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「ずいぶんたくさん作ったわね」


「まぁ、作ることが目的なので」


朝、起きると宿の女将さんに開口一番に呆れられたように言われる。


「飲んでみます?」


「あら、良いのかい?」


「これだけあるんで」


「じゃあ、いただこうかね」


女将さんはダレンから容器を受け取り、少し物珍しそうに見たあと、ゆっくり飲み干していく。


「ん、なかなか素朴でいい味じゃない。うちの朝食に使いたいくらいだわ」


「コップ一杯10ルラでいいですよ」


「いいの?子供のお駄賃みたいな金額だけど」


「さっきも言ったけれど、作ることが目的なので」


「それじゃあ、遠慮なく買わせて貰おうかね。今から温めれば朝食にも間に合うだろうし、逸品作る手間が省けたわ」


「まいどあり、ところで冒険者ギルドってどこにあります?」


硬貨を受け取りながら、そんなことを切り出すダレン、因みにクゥは、商談中はいつもだんまりを決め込んでいる。


「うん?まだ登録してなかったのかい?」


「昨日、街に着いたのが遅かったので」


「珍しいね。まあ、ギルドは街の中心部だから迷う事はないよ」


もっとも、この時間には開いてないけどね。と続ける女将さんと少し雑談にふけるのだった。






それから、ひとまず部屋で休憩した後、冒険者ギルドに向かったダレンは登録を済まそうと、ちょうど空いていた受付嬢に新規登録の旨を伝える。


「新規登録ですね、こちらに必要事項を記入して下さい。それと登録料は500ルラいただきます」


「はい」


本当に手隙だったらしく淀みなく、手続きが進んで行く。


「こちら、Fランクのカードとタグになります」


「はい、ありがとうございます」


それから、ランクや買い取り所、パーティ斡旋やクエストの説明などを受け、最後に。


「ランクはギルドへの貢献度等を加味して上がっていきますので、頑張って下さいね」


と受付嬢に微笑まれながらそう言われたダレンだが、心がどこか遠くにあるように、はいと返事をしただけだった。






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