第5話 村のお爺さん
俺はファインの背中に乗って広い森を飛んでいた。
目の前には城壁に囲まれた村、所々にある民家が見える。
俺はファインに提案した。
『ファイン、、、もうすぐ村だけど、ファインがドラゴンの姿だと警戒されるから、森を抜けたら人の姿になって歩こう。』
『ええ、分かれたわ レオ!』
程なくして森を抜けた。
そしてファインは人間の姿になり、俺と手を繋いで道に沿って歩き出した。
周りはところどころに木の林があれど、ほとんどが畑になっている。
突然ファインが走り出した。ファインは農具が集まっているところで止まり鍬を片手で振り回してながら。
『ねーレオ、これなに? 何かの武器?』
俺は慌ててファインのとこに行く。
『それは、鍬ていうんだ、僕たちの食糧を作るために必要なんだ。多分それは野菜を作る畑用だ』
『え!? あ!』
ファインは俺の言ったことに驚いたらしく
思わず振り回していた鍬を投げてしまった。
『ガッシャーン』
『うわわわわ?!!』
鍬が飛んでった方向を見ようとした時、何か大きいものが壊れた音がした。そのすぐ後に
男性の驚いた声がした。
音の鳴ったところにはバラバラに散乱した木の板、投げた鍬、腰を抜かして尻もちついたお爺さんがいた。
俺とファインは慌ててそこに向かって畑を横切り向かった。
『大丈夫か?お爺さん?』
『危ないとこじゃったのー、ほほ、久しぶりに大声出して驚いてしまったわい』
老人は尻もちついたまま昔を思い出しているように髭をさすった。
『ご、ごめんなさい! お?じ?さん?』
ファインは何かやらかしたのはわかったらしく、謝っている。
『ほほほ、こらーえらい別嬪さんな女の子に謝ってもらえるなんていいのう。』
『お爺さん、俺たち金は持ってないだ、その荷台さえ買えないぐらいに、金以外のことでお詫びがしたい。』
馬に逃げられたせいで金を全て無くしてしまったのだ。
『ほう、そうか、ならお主らの体で支払ってもらうのがいいのう。ついてきな。』
お爺さんは立ち、散乱した残骸を俺たちと一緒に道の横にずらし片付けた。
片付けた終わり歩き出す。
歩いて村に向かう道から外れ森に向かう別の道へと進路をかえた。
1キロ歩いてある森の中にある民家の前に着いた。
民家は一階だての縦横4メートルぐらいの家だった。
民家に着いて、お爺さんは鍬と袋を持って俺たちに言った。
『君たちには今から畑仕事をしてもらう。』
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