第34話婚約解消
真面目に過ごしているとばかり思っていたヴィランが再びやらかしました。
浮気です。
何でしょうか?
どうして浮気をするんです?
何のために“
ええ、ええ。
ヴィランは元来小心者。
博打を行ったり娼館通いをする度胸などありません。
ただし、「一人では」という注釈がつきますけど。
ヴィランにそういう事を教えたのが“
勿論、そんなものに手を出さない方が好ましいのですが……。男性同士の「つきあい」というのもありますからね。それとヴィランからの聞く“
前回の事もあり、ヴィランには公爵家の影を密かにつけていました。
だから発覚も早かったのですが……。
『卒業したら
『
『奥さん? 何だか妹みたいな存在だって言ってたわね。私が気にする存在じゃあ無いんですって。
事情聴取の結果は酷いものでした。
ヴィランには女を見る目がないのでしょうか?
当然、婚約は解消。
スタンリー公爵家はヤルコポル伯爵家のヴィラン・ヤルコポルが婚約期間中に不貞行為を働き、あまつさえ愛人として公爵家に住まわせようとした事が全ての原因であるとして慰謝料と賠償金を請求しました。その金額は桁が違っていて裁判所も驚いていましたが「御家乗っ取り計画(未遂)」を知ると、「妥当な金額です」と態度を改めたのです。
多額の慰謝料と賠償金、その他の負債を抱える事態になったヤルコポル伯爵家は資産の売却だけでは足りずに領地を売る羽目になりました。
前回と同じような結果になってしまいました。
人生とはままならないものですね。
それでも浮気発覚が早期であった事、相手が身持ちの悪い女性として有名であった事、何より前回と違ってヴィランがまだ十五歳という年齢を考慮した結果、ヤルコポル伯爵家は爵位を失う事態は避けられました。
ヴィランも「若さゆえの過ち」と情状酌量の余地ありとされたのです。
ある意味、これはこれで良かったのかもしれません。
ヤルコポル伯爵家が健在ならヴィランが
資産も領地も失ったとはいえ、家族の職はそのままです。
スタンリー公爵家の後ろ盾をなくしても王家の後ろ盾はあるのでなんとかなるでしょう。
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