第6話 10連無料召喚②

 俺は引き続き、残りの当選アイテムである

 

 ☆3 《回復ポーション》

 ☆3 《マカポーション》

 ☆3 《魔力up(中)》

 ☆4 《土魔法》

 ☆4 《水魔法》

 ☆4 《マジックリング》

 ☆5 《隠密》

 ☆6 《霊薬エリクシル》


について確認することにした。


 まず、☆3《回復ポーション》はガラス製の丸底フラスコに入った緑色の液体であり、説明文を読むと『数種類の薬草を調合して作成された薬品。容量200ml。飲んだり、傷口にかけたりすることで怪我が治る。使用量に応じて回復効果上昇。軽い切り傷や擦り傷、打撲等に効果があるが、重傷には効果なし。飲むと苦い』と書かれており、実物を見ると栄養ドリンク位の大きさであり、青汁のような液体がフラスコ内で揺らめいていた。


 うん、苦いって書いてあるから、基本的には飲むのは無しだな。

 もしかすると飲んだ方が効果があるのかもしれないけど、その辺はそのうち誰かに聞けばいいだろう。


 そう考え、次に☆3《マカポーション》について確認すると、回復ポーションとの違いは液体が青色であることと、飲まなきゃ効果がないこと、効果が魔力が回復することの3点であった。


 回復ポーションを飲まないと決めたばかりなのに、飲まなきゃ効果がないポーションを入手してしまうとは……

 

 もちろん味は苦いみたいなので、できれば使用したくないが、実用性は高そうなのでそのうち飲むことになるのは確実であろう。

 ちなみにマカポーションという名称は、魔力回復という文字を魔力=マ、回復=カと略して、マカポーションという名称になったらしい。


 ☆3《魔力up(中)》はそのままの効果で自分の魔力が増加するらしい。

 早速習得してみたが、残っていた倦怠感がなくなり、どの位増加したかは判然としないが、確かに自分の魔力が増えた気がした。

 しかし、《○○up》系のスキルだけかはわからないが、《創生》や《解体》スキルと違ってスキルレベルは無かった。


 そして、次に確認するのはいよいよ魔法である。

 

 子どもの頃にマンガやゲーム等に影響されて使えるようにならないか夢みたものだが、あくまで空想上のものであり、現実では使えないと知ってショックを受けたものだ。

 できないと頭では理解していても、何度「ファイア」、「サンダー」等と手を突き出して唱えてみたり、体に無駄に力を込めてみて俺の体の中に眠った力がないか確認したものである。

 まあ、今となっては黒歴史でしかないんだけどな。

 しかし、そんな魔法が現実で実際に使えるようになる日が来るとは……

 

 そんな思い出に耽りながら、俺はまず☆4《土魔法》を確認することにした。

 説明文を読むと、『土、砂、石、金属等を生成したり、操作できる。土質や数、大きさに応じて魔力を消費。詠唱は不要。イメージに応じた事象が生じる』と書かれており、スキルレベルによる効果は

 

 Lv.1 砂.土を操作できる。消費魔力減少(微up)

 Lv.2 ???

 ……

 ……

 Lv.10 ???


と記載されていた。


 おぉー! 土や砂等を生成したり、操作できるっていかにも土魔法って感じだな。

 しかし、無詠唱で使えるのはありがたい。

 呪文名や詠唱を唱えてみたかった気持ちも多少あるが、どう考えても無詠唱の方が戦闘面においては便利だもんな。

 スキルレベル1だと砂や土の操作しかできないみたいだけど、それでも穴や壁は作れるだろうから防衛手段として役立ちそうだし、寝床をどうするか迷っていたが、土魔法で穴を掘って横になれるだけのスペースを確保できれば少しは安心して休めそうだ。

 まあ、穴を掘って進むような魔物がいたら終わりなんだけど、地上よりはきっとマシだろう。


 俺は早速、他のスキルの時と同様にダミーブックとなっていた本を開き、【習得】ボタンを押して《土魔法》を習得した。


 よし! これで土魔法が使える筈だな!

 まずは土壁でも作ってみるか。

 あまり大きく作りすぎると魔力の消費が激しそうだから、壁と言っていいのかわからないが、30×30cmの小さなものにしておこう。


 俺は目の前の地面から土壁が隆起するイメージをすると、目の前の地面が隆起して思ったとおりの大きさの土壁ができた。


 おぉー! 本当に出来た!!

 しかし、イメージするだけで使えるから簡単でいいな。

 それに、土が隆起した時に魔力が体から抜けていく感じがしたけど、《創生》の時と比べると全然消費された気がしないから使い勝手が良さそうだ。

 そのうち、スキルレベルが上がったら、「ストーンバレット」と言いながら石礫を飛ばしたり、「ストーンパイル」と言って地面から岩の杭を出したり等と色々な土魔法を試してみたいな。

 今の段階でできそうなことも色々と試しておきたいが、魔力温存のために後にしておこう。

 

 土魔法の確認を終えると、次に《水魔法》の確認をすることにした。

 説明文を読むと《水を生成したり、操作できる。水質、量、出力、操作時間等に応じて魔力を消費。詠唱は不要。イメージに応じた事象が生じる』と書かれており、スキルレベルによる効果は


 Lv.1 水を操作できる。消費魔力減少(微up)

 Lv.2 ???

 ……

 ……

 Lv.10 ???


となっていた。


《土魔法》を習得したように、ささっと《水魔法》を取得するとさっそく《水魔法》を試してみることにした。


 今は操作しかできないみたいだが、説明文に記載されているからそのうち水自体も作り出せるようになるんだろうな。

 そうなれば飲み水には困らなそうでありがたい。

 性質も変えられるようにもなるみたいだから、そのうち砂糖水や塩水なんかも作れるようになれば、塩分や糖分の補給にも困らないかもしれないな。

 まあ、《創生》スキルで砂糖や塩はそのうち創れると思うから不要かもしれないが。

 他には、温泉みたいな水質に変化させることができたら毎日温泉に浸かれて最高かもしれない。

 後は戦闘面でいえば、ウォーターカッターみたいなことができれば文句なしだな。

 もし、土魔法と併用して使えるのであれば、研磨材みたいなものを混ぜて高出力で放水すれば何でも切断できそうだ。


 色々と妄想してみたが、今は結局操作しかできないことから試しにペットボトルの水をいじってみることにした。


 さてさて、上手いこと操作でいるといいんだが……


 試しにペットボトル内の水をぐるぐると棒でかき混ぜるようなイメージをすると、ペットボトル内の水が動き出し、小さな渦巻きが発生した。


 おぉ、土魔法みたいに思ったとおりに操作できるんだな。

 魔力もこれ位なら全然消費されてる気がしないな。

 なら、これはどうだろうか。


 噴水のように水を噴出させるイメージをすると、ペットボトル内の水が噴き上がった。


 うーん、噴出させる力が必要だったからか、さっきよりは魔力の消費は大きいか?

 少量の水を操作しているだけでは、あまり違いがわからないな……

 そのうち、水がたくさんある川や湖なんかで試すとするか。


 いや~、それにしても自分で魔法が使えるって楽しいな!

 この調子で他の魔法も取得したいものだ。

 しかし、このまま魔法を使って楽しみたいが、今はアイテムとスキルの確認が優先だよな。

 次は☆4《マジックリング》か。


 見た目は何の変哲もない銀の指輪だが、説明文によると《消費魔力削減》、《形状変化》が付与されている魔導具で、魔法やスキル等を使用した際に消費する魔力を5%削減でき、更に指にはめれば自動的にその指にフィットする仕組みとのことだ。


 おぉー! 地味にありがたい効果だな。

 これがあれば魔法やスキルも多少使いやすくなりそうだ。

 それに自動的にフィットする仕組みは便利だな。

 

 しかし、どの指にはめておくべきか……

 日本では指輪ははめる指によって意味が違ったと思うが、異世界にもそんな風習はあるのか?

 まあ、俺が知っている知識は既婚者が左手の薬指にはめているイメージしかないんだけどな。

 とりあえず右手は剣を握る際に邪魔になりそうだから、左手の小指でいいかな?

 へんな意味じゃないといいんだが……


 とりあえず、《マジックリング》の効果はありがたいので、左手の小指に装着すると、残りの☆5《隠密》、☆6《霊薬エリクシル》の効果を確認するのであった。

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