秘密
私の家は朝が早い。
祖母と祖父の私の三人暮らし。
今日も朝6時には目覚め、祖母が準備してくれた朝食に着く。
私に合わせてくれた朝食を食べる。
今日は、クロワッサンとベーコンエッグ。
コーヒーは飲めないので、紅茶を飲む。朝食を食べながら、頭は昨日読んだ手紙の内容が頭から離れない。
「どんな人形なんだろう」
独り言を呟き、食事を済ませると、食器を洗った。
今朝は祖父も祖母も母が入院している病院へ行き、家には私一人だった。母とは物心つくぐらいの時に、私が会いたいと泣いて会った。
初めて会った母は怖かった。怖過ぎて、もう二度と会いたいとは言わなくなった。
荷物を用意して、家を出た。バックの中の手紙を確認する。
手紙の住所の家は、すぐに見つかった。
白いお屋敷。
古いお屋敷だったが、それが一層、歴史を感じさせ、高級感があった。
呼び鈴を押すとドアが開いた。
出てきた人は女性だった。50代ぐらいだろうか。髪は一つに纏められ、後れ毛もないくらいきちんと纏められ、きちんとした性格がうかがわれた。
そしてその女性は、私の姿を見ると、目を見張ったのが分かった。
明らかに私の知らない人だった。
「あなたが、みのりさんですね。はじめまして」
「はい。こんにちは。手紙を読みました。突然、伺ってすみません」
私は慌てて、その女性にぎこちない笑顔で言った。その女性は、少し笑って首を振った。
「いえ、お会いできて、嬉しいわ。さあ、どうぞ」
そう言って、彼女は家に招きいれた。
私は遠慮しながらも、家に入った。正直、手紙を見て自分から訪ねたとはいえ、怖いという思いもあった。
しかし、父の死の真相と母との真実が知りたい気持ちの方が勝っていた。
それから告げられる真実はそのときの私には想像も出来ないものだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます