『アクつよドラゴン、暗黒騎士を騙る』
第90話 ダンジョン探索中の暗黒騎士
そこはダンジョンである、景色を説明するならそこは豊かな自然の森と美しい海の世界を掛け合わせた様な世界だった。
回りを満たすのは日の光、深緑の木々が風に揺れる、そして何故が色とりどりのサンゴ礁や海でもないのに揺らめくこれまた色とりどりの海草みたいな植物が自生していた。
無論ここは島のダンジョンなので海の中とかではない、多分海洋的な雰囲気のダンジョンなんだろうねと思う私だ。
そんな場所を私は進んでいた、姿は黒髪黒目の女の子、装備はドラゴンライダーから少し変化して露出補正を食らった黒鎧装備である。
他のコスプレ装備よりかはまだ幾らかマシな露出補正なのでこれで我慢してる私だ、無論普通の装備もアイテムボックス内にあるにはあるのだが、このダンジョン……露出補正食らってない装備をしているとダンジョンでの宝箱との遭遇率が格段に下がるのである。
名も知らぬこのダンジョンのドスケベダンジョンマスターめ。直に会ったら覚えていなさいなっと心の中にストレスをチャージするドラゴンガールである。
そして現在私はひとりで行動していた。理由は特にない、チワ達と一緒にいるときもあればソロの時もあるってだけである。ずっと一緒だと私がドラゴンライダーのアークさんだとバレる可能性があるのでたまにパーティーを組む程度の関係で抑えていた。
そう、私はまだ自身の素性を秘密にしていた。
こちらも理由は特にない、ただなんとなくである。しかし言うタイミングの逃すとそのままズルズルと行ってしまう時ってあるよね、今回がまさにそれだ。
私と就活軍団がコスプレイヤーのベースキャンプに辿り着いてから既に一週間以上が経過していた。
しかし未だに我々はたいして深くもない階層をうろつくだけである。
理由はまああの腐れ就活軍団にあるのだが、それまた後にしよう。
ここはダンジョンだ、敵さんが現れた。
森の木々を蹴散らして現れたのは黄緑色の肌をした一つ目の巨人、サイクロプスだった。
このダンジョンのモンスターである、身長は十メートルくらいはあるだろう、そしてスピードもパワーもあるモンスターである。
「グォオオオーーーーーーーーッ!」
「元気なのは多いに結構です……ねっ!」
こちらを視認すると同時に突撃してくるサイクロプス、私はアイテムボックスから一本の剣を取り出した。
そう、現在の私は暗黒騎士を騙っている。そして暗黒騎士が素手で戦うなんてゲームとかじゃイメージ的に有り得ない。
そこで私も剣を手にして戦うスタイルにシフトチェンジしてみることにした、まあ遊び半分だが。
こちらに来たサイクロプスは足元の私を攻撃してくる、先ずは足を使って蹴り攻撃だ。ヤクザキックである、それを後ろに飛んで躱す。
次にサイクロプスは近くの岩を蹴り飛ばしてきました、回りの物を武器にするあたり頭もけして獣並みと言う訳ではなさそうである。
飛んでくる岩を躱す、サイクロプスが生えている木を引っこ抜いて武器として振るってた。
私が手にする剣、赤黒い刀身を持つ禍々しい感じの片手剣だ。コイツを振るいサイクロプスの手にする木とぶつけました、消し飛んだのは向こうの木のみ。渾身の一撃だったのかサイクロプスの身体は木が消し飛んだ衝撃で大きく体勢を崩している。
「これで、お終いですね」
剣を悠然と構え、突きを放つ。
サイクロプスの胸元に大きな風穴が空く、倒れ伏すサイクロプス。残念ながら勝負にはなりませんでしたな~。
「しかし私に挑んだ蛮勇は褒めてあげましょう」
どれだけ上からの立場だ話してるのかと言うと最強ドラゴンさんとしての立場からである。
本来ならサイクロプスの素材とかも回収したい所なんだけど、解体とか苦手な私は全て無視である。
まだ今日はダンジョンで宝箱を発見してないので一つは成果を持ち帰りたい、そこでまだ探索を続けようとしたのだけど。
ん? よく見ると倒れたサイクロプスの直ぐ横に何故か宝箱があるではないか。
なんてね、実はこのダンジョン。女性がダンジョンモンスターの解体とかで服が汚れるのを気にしてか、モンスターを倒すと宝箱がいつの間にか出現するシステムになっている。
何処までも女性優遇のダンジョンですな、しかし持ち帰りもし易く。回収するのにも汚れない宝箱だけを基本的にここで探索する女性冒険者は回収してる、それがこのダンジョンのスタンダードスタイルなのだ。
アイテムボックスに禍々しい剣を放り込んで、私もそのスタイルに倣って宝箱を回収。鑑定は低価格でベースキャンプにいる商人にしてもらえば良いのだ。
しかしこの宝箱、実はたまに罠が仕掛けられてる時もあるのでここで一度開けてくるようにとその鑑定してくれる商人に釘を刺されてるのが私である。
仕方ないので宝箱をチョップ、あっ宝箱の金具が壊れてしまいましたね。まあいいや、開けてみるとそれと同時に宝箱から稲妻が発生する。
雷魔法のトラップがあったようだ、まあそんなの私には効かないけど。
中身を見てみるとこれまたコスプレ装備一式であった、それもあぶない水着装備。
まあ誰かに装備させるのであれば当たり、自分が装備するとかならハズレな装備ですな。
さてっお宝も回収したのでやっぱり帰る事にしましょうかね。
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