1-4:口の利き方を知らぬ娘御
―――――
始め、
幕府にとっても半信半疑であった步軀の件だけあって皆一様に関心が高く、その存在が明らかになった事により、
四組三班の三名は唯一、步軀を見付け退治した者として各々振り分けられ、鐵指は一組一班に、又七郎は二組一班に、陽之介は三組一班の班長とされた。
ある日、陽之介の下に吉田
前将軍
察した陽之介は陽女を奥座敷に隠した。
意庵も
掻い
一つは
癲癩が昨今になって
可能性は少ないとし
明帝の治療に当たった時、伝来の丹薬服用を止めさせ、生薬にて回復せしめた記憶から、
陽之介は途中から話に着いて行けなくなっていた。
この時代にあって陽之介の教養は上流にあり、十分な學問を修めている。だが、
亦、陽之介が話の内容を見失っていたのは、意庵が語る其れが癲癩とされる病症にのみ言及されている為。
呼んでもいない陽女が姿を見せた事に
陽女の姿を見た意庵は、その
若いと聞いてはいたが、
それ以前に、――一体、何処の国の者だ?
「お
「!? い、苛めるとは――
「ゾンビの事なら分かるけどさぁ? 癲癩とか云う病気の話って、爺ちゃんの脳内設定でしょ? 知らないよ、そんなの!」
「の、脳内……て、癲癩、
「なら、初めから
「……それはすまなかった。では改めてお聞かせ願いたい、存未とやらについて」
「いいよ! ゾンビはねぇ~」
「うむ、存未とは?」
「腐った屍体が動き回るヤツ」
「!? …………」
意庵、軽い
――なんだ、是は。
まるで、
丁幾と云う聴き慣れない丹薬を調合すると聞いていたので、若い乍らも
併し、実態はどうだ。
予想よりも見た目は幼く、中身に至っては
是は完全に当てが外れた。
凡そ、薬の生成は
ならば話は早い――
――
「――ふむ。ところで、噂に聞く
「初めから其れが狙いですか! お帰り下さい」
「いいよ」
割って入る陽之介の後ろから陽女はそう、あっさりと答える。
近くにあった
見た事もない
「こ、これはッ!? 正に
「爺ちゃん、気に入ったみたいだね? 良かったら、作り方、教えるよ」
「な、なんとッッッ!!!
「あいよっ! その代わりぃ~……――」
「――相分かり申し上げ
「んじゃ頼むよ、爺ちゃん!」
後世、
父意庵が
粗野でいて淀みなく
其れを直接伺った時、高齢なる老父はまるで
外法剣比翼連理 Zombie Land of the Rising Sun 武論斗 @marianoel
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