ココロとコトバ

 ワーワー騒いでいた声は、やがてザワザワ……サワサワ……しーんとなった。

 舞台の中心までトコトコと歩いていくうちにも、心臓のドキドキは大きくなる。

 マイクの前に立った時には、耳元でバクバク音がしているような気さえしてきた。

 用意していた言葉はすっかり白紙。時間はのろのろと過ぎていく。

 そのうち体がカタカタと震え出す。怖くて。

 必死に「落ち着け」と言い聞かせても止まらない。泣きそうだ。

 ザワザワザワザワ……

 風が森を揺らした。雲が流れていく。

 ぴかっ

 雲の向こうから太陽が出てきて皆を照らす。

 ここからだとよく見える。

 ひらひら舞うのは花と蝶。

 皆に後押しされて、出て来たことばを素直に口にした。



※※※※※※※※※※※



:『「カタカタ」「トコトコ」「ざわざわ」「ドキドキ」「ひらひら」「ぴかっ」「のろのろ」「ワーワー」――この八個の擬音語・擬態語を全て使って、創作物語を作りなさい』

 授業中に出された課題から、この作品はできました。

 5W1Hなんて完全無視です。視点も不安定で、もう少し時間があったらもっと話を広げられただろうにと思いつつ提出したお話でした。

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