第11話 死
『ああ、村の住民に聞いてくる』
俺はファインを置いて住民の集団の方に向かった。
『待ってよ!』
ファインがついてきた。
集団の近くまで来た。
住民たちは俺たちのことを見ていた。
『どうかなさいましたか?』
一人の住民が聞いてくる。
俺は住民に言った。
『戦いを支援した報酬を貰いに来た。』
『え、あ、はい。わかりました。どのような物をお望みで?』
住民が俺に答えた。
『違うでしょ!レオ!』
ファインが話しに割り込んで、
『報酬じゃなくて、次なにしたらいいか聞くんでしょ!』
『ああ、』
『そうでしたか。ですが、今はもうしていただきたいことはありません。』
『そう、わかったわ!、、、、、ところであのお爺さんは?』
『あの?お爺さん?、、、、誰のことでしょうか?』
住民はファインの問いに困っている。
『あの森の中の小さな小屋にいた人よ。知らない?』
『え?あ?』
住民はますます困っていった。
『ここから見て北側の方にある小さな小屋で住んでいる爺さんだ、今回短剣で戦っていた。』
俺はファインの言っていることの補足をした。
『そいつなら死んだ』
会話に足を引きずった中年男性が割り込んだ。
『え?』
ファインは突然言われて少し驚いていた。
中年男性は続けて言う。
『さっきからうるさいだよ、少しは黙っていてくれ。』
『え、はい。』
ファインは一気にしゅんとした。
『いや、すまない、だか、みんな疲れている今日のところは大人しくしていてくれ。』
住民が答えた。
『ああ、わかった。ファイン、行こう』
『ええ、』
ファインのさっきまでの勢いは消えていた。
『ファイン、お爺さんのいた小屋に戻ろう。』
『ええ、わかったわ』
そうファインは言い俺から離れてドラゴンの姿に戻った。
『きて、レオ』
俺はファインの元に行く。
ファインの背中に乗った。ファインは俺が乗ったのを確認して、翼を広げはばたき、空へ飛んだ。
俺は後ろで燃える森、虫の死骸の塊、焼け野原になった村、寄せ集まる村人たちを上から見た。
ファインと俺は静かに村から離れた。
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