7

「おめでとうございます、ダレンさんはEランクに昇格です」


「おお、とうとうF抜けたか……」


いつも通り、常駐のクエストと採取をこなして受け付けに行くとランクの上昇を告げられる。


「いえ、ダレンさんはなかなか早いほうかと」


「あ、そうですか」


「はい、討伐がゴブリンばかりなのと採取物の提出がなくポーションになっているのは異例ですが、3桁以上の討伐があればレベルも一定以上はあると思われますし、貢献としては妥当なところかと」


「ほほう、やっぱりそういうところはチェックされるんですね」



「……まあ、明らかに怪しい方々を簡単に昇格させるわけにはいけませんので。もっともEランクの査定ですので、そこら辺は緩めですが」


Eランク程度で提出物のチェックがされていることに多少の驚きを感じながらも、おどけた様に確認するダレンに、受付嬢平然とこたえる。


「でしょうね」


「Eランクに上がりましたので、受けられるクエストが増えました、この街ですと半分以上のクエストが受けられますね。逆に今まで受けていたクエストですと貢献が認められ辛くなります」


「ゴブリンだと上がりづらい感じですか……」


「まぁ、0ではないので集落等をいくつも落とせばDかCまではなんとか」


「いや、ゴブリン退治に拘りはないので」


「そうですか、では、手続きをしておきますね」


「お願いします」








「Fランク抜けたよクゥ!!」


『良かったねぇ』


受け付けから離れたギルドの隅で相変わらず興奮してクゥに話し掛けるダレン。


「何年ぶりだろ……まあ、よっぽど問題起こさなきゃCくらいまでは余裕なんだけどな」


『……』


「ランクも上がったし、戦力強化を図るか」


『レベルあげぇ?』


「いや、新しい武器作り」


『なんでぇ……』


「レベリングは準備が肝心なんだよ」


そんな話をしながら、クエストを物色しに行くクゥとダレンであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る