレても問題ないのか?
魔法やスキルがある世界なんだから、通信機能付きの遠隔操作できる人形とでも説明しておけば問題ない気もする。
発声機能という思わぬ機能に気を取られてしまったが、それよりも3Dモデルの操作方法を試すことの方が重要だと思い、引き続き色々なアクションを試してみることにした。
試しにスマホの画面右下に表示されている6つのボタンのうち《剣》のイラストが表示されているものをタップすると、3Dモデルが右手に持っている剣を振り下ろした。
これは攻撃ボタンだな。
とすると、この《盾》のイラストは防御で《上矢印》のイラストがジャンプ、《円矢印》が回避かな?
それぞれのボタンをタップしてみると俺が思ったとおりの内容であり、防御の構えやジャンプ、バックステップでの回避動作を行なったりした。
他の二つのボタンは剣を突いたり、横薙ぎしているイラストが表示されていたことから攻撃ボタンとは別の攻撃手段であることはわかったが、実際にどのようなアクションをするかはわからなかったので試しにタップしてみると突きによる突進攻撃と横薙ぎによる範囲攻撃であることがわかった。
その他にも色々とボタンの組み合わせを試してみると、連続攻撃やジャンプ攻撃、ダッシュ回避等、色々な攻撃手段や防御手段等があることがわかった。
ボタンをタップするたびに目の前で色々なアクションを行う3Dモデルの動きは迫力があり見応えがあった。
これはすごいな!
できれば戦闘も試してみたいけど、近くに魔物はいなさそうだし、もう暗くなってしまったからまたの機会にするか……
いつのまにか太陽が地平線の彼方に沈み、周囲が暗くなってしまったことから魔物との戦闘は諦めて地下室に戻ることにした。
スタミナを確認すると《スタミナ:30》となっており、まだ30分は遊べるので、ついでに《2D》モードも試そうと思い、地下室に戻ると
すると、スマホの画面にワールドマップ的な地図が表示され、その地図上にピンアイコンが1個設置されていたことから、どんなアイコンなのか確かめるためにタップしてみると《ハピゴラ大草原》というエリア名が表示された。
その他にはそのエリアで遭遇する主な魔物や採取物が表示されていたが、まだ魔物と遭遇したり、素材を採取したりしていないためか全て《???》と表示されており、どんな魔物や素材があるかはわからない状態であった。
地図の大きさ的には他にも色々なエリアがありそうだけど、今のところは《ハピゴラ大草原》しか表示されていなかったので、とりあえずそこを選択すると、画面が切り替わり俺が今いるような草原が画面に映し出されていた。
おぉー、すごいリアルだな!
《2D》は仮想世界ってことだけど画質がハンパないな。
風に揺れる草花の動きや太陽光の当たり方等の光の表現が本物にしか見えず、仮想空間と言われなければ実写と勘違いしていたと思う。
画面が一人称視点になっていたので、オプションから個人的に操作がしやすい三人称視点に切り替えると、早速エリア内を探索してみることにした。
他のゲームだと、エリア内に存在するボスを討伐するか、何か特別なキーアイテムを入手したり、エリアを踏破すること等で新しいエリアが解放されたりするけど、このゲームだとどうだろうか?
キャラクターの操作方法は《3D》と変わらなかったので、そんなことを考えながら探索を進めると、青白い光を放つ草を見つけた。
おっ、採取アイテムか!
チュートリアルで採取できるアイテムは青白く光ると説明があったから間違いないだろう。
最初のエリアな上にその辺で簡単に入手できるアイテムなのだから大したものではないとわかるが、入手したアイテムを現実でも使うことができることを考えると何が入手できるか非常に興味深かった。
どうせなら食べ物がいいけど、見た目が草だから多分違うだろう。
3Dモデルをその草に近づけると《採取》のコマンドが出たのでボタンをタップすると☆2《ゲンキデ草》というアイテムを1個入手することができた。
☆2はレア度だよな。
それとゲンキデ草って名称は『元気出そう』ってことだよな。
とすると回復系の薬草か? 安易なネーミングな気がするけど、名称からアイテムの効果がある程度推測できるからわかりやすくていいな。
入手したゲンキデ草の説明を確認してみると『回復ポーションの材料のひとつ。噛むと元気になるかも?』となっていた。
ふうん、ポーションの材料になるのか。
ポーションの作り方はわからないけど、役立ちそうだから入手したらできるだけストックしておくか。
『噛むと元気になるかも?』ってなっているのが気になるから、1本は試しに噛んでみたいけどな。
とりあえず、他にも色々なアイテムがあるはずだから探索を進めるか。
探索を再開すると《ゲンキデ草》を追加で3本入手した他に《アマ草》、《カラ草》、《ニガ草》というアイテムを入手することができたが、《ゲンキデ草》と同じようにレア度は全て☆2であった。
それぞれの効果は名前のとおり、それぞれ噛むと甘い、辛い、苦いとなっており、それ以外には何の効果もなかった。
薬味くらいには使えるかもしれないが、アイテムの所持数にも限界があるから味見した後は廃棄予定である。
それにしても草原というだけあって草系のアイテムが多いな。
それに思った以上に至るところにアイテムがあるから、採取に夢中になってしまい探索がなかなか進まない。
スタミナもあと10もないから、もう少し奥まで探索したら今日はおしまいかな。
そんなことを考えながら3Dモデルを移動させていると少し離れた場所にある草の茂みがガサガサと動いているのに気付いた。
うん? 小動物にしては草の揺れが大きいけど、もしかして魔物か!
俺がどんな生物が茂みから出てくるのかわくわくしながら待っていると、そいつが茂みの中から姿を現した。
体長は大型犬くらいだろうか。体はもこもこの茶色の毛皮で覆われ、大きなつぶらな目を持ち、四足歩行の足のうち後ろ足は前足に比べて数倍以上の大きさがあり脚力がすごそうに思えた。
その生物の何よりの特徴は頭から生える2本の長い耳であり、その聴力は数十m先の音も聞き逃さないだろう。
一体どんな生物何だと思うかもしれないが、皆さんご存知のあの動物である。
そう、ウサギだ。
ただし、かなり巨大であるという点を除けばであるが。
巨大ウサギはこちらに気付いたのか、後ろ足で地面を踏み鳴らすスタンピングという行動を行い、こちらをジーッと見つめてきた。
たしか、スタンピングは怒ったり、警戒している時にする行動だったはずだから臨戦態勢ってところか。
しかし、このウサギは俺が知っているウサギよりかなり大きいけど魔物なのか?
もしかすると巨大なだけで見た目はウサギそのものだから普通の動物なのかもしれないが、俺に敵意を示すならしょうがない。
かわいそうだが俺の糧としてくれようじゃないか。
こうして、俺と巨大ウサギとの戦いの火蓋が切られるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます