おすすめ作品を紹介
カクヨムコンが始まりました。
公式Twitterによると、応募作品が8000を超えているそうです。
すごいですね。
さて、白木犀さんと惣山沙樹さんのエッセイで拙作を紹介して下さって、自分には勿体無い、こちらも返さねば!と思い筆を取った次第なのですが、折角なのでただ紹介するだけでなく、自分の感想と、他におすすめな作品を一緒に添えて行こうと思います。
まずは惣山沙樹さんの『Raining~吸血鬼の集うショットバー~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330649352335828
ショットバーが舞台で群像劇で、現代の世界で生きている吸血鬼達のお話です。
長編で、現在カクヨムコン8に参加されています。
現代の吸血鬼というと、アメリカのヤングアダルト小説とその映像作品である『トワイライト』が有名です。
『トライライト』は、小説版は読んでいなくて映画の方で観ましたが、主人公の女の子を巡って吸血鬼と狼男が取り合っていて、主人公の女の子が「吸血鬼と狼男で私を取り合って争っちゃう、どうしよう!」となる楽しいお話で、また、現代に甦る吸血鬼物というと、割と多いのが吸血行為=性行為のメタファーとなる場合が多いのですが、トライライトは普通に主人公と吸血鬼のベッドシーンがあり、吸血鬼は力が強いから手加減してもベッドシーンが激しくなりすぎて、事後に家具とかぼろぼろに壊れちゃう……という描写が楽しいお話でした。
最後はとても強い敵と戦ってましたがオチが◯◯◯(ネタバレ防止。忘れた訳じゃないよ。忘れたわけじゃ)だったりと、最後まで楽しいお話でした。
あと主人公の野球嫌い描写が凄くてなんでそんなに野球嫌いなん作者……となったりと細部まで楽しいお話でした。
話がそれました。トライライトの話は関係ないのでした。
自分は『Raining~吸血鬼の集うショットバー~』を読む前、偶然にもたけすみさんの『鬼籍の街ー人狼探偵と吸血真祖ー』https://kakuyomu.jp/works/16817330649447090835
を読んでいて、こちらも現代で人間と吸血鬼が共存する話で、人間と吸血鬼が血を通じて繋がる話で、でもたけすみさんの方は探偵、惣山さんの方はショットバーという、どちらも独特の語り口になっていて、良いです。
さて次は白木犀さんの『イノセント・ガール・サズ』を紹介します。
https://kakuyomu.jp/works/16817330650051478919
こちらも、現在カクヨムコンに参加されている短編です。
なぜだか自分がカクヨムで読む作者の方は小説の語り口がハードなのにエッセイが人間味があって楽しいという、作風と作者のギャップが凄い方が多いのですが、この作品も作者さんの普段のエッセイとはかなり違った、かなり純度高めのホラーとなっています。
白木犀さんの小説は言葉の使い方のセンスが上手いので何書いても上手いなあと感心してしまうのですが、ホラーでも手を抜かないで容赦無く言葉で刺してきます。恐れ入ります。
さて、『イノセント』と言うともう一作、カクヨムでとても好きな作品があります。
セオさんの『イノセント・ダーク ~INNOCENT DARK~』
https://kakuyomu.jp/works/16816700428211570735
こちら最初はかなり難解に感じるのですが、途中から止まらなくなります。
最後まで読むと、もう一度最初から読み直しなくなって、読み直してみるとあの難解な感じがまったくなくなって全部計算されていたのかと驚きます。
さて、最初は難解に感じるけれど、途中から止まらなくなる作品をもう一つ、
朝吹さんの『皇帝の従妹』
https://kakuyomu.jp/works/16817139558918741404
なろう系ラノベファンタジーではなく中世ローマ的な本格ファンタジーで、毎回圧倒的な知識量と話の展開に驚きます。ぎっちりテキストなのに不思議と読みやすいのです。
続けてご紹介するのは、雨 杜和さんの
『陰陽師の呪縛 〜男を必ず落とす超モテ女の秘密〜』
https://kakuyomu.jp/works/16816452219750143893
今話題の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源実朝の歌を添削した人、藤原定家のご先祖様、藤原兼家の娘が、安倍晴明の師匠・賀茂保憲(呪術廻戦に出てくる加茂憲倫のモデルと言われている人)の子、賀茂光栄と恋に落ちるも、弟の賀茂法光に呪い殺されるという過去を持つ主人公が現代に生まれ変わるようです。(ようですと言うのはまだ物語が平安編なのであらすじによるとなのです)
作者さんの手腕はすでに前作、前前作で実証済みなのに、今作は更に流行りの要素をうまく取りいれて、どうなるのか楽しみです。
最後にぜひみなさんに紹介したい作品が一つあります。
いつか、おすすめ作品を紹介するエッセイを書く時にこれはおすすめせねばと思っていた作品です。
川上イズミさんの『クラスメイトの黒パンストを盗んだら、ニートピアという矯正施設に放り込まれた件』
https://kakuyomu.jp/works/16816927860010018983
もう、タイトルからして凄くないですか?
ニートピアですよ。ユートピアでもスートピアでもない、ニートピア……
しかも主人公かクラスメイトの黒パンストを盗んで入れられるんですよ。
タイトルだけでパワーワードの玉手箱やーです。
各話タイトルもいちいちニートに関連付けていて、こだわりを感じます。
それでいて、内容はふざけてない。実はちゃんとしている。ラストは自分も好きな某映画監督のオマージュという、見事な終わり方。
こういう作品があるからカクヨムはやめられませんね。
以上です。まだまだ良い作品がわんさかあるのでキリがありませんが、ここで一旦区切りとさせていただきましょう。
いやぁ、カクヨムって本当にいいもんですね。さよなら。さよなら。
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