6

「良かったら、うちのパーティに入らないか?」


一週間ほど、昼はゴブリンの定数退治と採取、夜はスープとポーション作成の毎日を送っていたダレンが

ギルドに行くと、1人の青年が声をかけてきた。


「え?勧誘?」


「まぁ、そうなるかな?君、ずっとソロでやってるみたいだしどうかな?」


「マジか、勧誘なんてどのくらいぶりだろうな?クゥ」


『くぅ……』


何故か興奮したようなダレンと呆れたようなクゥ。実に対照的な主従に少しだけ引きながらも、青年は続ける。


「で、どうかな?僕達は今4人でやっているんだけど、もう1人くらいいてもいいかなと思ってね」


「ああ……嬉しいんだけど、無理かな?」


その誘いに申し訳なさそうに断りを入れるダレン。


「何故?」


「今のところ、生活リズムが人と合わないんでね、団体行動すると、迷惑しか掛けない」


実際、眠る以外はほとんど作業をしているダレンが誰かと生活することは、それこそ似たような気質の持ち主以外にはむずかしいであろう。


「……そうかい、気が変わったら言ってくれ、空きがあるうちは歓迎するよ。もっとも、僕達【勇気の翼】は近いうちに有名になるから、早めに来たほうが言いかもね」


「うん、誘ってくれてありがとう」


あっさりと引き下がる青年、ダレンの興奮具合に引いただけかもしれないが……ダレンも実際のところ興奮した割には

(逆ギレとかもなく引き下がってくれて良かった)程度にしか思っていなかったりする……


『ますたー?』


「ん?」


『ますたーはパーティ組まないのぉ?』


「今はいいかな?ソロのほうが気楽だしな、というか彼にも言ったけど、人と生活リズムが合わないし」


『……くぅ』


「なんか、今日はゴブリン虐める気がしないから、猫探しのクエストにしようか?」


『そんなクエストあるのぉ?』


「さぁ?」


もちろん、そんなクエストはなく、結局ゴブリンを退治しに行くダレンであった。





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