第14話

痛みに顔をしかめて

痛みは頬を掠めて


何も良いことなんてなかった

何も憂いものなんてなかった


夏の日陰にミミズの死骸

傷も膿んで引きずる死体


あなたを愛してるって言葉のすべからく嘘だった誰かに合わせて放った悲しい嘘だったそれくらいなら嫌っててほしかったそれでもあのこはぼくに謝った


こんな思い出はるか彼方に消えて

そんな思い出ばかりが片隅に残って


夏の日陰にミミズの死骸

傷も膿んで引きずる死体


心ばかりにぼくを蔑んでここぞとばかりにぼくを貶めてしがらみでぼくを囲って紅に沈む身体


もう、狂っている

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