詩、詰め合わせ2(Heath組多め)
『手を繋ぐ』
暖かい君の手に、そっと触れてみた。
君はびっくりして私を見る。
冷たくないよ。暖かいよ。
だから、このままでいさせて。
寒い冬空の下、二人で歩いた帰り道。
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:イメージはクロと鈴。
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『遠い日の唄』
ゆらり
揺れる陽炎に、
未来を重ねて走ってた
ひらり
舞い立つ蝶に、
過大な希望を背負わせた
くるり
通り過ぎた道を、
誰かが笑って横切った。
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『夜は想う』
あの時言った言葉、嘘と言えば笑ってくれましたか?
独りは辛い、寂しいと、涙を流す貴女に近付いて、甘く囁いた。
変わった人ね、笑う貴女に伸ばした手は、触れることを躊躇った。
夜は光に触れることを恐れた。
独りになりたくないと思いながら、貴女から離れるよう仕向けた。
せめて笑顔で別れたかったと、今更後悔しても仕方ないけど。
生きていれば、また会いましょう。
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:ナハト坊ちゃん。
書いててこっちまで辛くなったんだけど何これ。
恐る恐る手を伸ばした。けど、それだけ。触れられない。もっと傍に居たかったのに自分から突き放しといて後悔してるめんどくさい奴です。
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「俺はお前が笑っていてくれた方が嬉しいんだけど?」
……………………………
君は笑う。
身体に残る傷痕なんて
まるで存在しないかのように。
俺は笑う。
お前に心配かけたくないから。
でも、
なんでお前はそんなに辛そうなんだ?
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:鈴とクロ。それぞれの思い。
最初の「」の台詞はクロ。
御題『ゴメン…笑えないや』
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エラー発生、プログラムヲ強制終了シマス…
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人間は「喪失感」「悲しみ」というものを味わうと涙を流すらしい。
涙――目元から零れる水分。私にはよく分からない。
泣かない、泣けない。失うほどのものを持っていない。喪失感や悲しみを感じることもない。まだ、分からない。
「満たされる」という言葉は何となく分かる。きっと充電した時のあの感覚だ。
「怒り」「苛立ち」「憎しみ」は、一番初めに教えられた。彼らは今も造り続けているのだろう。
痛みを感じないカラダ。
痛みを感じないココロ。
試作段階で抜け出して、未完成の私。
エラー発生
原因不明
『強制終了シマス…』
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:機械の心。朔。
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早朝
まだ大半の人が眠っている頃、見上げた空は暗く静か。
視界に白いものが見えたと思ったら頬に冷たさを感じて目を開く。
ああ。雨が降るのか。
自分の住む地域ではそれが妥当だなと勝手に決め付け、自転車を車庫から引っ張り出して来た私の目に映ったのは、さっき視界に入ったものと同じ白。それも、いくつも。
雪だ。
なるほど寒い訳だと一人納得し、自転車に跨がった。
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雨の子
雨の子レイニィ
空から落ちた
とんたん
屋根を叩いても
誰も扉を開けはしない
雨の子レイニィ
屋根を転げて
ぱたぱしゃ
バケツにはまったら
思うように流れれない
雨の子レイニィ
バケツの中で
うとうとしてたら
放り出された
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無題/うた
一人はつらいと
君は泣く
僕を留めたところで
何の解決にも
なりはしないけど
歌を歌ってと
君は願う
僕が歌ったところで
一時的なものでしか
ないけれど
後悔の涙が頬を伝う
会いたい でも
会えない 君に
歌いたい でも
歌えない 伝わらない
どれだけ旅を続けても
君のいる世界には
行けない
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『吹雪を咲かせる旅人』
「何で無理して笑うの?」
彼は見抜いた。自分自身にすら嘘をついている私を。
あるいは彼の連れている黒猫が告げたのかも知れない。緑の目は私を見つめたままだ。
上下からの視線に挟まれて、逃げるに逃げられない私は顔を伏せた。膝を抱える両腕の中に顔を埋めて、気持ちの一部を吐き出した。
「皆……いなくなっちゃえばいいんだ」
その時に彼がどんな表情をしていたのかは知らない。彼の声も、猫の鳴き声も聞こえなくなっていた。
代わりに耳に届いたのは、さらさらと柔らかな風が動く音。そして、歌。高く、低く。まるで鳥が空を飛ぶように。
目を開いてみる。ゆっくりと。顔を上げてみる。
目の前には枯れていたはずの桜の樹。太いものから細いものまで、枝という枝に花が咲いていた。
風に揺れて花びらが舞う。
「何だか……雪みたいだね」
呟いたのは誰だろう。
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:アペリ関係の二本。
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感情屋
感情屋、感情屋。
心をひとつ下さいな。
喜びの心を下さいな。
感情屋、感情屋。
心をひとつ下さいな。
怒りの心を下さいな。
感情屋、感情屋。
心をひとつ下さいな。
哀しみの心を下さいな。
感情屋、感情屋。
心をひとつ下さいな。
楽しい心を下さいな。
感情屋、感情屋。
おやおやもしや、
品切れかい?
心を無くした人形が、
今日も感情売り歩く。
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さよなら大好きな猫(ヒト)
「またね」
別れの言葉は冷たい空気に溶けてしまった。
もう二度と会えないのに「またね」だなんて、変な話だよね。
土に埋まった黒い毛皮。三本の尻尾はもう動かない。
君につき続けてた嘘は、本当のことを明かす事なく終わっちゃったね。
「大丈夫、大丈夫」
今度はボク自身を騙し通してみるよ。
雨が静かに降り出した。
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