第8話 予感
俺たちは爺さんの小さな家に入った。入る時に大量のカラスが飛んでいるのを見た。
木の壁のところどころに穴が、床は適当な岩で足場を作っていた。その真ん中に焚き火の跡があった。
爺さんは俺たちに言う
『君たち適度なところに座ってくれ』
俺とファインは部屋の隅に座って爺さんを見つめる。
爺さんは焚き火の跡に行き呪文を唱えた。
焚き火の跡の上に赤い魔法陣が浮かび上がり、
薪に火を起こした。
爺さんは薪のそばに座り俺たちを見た。
『いやー君たち凄いのーあの広さの畑をこれだけ早く合わせるのは、いやーしかしわしらの農業にこれは革命を起こしたのー』
『ええ、まー』
俺は適当に相槌を打つ。
『そうでしょ!お爺さん!私凄いんです!』
ファインは嬉しそうに答えた。
『そうじゃよ、だがまーこれが広まったら良くも悪くも色々起きそうじゃな』
爺さんはそう言いながら部屋の隅にあった小さな鍋を持ち出す。そして焚き火の上に置いた。
『そろそろ、夕食にでもするかのー』
爺さんはそう言い俺たちに向かって。
『そこの横にある人参とジャガイモ取ってくれるか?』
『ああ、』
俺はそう返事してジャガイモと人参を二つづつ投げた。
『あともう一つづつくれ、、、そういやドラゴンの嬢ちゃんは人間の分量の食事でいいのかね?』
『はい!大丈夫だと思います!』
そう言い俺が取ろうとした人参とジャガイモを横取りして、爺さんに投げ渡した。
『ほう、そうか、』
爺さんは調理を始めた。
数分経って
『よーしできたぞー、ほれ近くによんな。』
俺たちは鍋のそばに向かった。
爺さんは俺たちに小さな木の皿と木のスプーンをわたした。
『ほな、食いな。』
俺はスプーンでスープを飲む。
塩とほのかに野菜の味がした。1ヶ月前食べていたものからすれば見窄らしいが、満足した。
『わーおいし〜!』
ファインはスープを使わずに手でとても美味しそうに食べた。
『凄く美味しいですね、お爺さん、どうやって作ってるんですか?』
爺さんは困りつつ
『いや、ジャガイモと人参を塩茹でしただけじゃよ、そんなに美味いかね?』
『はい!とっても美味しいですよ、いつも食べてた虫やウサギとは違った味で』
『はー?』
俺はよくわからなかったので適当に返事した。
風が強く吹いたのを感じた。
『んー今夜はやけに風が強いのう。そういやカラスがうるさいのう。外で何かあたったのじゃろか?』
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