第4話 義母との戦いに備える
義母は彼氏ができたのをいいことに、間違いなく、旦那くん家の財産を総取りする気でいるのは明確であった。
もしかしたらこっちの勘違いじゃ、なんて油断は命取りなので断言しておく方がいいだろう。
ちなみに旦那くんから彼氏の情報を他にもいくつか聞いてもらったが、その彼氏について義母はなかなか話そうとしないらしい。
あやしい。あやしすぎる。
パソコン教室の先生以外の情報が欲しいのに、そこを話したがらないということは……
最悪コブ付き。もっと最悪前科持ちの可能性にまた吐き気かした。
旦那くんによって義母との面談(気持ち的にはもはや囚人面会だ。クソババア罪でぜひ刑務所にぶちこまれて欲しいものである)の日まで一週間ほど時間を作ることに成功した。
それまでにワタシがすべきことは、『探偵』もしくは『弁護士』への相談である。
まず探偵だが、こちらは義母が話したがらない彼氏について調べるためだ。
何か裏でしているのではないか?
そもそもパソコン教室の先生という情報すら義母の嘘ではないのか?
家はどこなのか?
どんな人物なのか?
知りたいことは山ほどある。
一応補足しておくが決して義母が騙されているとか心配だとかではない。むしろ勝手に騙されて身包み剥がされても知ったことではない。
そのとばっちりがこっちにこないかが心配なのだ。
義母を経由して旦那くんや旦那くんの家が狙われてはたまったものではない。
なのでまず、ワタシはネットでいくつか探偵会社をピックアップしてから口コミのよい所へ電話してみた。
「はい◯◯探偵社です。本日はどうされましたか?」
電話口の男性は雰囲気が良く、声色もかなり若く思えた。もっと厳ついおじさんが出るかと思っていたワタシは少し驚いた。
そこからある程度こちらの事情を説明する。
「なるほど。でしたらその彼氏さんを尾行する形で調査することになると思います。自宅、職場、交友関係なども調べられるかと」
電話口の男性が提案したのはこのような内容だった。
義母たちと会う日に探偵が近くで待機する。
会談後、帰る義母たちを探偵がそのまま尾行。
しばらくその動きを見張り、写真や行動に怪しい点はないか報告する、というわけだ。
ちなみに費用だが、探偵を雇う料金に加えて尾行する上で発生する経費諸々を含み、それなりにお高かった。
少なくて15万、相場は30万ほどである。
ワタシは電話口の男性に検討しますとだけ伝えて電話を切った。
そのあともいくつかの探偵会社に電話してみたが、どこも同じような内容であった。
「うーん……」
率直に、探偵はなんだか少し違う気がした。
もちろん金銭面の問題もあるが、しかしもっと決定的な、強力な味方がほしかったのだ。
完全に義母とは遺産をかけての戦いになる。
となるとやはり。
ワタシは次に、全国で評判のいい弁護士を、さらにそこから遺産相続問題を扱った経験の多い弁護士をと片っ端から探すことにした。
その半日後くらいに、ここだという弁護士事務所に予約を入れた。
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