夢の話

 標的はこの付近に潜んでいるらしい。武器を構えて慎重に進んでいく。

 とある店の前――駄菓子屋だろうか。おばあさんが穏やかな笑顔で座っているその前で――兄弟が争っていた。

 兄は13。弟は11といったところだろうか。

 兄は笑って逃げるうちに壁際へ追い詰められてしまった。

 弟はどこからか拳銃を取り出し、兄へ向けて――撃った。

 目の前で、動かなく、なった。


「……ちょっ…」

 言葉にならない。

 声を出したせいで気付かれ、逃げられてしまった。

「!! ちょい待ち!」

 標的でもない者を、放っておけなくて、追いかけた。


 どこの家かは知らない。彼を追って来たら周りを見ていなかった。

 土足のまま畳の上を走る。

 今思えば、どうして追いかけてしまったんだろう。気になったからとか、放っておけなくてとか、そんな理由で――まさか撃たれるとは思っていなかった…?

 彼が振り向き構えたのは、今しがた彼の兄を殺したばかりの拳銃。

 そして彼はまた、引き金を引いた。

 避けられる訳が無い。

 左太腿に当たった弾と銃を繋ぐのは一本の糸。ありえないことに。

 糸を握り、脚から弾を引き抜くと血が溢れた。

「……大丈夫」

 そう自分に言い聞かせると、相棒を素早く取り出し、放った。

 突然の事に驚き、動けなくなった彼。

 右足に力を入れて駆け寄り、動きを封じた。


 いつの間にか、店にいたおばあさんがいた。

 驚いただろうね。

 通報と応急処置の用意をお願いして、左足の止血から始めた――





 ――と、手当が始まったところで途切れた夢。

 これが今年、2009年の初夢でございました。



※※※※※※※※※※



 夢で見たことだから細かい所は許してほしい。場面も急な変わり方するんで。

 追われるのは何度も見てたけど、追う側だったのは初めてかも。でも負傷。必ずと言っていいほど。

 初っ端からこんな夢を見てしまった自分て一体……;

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