第4話

『おはよう、お兄ちゃん。私は仕事を片付けてから学校に行くから、先に出かけるね』

ミクの書き置きと、朝食の目玉焼きとサラダがテーブルに乗っていた。ミクは相変わらず忙しいんだな。俺は朝食をありがたくいただき、初の道を行くため時間に余裕を持って家を出た。

普段、会社に行くための道とは別の路線、風景から何まで新鮮な経験だった。


電車に揺られ、乗り換えを繰り返し、1時間、、、


遂に、高校の入ったビルの目の前にたどり着いた。ここから新しい生活が始まるのか。


、、、よし、行くか、、、!


俺は新たな一歩を踏み出すのだった。


「N君、ここがあなたのクラスの教室よ。入ったら軽く自己紹介をしてね」

自己紹介か、そう言えば昔はこういうのが苦手だったな。だが、大人になった今では別に苦ではない。

「皆さん、初めまして。NSと言います。これからよろしくお願いします」

俺は無難に挨拶を済ませると、担任の案内で席に着く。すると髪型セミロングで落ち着いた雰囲気の隣の席の少女に声をかけられた。

「N君これからよろしくね。私は木辺歩美(きべあゆみ)。後で話したいことがあるから放課後4階の空き教室に来てね」

「ああ、分かった」

俺は最初の授業、数学の講義に出た。


か・ん・た・ん・だ。簡単すぎる。偏差値がそこまで高くはないのは事前の調べで把握していたが、なんだか思ったより楽だな。教科書がなくても内容が理解できる。すると木辺がこっそり話しかけて来た。

「ねえねえ、N君、ここの問題分かる?」

「ああ、そこか。それなら公式を使って、、、」

俺は彼女に手取り足取り、教師にバレないようにこっそりと教えた。

「凄いね、N君!また教えてね」

「おう」

「あ、N君、教科書持ってないでしょ?私の一緒に見よ」

なんだか、距離感がやたら近いやつだな、、、


放課後、、、


俺は木辺との約束通りに4階の隅にある空き教室へと足を運んでいた。ところが次の瞬間、、、


パーン!「ようこそ、よろず部へ!」パーン!

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