第4話 幼女転生~えっ? 忌み子って何ですか?~

 ないわ~、本当にないわ~。


 目はロクに見えないんだけれど、最初にマイマザーと目が合った時に泣かれたのよ。 それも豪快に。


「ちゃんと産んであげられなくてゴメンナサイ」だってさ。


 何のことだか、さっぱり分からなかったんだけど、ちょくちょく聞こえてくる『み子』と言う言葉。


 これがねぇ、アカシック先生に問い合わせた所、黒目黒髪のことらしい。


 しかも、辺境伯もマイマザーも立派な白色人種なので、かすりもしない。


 まあ原因はね、女神様って言うか私って言うか。 どうやらブラックドラゴン由来の因子らしい。


 この世界のブラックドラゴンは、皮膚などから日光を吸収する様に、大気中のマナを吸収するらしい。


 マナって電磁波か何かなのかな?


 で、ブラックドラゴンは、この世界でも最大級の魔力を保持し、行使することが出来るらしい。


 はっ、はつ、はつ。 これで私は、世界最強の魔法使いになることが運命づけられたな!


 ちなみに魔術は体系付けられた魔法のことであり、魔術を使う者を魔導士というらしい。


 魔法使いは魔術も魔法も両方使うから、その気になれば、ドラゴンブレスも再現出来るんだってさ。


 って、そうじゃない。 今は捨てられそうで、絶体絶命なのよ!!


 黒目黒髪で不義の子って疑われているし、そもそも『忌み子』なんだよ。


 不幸を呼び込むんじゃないかって、使用人仲間からも気味悪がられるし、最悪だよ!


 それに言うに事欠いて、「そこら辺に放置すれば、魔物が勝手に処理してくれるよ」って言ったお前、マイマザーが真剣に思い悩んでいるじゃないかっ!


 捨てたりしないよね? マイマザー。 どうして、そんな悲しい目で見るの?


 ねぇ、どうして?


「メアリ、そろそろ決心は着いたかい?」

「うっ、うっ、…でも…」

「私達だって、非道なことはしたくないんだ」

「はい…」

「忌み子をかうまっているのが旦那様にバレたら、私達だってどうなることやら…」


 おい! 妙な説得はヤメロ! おもいっきし、御為おためごかしじゃねーか!


「メアリ、お前の事を思って言っているんだ。 親子そろって魔の森に追放されても良いのかい?」

「でっ、でも…、この子は産まれたばかりで…」

「逆に考えようじゃないか。 今はまだ、そこまでじょうが入っていない。 違うかい、メアリ?」

「でも、私が産んで…」

「そうまでして、忌み子の親になりたいのかい?」

「私、私は…」


 ヤーメーロー!! 乳飲み子を遺棄するとか、殺害と変わんねーだろ!!


「さぁ、その子を渡すんだ。 後は私が処理しておくから」

「せっ、せめて最後に乳を与えさせて下さい…」

「これで最後にするんだよ。 ぐに連れていくからね」

「はい…」


 つ、んだ…。





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