第19話 首飾り

『カンカンカン』

鍋を叩く音がする。


『起きろー!朝食ができたぞー!』

女が言った。


寝ていた者、作業をしていた者たちが一斉に声のした方へと移動し始めた。


『ファイン行こう』

俺はファインに言う。


ファインは俺の手首を手錠のように硬く掴んでいる。


俺は朝食をとりに動き出した。




『はい、二人ともどうぞ。』

子供が俺たちに朝食の入ったお椀を渡した。


俺たちは食事をし始める。



『皆さん!』

遠くで女の声がした。


俺はこの方を見る。

そこには教会の外階段の上に立つ一人の成人女性がいた。


『昨日はご苦労様でした、今日も頑張りましょう。 今日の仕事内容は男性の人昨夜集めた木の処理をお願いします。女性の方は畑仕事などをお願いします。 それぞれの詳しい内容は班長が伝えます。』


女性は話し終わり、どこかへ消えた。

それと同時に何人かがその場から動き出し教会の方へ向かっていった。


『ファイン、俺たちも行こう、』

俺たちは食事を済ませていたので教会の方へ行くようファインに言う。


『いや!』

立ち上がる俺の手をファインは強く引いた。


『どうしたんだ?ファイン?』


『レオと離れたくない。』


『は?』


ファインは続けて言う。

『今日は男女で分かれるんでしょ。そんなのいや!』


『だが、それだったらこの村を離れて別のことをするか?』


ファインは黙り下を向いて考えている。


数秒経って、ファインは言う。

『わかった、、、、この村を助る、、、、、レオ、これを受け取って。』

ファインは首飾りの一つをとり、俺に渡して来た。


『ああ、わかった』

俺は首飾りを受け取った。


俺は首飾りを着けようとする。


なかなかうまくいかない俺を見てファインは俺の後ろにまわり、

『レオつけるね。』

ファインは俺の持っていた首飾りをとり俺の首に付けた。


『はい、』


『ああ、どうも』


『これを絶対に外さないでね。』


『ああ、』


俺たちは教会の方へと歩き出す。


ファインは俺の腕を抱き締めている。


首飾りが光る、少しファインとの繋がりが強くなった気がした。








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