第3話 夕日
ファインは俺を乗せたまま2枚の大きな翼をはためかせていく、
周りの木が風で大きく靡く、
俺を乗せたファインは翼を羽ばたくたに雲に向かって昇っていく。
気づけば雲に入る直前のとこまで来た。
「ねえ、レオ、凄いの見せてあげようか?」
「え?」
俺はうまく聞き取れなかったが、
「ああ、お願いするよ」
「そう、よかった、いくよー!」
ファインは一気にスピードを上げて雲に突っ込んだ。
俺は驚き落ちないようにファインの背鰭に必死で捕まった。
雲が顔に重く、強く覆い被さり、苦しい
俺は目を瞑る。
顔にかかる雲が薄くなるのを感じた。
目を開ける。
まだ雲の中にいる。
少し明るくなったように感じた瞬間、ファインと俺は雲を抜けた。
目の前に濃いオレンジ色の大きな夕日が見える
夕日の近くから段々とオレンジから薄群青色になていた。
辺り一体に白いもふもふの雲が地平線の彼方まで広がっていた。
俺はその雲の上に広がる光景に見惚れた。
「ねえ、レオ、綺麗でしょ?」
「ああ、綺麗だ、」
「どう?気分良くなった?私と出会った時から元気がなかったから心配したんだから、ありがとうは?」
俺は夕日を見ながら
「ああ、ありがとうファインさん」
「う、えへ、もうしょうがないな、どういたしまして、、、あ、でもレオ、私のことはファインさんでは無くて、ファインと呼んで」
「ああ、わかった。」
「もう下に降りるわね」
ファインは高度を徐々に下げていく。
雲の中に入り夕焼けが見えなくなった。
俺は正気に戻る。
「あ、」
「ん?どうかしたの?」
「あ、いや何でもない」
「初めてでしょ、さっきの夕日?人間はお空飛べないからね?」
「ああ、初めてあそこまで綺麗な夕日を見た。」
「そう、、、、、どう?、私と仲間にならない?」
「え、」
「いや、ね、貴方はいつでもお空に飛べてどこまでも行ける。私は貴方に人間の世界を案内してもらう。そんな関係にならない?楽しいよ?」
俺はファインの提案に興味はないが、断れば大変そうそうなので
「ああ、わかった。」
「本当?嬉しい!よろしくねレオ!」
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