第5話 コードネーム

序盤、少しネタに走りすぎました。


あまりポ○モンを知らない人に解説します!


ピン○レンズ→技の命中率を上げる


こだわ○スカーフ→特殊攻撃の威力を1.5倍にする。


気合いの○ちまき→一回だけ、瀕死になるはずの攻撃をHP1を残して生き残る。


星の砂→ポ○モンの回避率を上げる。つまり相手の技が当たりにくくなる。


リーフブレード→くさタイプの技、急所に当たりやすい


バトンタッチ→ポ○モンが受けた効果を次のポケモンにも引き継ぐ技


あまごい→5ターンの間、雨を降らせる、その間電気技は十割で当たり、水タイプの技は1.5倍になる。


アクアリング、水タイプの技→毎ターンHP回復


冷凍ビーム、氷タイプの技→たまに相手を氷状態にする。


カミナリ、電気タイプの技→威力は高いが、命中率は70%と低くなっている。


めざパ、もとい、めざめるパワー ポ○モンに技のタイプが変わる技、 最近流行りのア○セウスにはほぼほぼ登場しない


めいそう→特高と特防を一段階上げる技


あられ→天候をあられ、氷タイプ以外のポケモンはダメージをうける


ゆきがくれ→この特性を持っているポケモンは天候があられの時、回避率が上がる。


ブイズ統一バトル→イ○ブイと、その進化系だけで勝負をすること。

_____________________________________________

 おかまがニヤニヤしながら近づいてきるので、おかまが一歩こっちにくると一歩後ろに下がってしまう。

「な、な、なんですか?」

「見たらわかるでしょおー、イイコトがあったのよ」

 やけにイイコトを強調してくるおかまに怖気おぞけを覚えた。自分がおかまからジリジリと距離を詰められているのに、聖女こと与羽ルカと電脳天使の透少年はソファーに座って忍々天堂のSwitchでブイズ統一バトルに興じている。

「僕は、リ○フィアにピン○レンズ持たしてるのだ!リーブレードでシ○ワーズは一撃なのだ!!」

「どうでしょう、ここで私はアクアリングをしておきましょう、呪いを積んでいるリ○フィアなので速さはこっちが勝っているでしょうから」

「ふふん、それは悪手なのだ!大体次のターンで確実にシ○ワーズを倒せるのだ!」

 おかまが急に5歩も距離をつめてきた、急いで台風の進行方向から流れるようにおかまが進んでくる向きから右に5歩逃げた。

「そうでしょうね、アイテム無しなら」

「まさか、気合○のはちまきをつけているのだ!?」

「流石、透くん頭がいいですね」

 なるほど、リーフブレードを気合いの鉢巻きで乗り切ってアクアリングを次のポ○モンにバトンタッチで引き継ぐつもりか。やるな、自分も一度ルカさんとブイズバトルをしてみたいものだ。

 と、気が散っているうちにまたおかまに距離をつめられるだけじゃなくて、おかまの蹴りが飛んできた。すんでの所で避けると、おかまの顔のニヤニヤが深まっている。

「はい?」

「あたしを無視して、ブイズバトルに夢中とはねぇん、覚悟はできてるわよねぇん」

 おっと、怒らしてしまったようだ、でもブイズバトルの続きが気になる。シ○ワーズのアクアリングの効果音が聞こえてから、リ○フィアのリーフブレードがシ○ワーズの急所に当たる音がした。しかし、オーバーキルなはずのダメージをシ○ワーズは気合いのはちまきで1残して生き残った。

 と、油断しているとおかまから右フックが飛んできた。飛んできた右フックを頭を傾けて避けると、すかさず左のパンチが腹にめり込んだ。

「うっ」

 腹の中身が出そうになった、右フックできたから次は足でくるのかと思ったが左の腹パンチだった。

「こんなのまだまだジャブよぉん」

あれでジャブね…やはりハンターはおかしい。

 本気でやられたら腹を拳が貫通してしまううんじゃなかろうか

 腹を抑えながらも体勢を整えようとしたが、腕を取られて背負い投げされてしまった。背中がソファの背もたれの裏にぶつかり、対して痛みはなかったがソファは前に吹っ飛びかけた。

 しかし、そのことすら気づかず、二人はブイズバトルに燃えている。

「シ○ワーズ、バトンタッチ!お疲れ様でした、グ○イシア頼りにしていますよ!!」

「ぐっ、グ○イシアなのだ!?」

 特防が低い草ポけモンのリ○フィアにとって、特高が高くて氷タイプのグ○イシアは天敵と言えるだろう、待ってこれルカさんバトンタッチでブイズやってたり?いやまさかな。

「あわわ、仕方ないのだ!リーフィアあまごい!」

これでリーフィアはさよならだな、しかしリーフィアは何故、あまごいをしたのだろうか?

 「気が散っている」とおかまの地声が聞こえた。普通に男の声だった。

「あらあら、トライアというのに弱いのねぇん、あたしが一から叩き直してあげるわ!!」

 おかまの雰囲気が変わった、落ち着いてリズムのとれた呼吸音がおかまから聞こえる。

 すごい威圧感だ。

「わわっ、ギブッ!ギブです!」

そういうと、おかまは残念そうに構えを解いた。

 すごい威圧感だった、どう動いても次には身体の弱点に打撃が加えられてしまうという恐怖で体がすくむのだ。この、おかまは何なのだろうか?見た感じ体は細マッチョってかんじで肩やふくらはぎの筋力が服の上からもある程度わかるくらい発達している。

「ふふっ、あたしの体に興味があるのぉん」

と言っておかまが腰をしならせた。

「い、いえ、これぽっちもないですよ!!」

「あらあらぁ、遠慮しちゃって、かわいい子」

 夜の戸締まりはしっかりした方がいいかもしれない。襲われる気がする。

「そ、それよりその赤い封筒はなんですか?」

「あー、これねぇん、後、おじじと狂狼ちゃんと白狐の真白ちゃんがきたら中身を言うわー」

「え?、じゃあ、なんで怒ってたんですか?」

「かまってくれないからよん」

 …今後、この人とは出来るだけ関わりを持たないようにしよう…そうにのつぎは心に刻み込んだ。

「さてさて、チェックメイトですね、グレイシア冷凍ビーム!!」

「ぁぁあ、ただでさえリーフィアは特防が低いのに抜群なんかとられたら勝ち目なんてないのだ!!でもあまごいはしたまだ勝機はあるのだ!!」

リーフィアが倒された声がした。哀れな…

「よし、僕のラストは…ゆけっサンダース!自慢の速さで先制をとって…カミナリをぶつけてあわよくば麻痺にしてしまうのだ!!」

 なるほど、カミナリを必中にするためにあまごいをしたのか。

 おかまは、壁に寄りかかりながらその赤い封筒から赤い書類を出してペラペラとめくっている。

 自分の視線に気づくとウインクしてきた。

ゾッと腕に鳥肌がたった。

 何も見なかったことにして、ルカさんと透のバトルに注意を戻した。


「なるほど、そのためのあまごいだったのですね、でもそれだけじゃ私たちを倒せませんよ」

「えっ、それは…なのだ!?」

「グ○イシア、あられ! これでグ○イシアの特性、ゆきがくれが発動し、しかも持ち物は星の砂、回避率は驚異の1.3倍です」

 あられのせいで天候が雨からあられに変わりかみなりは既に必中ではなくなってしまっている。

「不味いのだ、冷凍ビームがくるのだ!サ○ダース、カミナリ」

 しかし、グ○イシアはカミナリを避けた、ん?一度カミナリをくらっているのにグ○イシアの体力は3分の1くらいしか減っていない、何故だ?

「いいえ、先程、あなたのイ○ブイのせいで命中率が一段階下がっているので、ここは安全策で行きます!めざめるパワー」

 あ、やっぱりバトンタッチでブイズバトルやってるっぽい

「めざパ…ま、まさか、抜群をとられたのだ!なんでめざパが復刻しているのだ!!ア○セウスの時はなかったのに、なのだ!!」

「でも、透くんのもサンダースめざめるパワー(氷)覚えさせてましたよね?どれくらいかかったんですか?」

 めざパ厳選、それは憧れである…自分もしようとして地獄を見た。

「そんなの、ちょっとパソコンと忍々天堂を接続してソフトの中身をいじったらちょちょいのチャイなのだ!!」

 さすがハンター厳選に時間をかけていないらしい。う、うらやましい‥後で教えてもらおう、

「そうですか、チャイ、美味しいですよねー、まぁ一ヶ月前に全国のスターグリーンティは潰れましたけどね…」

「大丈夫なのだ、京都の本部ではまだあるのだ!コーヒーもフラペチーノも無いけどものは残っているのだ!!」

「そうですね、まぁいいでしょう、それより透くんの場合、十中八九こだわ○メガネをつけているでしょうからカミナリしか打ってこないでしょう、なら90パーセント私の勝ちですね!」

 ん?例え1.3倍の回避率だとしても…今からの攻撃を全て避けきれはしないだろうし、しかもサ○ダースが絶対に先行するだろう、勝敗の行方は五分五分っていったどころではないだろうか。

「特高が1.5倍のサ○ダースのカミナリを舐めないのでほしいのだ!確2にしてやるのだ!」

「でも、私はイ○ブイで瞑想を積んでバトンタッチで特防と特高を3段階上げています。」

 うわぁ、納得。カミナリの威力が抑えられている理由がわかった。そしてもし冷凍ビームがサ○ダースに当たれば一撃だということも…

「…そういえばそうなのだ…で、でも流石に確3なはずなのだ!カミナリで麻痺れば充分いけるのだ!」

「それに、アクアリングの回復とあられによるダメージは計算に入っていますか…?」

「あ…なのだ、」


 結果、透少年はブイズバトンタッチのルカさんに敗北を喫した。

 それから、30分くらいルカさん達と先程のブイズバトルについて話していると、扉を開けて赤髪の女の人と爺が入ってきた。

「おっはー、トライアの子」

「おはようじゃ」

「おはようです、トライアじゃなくてにのつぎ途守ともりって名前があります!」

「じゃあ、あだ名がトライアね」

 何故か、呼び名がトライアで断定させられてしまう、いや、名前あるっていったじゃん!

「え?」

「はっきり言って、小僧の名前あだ名が作りにくいんじゃ」

 そんなこと、誰にも言われた記憶無いし!!

「え、そんなことないですよー、ほら、ともり、だから、とも君って呼べますよ!」

 苦し紛れの妥協案はその場にいるすべてのハンターからダメ出しを受けた。

「似合わなー」

「トモ君…ぶっ、キャラじゃないんじゃないぃ」

「ダサいぞ、小僧」

「お兄ちゃんはお兄ちゃんなのだ!!」

「トモ君、うーん、しっくりきませんね」

 ここに味方はいないのか!先輩、既に辛いんですけど!なんでこんな個性的なハンター達を選んだんですか!!答えの返ってこない不満を口の中で転がしていると背後の扉が空き、160くらいの背丈で、巫女装束を着て髪が白く、顔を白い紙で隠している女性が入ってきた。

また個性的な服装をしている。

「あ、おはようございます」

「おはよう、名前」

 な、名前?名前を言えってことか…この人圧倒的に言葉足りない感じの人っぽいな。

「に、にのつぎ途守です。」

「私、加賀 真白」

 真白はそれだけ言うとスタスタと向こうに行ってしまった、よく見ると足袋と草履を履いている。

 顔を白い紙で隠している分、服装の個性が強い。

 っていうか、助詞どこに消えた、主語、述語、すらなかったぞ、今の会話!

「よーし、やっと全員集まったわねぇん、いい加減狂狼ちゃん、寝起きよくしなさいよぉん、もう9:30よ」

 おかまが母性を見せている、おかまが赤髪に小言を言うのは、母親とその反抗期の女子高校生の関係を連想させる。

「リーダー、善処してますよ」

 でも、赤髪、おかまだけには喋り方が違う、尊敬しているのだろうか?まぁ一つ言えるのは反抗期は過ぎ去っていると言うことだけだな。

「花見月さん、おはようございます」

とルカさんが赤髪に挨拶をした。

 赤髪の名前は花見月らしい。

「おっはー、ルカ」

 あ、口調が元に戻った、

 ぱんぱんとおかまが手を叩くと。みんなは私語をやめておかまに注意を向けた。ハンターの意外な一面…案外規律がしっかりしている。

「では、このブルージョに新しく一人加わることになりましたぁ、はい拍手!」

パチパチという音が周りから生まれた。

 ブルージョというのがここのハンターたちのパーティ名か…カッコいいっちゃ、カッコいいかも

「では、にのつぎ 途守は一歩前に出なさい。」

 小学校の頃の卒業証明を渡された昔の記憶を思い出しながら一歩前に出ると、おかまに首からネックレスを変えられた。

「これは…?」

「身分証明書、兼、戦力増強ってところよん」

「それは、まぁ後で説明するのだ!!それよりコードネームは何なのだ!!」

「そうですね、コードネームは何ですか?あとリーダー、私のコードネーム、氷結の獣に申請してくれましたか?」

 氷結の獣?…直感が告げる、これは厨二用語でなくポケモン用語だと

「…忘れてたわ、ごみん」

 と素直におかまは謝った。ルカさんはいつも通りにこにこしている。

「いえ、別に大丈夫です、むしろ、お気遣いありがとうございます、ところで今日の朝ごはんは納豆ご飯にしますねー、何故か急に食べたくなってしまって」

 朝から納豆ご飯、匂いはキツいが最終的には口臭を抑えるし…そんなことより美味しいから前はずっと…食べてたっけな?最近、色々ありすぎて日常を思い出せなくなっている。

「な、納豆ご飯…」

 一瞬、おかまが地声に戻った。納豆が嫌いなのだろうか。

「いや、聖女のルかの方があたしはカッコいいと思うけどねぇん」

ルカさんはにこにこしながらこう言った。

「聖女のルカ、じゃなくて氷結の獣ルカですよ、リーダー?あ、ちょっと私、倉庫行って納豆取ってきますから…彼のコードネームは知ってますよ、闇の獣でしょう」

 闇の獣…ブラッキーの事か…もしかしてルカさん厨二病?

『ソノ、ナマエ、ニ、ナル、カノウセイ、ハ、ワズカ、エッ、、イヤ、モチアゲナイデ、ン?ソッチッテ、ゴミバコ、シカ、アリマセ…ギャッ』

 ソファに置いてあったメタリックサンダースがルカさんの逆鱗に触れゴミ箱にポイされた。

『マスター、タスケテクダサイ、キュウジョ、ヲ、ヨウセイシマス』

「いえいえ、あなた、今とっても素敵ですよ、居心地は快適ですよね?」

 ルカさんの圧がここまで伝わり、ヒッと透が情けない声を出した。

『ヒッ、モ、モチロンデス、マスター、キュウジョノヨウセイ、ヲ、キャンセルシマス』

 それを聞くとルカさんは奥の部屋に消えた。

「「「怖っ」」」

 爺と真白以外の声がハモった。

「じ、じゃあ仕切り直していくわよぉ」

おかまの声にいつもの陽気さが無い、よっぽど納豆が嫌なのだろう。

「リーダー、頑張ってなのだ」

うなだれているおかまを透がヨシヨシしている。

「納豆、納豆…」

また、地声に戻っている…

「仕方がないのだ、僕が納豆を食べてあげるのだ」

「ほんとか!!透ありがとう!!」

 小学生に縋るアラサーのおかま…おかま、お前は本当にそれでいいのか。っていうか口調が普通になってる。

「井場、ダサ」

 そう、ボソッと真白が呟いたのが聞こえた。これがおかまに聞こえていたらクリティカルヒットだろう。

おかまが壁に手をかけながら起き上がった。

「あの結局、自分のコードネームはなんなんですか?」

「あー、ちょっと左手出してくれてねぇ」

 言われた通り、左手を出すとおかまは真剣に自分の手のひらを見ている。

「何をしてるんですか?」

「手相を見ているんじゃよ」

 と、半ば気配を消していた爺が答えた。

「手相によって、どこに血の十字架を入れるか決めるの、ちなみにミスったら死ぬ、あ、血の十字架って私のほっぺにあるこれね」

 花見月の頬には少し気取った赤い十字架が描かれている。

「へえー、ミスったら死ぬんですね、リーダー、成功してくれたら、何か納豆が食べたいような気がするなー」

 納豆でやる気増強作戦、失敗したら死ぬ。頼むぞおかま!!納豆なんかいくらでも食べてやるから

「だそうなのだ!実はぼく納豆嫌いだからおかま頑張ってたからなのだ!」

「わかった、よしっ、首」

 えっ、いきなりのくび!?自分なんかしたか?と思考がフリーズしかけた瞬間、首に鋭い痛みが走った。

 前に爺に斬られた部分だ。

「よしっ、オッケェ」

「うん?」

 首の皮膚の下で何かが蠢く気配がした。

 そろそろと触ってみると、硬いものが首の皮膚の下にできたことがわかった。

 ふぅ、死ななかったらしい、よかった。

「オッケー、それではお待ちかねのコードネームを発表しますぅ」

「なになに?」

「何じゃ何じゃ」

爺まで声がうわずっている。

「おお、ワクワクなのだ!!」

 いや、ハンター達どんだけコードネームが好きなんだよ!!

「では発表しますぅ、コードネームは銀弾シルバーガレット

不思議なことに、その名前に既に聞き覚えがあった


 何故ならその名前は…


_____________________________________________


さらっと大事な情報流しました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る