第3話 白日日和
霧が晴れた、清涼な川岸。ダレンは、
「ギャァウヴグゥゥルゥ!」
女は、四方八方に伸ばされる黒く長い手を、最小限の動きで、確実に
「あんた、
ダレンが虚から出る時、魔生の目に突き刺した傷は、完全に修復されている。だが、女が真っ白な剣で切り落とした左腕はその
まさか、あの剣は、神器なのか? でも、そんな
「もう
「ギャァッギャァッギャァッギャァッー!」
魔生は、咆哮を上げながら、女に向かって突っ込んでいく。それなのに、ピクリとも躱そうとしない。それどころか、剣の刃を眼前で空に向ける。右手だけで柄を握り、腕を自身の胸に引き付ける。すると、刀身の付け根に開けられたひし形の穴から、鏡の瞳が覗く。
金属の
「天上に昇る
刀身から立ち上る
「ギャァウヴグゥ! ギャァッギャァギャァッー!」
「
魔生の胸に吸い込まれるように剣が沈み込んでいく。
「
胸の裂け目からたちどころに白炎が広がり、全身を包み込む。凄まじい勢いにも関わらず、熱気が感じられない不可思議な火。触れると途端に形を無くし、肉が、骨が散り消える。たった数秒で、巨体は、跡形もなく燃え尽きてしまった。骨どころか、灰すら残らなかった。何事も無かった風を装う苔むした石だけがすべてを見ていた。
🔹キャラクターメモ🔹
🔹鏡瞳の女
神器と思しき片刃の剣を持っている。剣は、刀身が真っ白で鎺から少し上あたりにひし形のくり貫きがある。
🔴語句メモ goo国語辞書より引用(小学館大辞泉)
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